著者
岡部 康成 今野 裕之 岡本 浩一
出版者
社会技術研究会
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.288-298, 2003 (Released:2009-08-19)
参考文献数
33
被引用文献数
2 2

近年,企業における組織的な不正行為や労働災害の背景要因として,遵法意識や安全意識などの心理的要因が取り上げられることが多い.そのため,組織は,これらの心理的要因を管理する必要性に迫られている.しかし,これまでに用いられてきた質問紙による測定だけでは,遵法や安全に関わる心理的要因を正確に測定できない可能性がある.そこで,本研究では,近年の不正や労働災害の動向やこれまでの安全態度に関する研究から,不正行為や災害の防止のためには,潜在態度を測定することの必要性を述べた.そして,潜在態度の測定方法の紹介し,この測定方法が不正行為や労働災害の防止策として,どのように利用可能であるか論じた.
著者
岡部 康成 木島 恒一 佐藤 徳 山下 雅子 丹治 哲雄
出版者
文教大学
雑誌
人間科学研究 = Bulletin of Human Science (ISSN:03882152)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.145-151, 2004-12-01

Until recently, the measurement of attitudes and beliefs has been limited to self-report questionnaires. The use of such measure unrealistically assumes that all the participants have both the ability and the motivation to report their attitudes and beliefs accurately. Recently, Greenwald, McGhee, and Schwartz (1998) developed the implicit association test (IAT) to overcome such limits inherent in self-report measures by examining attitudes and beliefs that lie outside conscious awareness and control. In the present study, we assessed implicit attitudes towards the supernatural power using two versions of IAT; the commonly used personal computer (PC) version and the recently developed paper and pencil version. Thirty-six undergraduates participated. Participants equally demonstrated negative attitudes towards supernatural power in either version. Moreover, the implicit attitudes indexes in the paper and pencil version were highly correlated with those in the PC version. These results suggest that the paper and pencil version of IAT can stand up to the use as more convenient method.\n本研究は、青少年の持つ非合理現象信奉の一つである超能力信奉傾向について測定する潜在連合テスト(IAT)の開発を主な目的としている。IATとは、近年、グリンワルドらによって提唱された質問紙法とは異なる方法によって認知構造を測定する技法である。一般的にはパーソナル・コンピュータを用いて測定が行われるが、紙筆版による測定も可能である。紙筆版IATは一度に大量のデータを収集する場合などにには有効な方法と考えられる。我々は青少年の超能力信奉について測定するIATの開発過程で、一般的なPC版IATと紙筆版IATを作成し、紙筆版IATの妥当性についても併せて検討してみた。今回の報告では、PC版及び紙筆版IATの結果からみた大学生の超能力信奉傾向について、また、今回作成した紙筆版IATの妥当性について報告する。
著者
厳島 行雄 内藤 佳津雄 臼井 信男 岡部 康成 小泉 昌司 横田 正夫 原 富夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.80, no.8, pp.1285-1292, 1997-08-25
参考文献数
22

精神分裂病患者の一つの特徴に認知的機能の障害が挙げられる. 本研究では精神分裂病患者の顔認識メカニズムに注目し, その機能的特徴を検討することを目的とした. 使用した方法は, 健常者の顔認識研究で有効な研究方法として採用されている反復プライミングである. 実験1では先行課題として有名人の同定課題(職業若しくは人名)を行い, その後主課題として既知性判断課題を行った. その結果, 精神分裂病患者では, 反応時間が健常者と比較的同程度の速さを示す群とそれより遅い群に分かれた. 健常者と類似した速さを示した精神分裂病患者群では, プライミング量も健常者と同程度であったが, 反応時間の遅い群ではプライミング量が大きいという結果であった. 実験2では長期の反復プライミング効果を検討した. ここでも長期のプライミング効果が健常者と共に観察されたが, 精神分裂病患者のプライミング効果は健常者のそれと比較しで大きいものであった. これらの結果は, 精神分裂病患者の顔認識システムにおける顔認識ユニットと人物同定ノードとの結合の活性化抑制機能の低下によって起こると解釈された.