著者
馬ノ段 梨乃 森 俊夫 飯島 優子 福島 南 五十嵐 良雄
出版者
日本ブリーフサイコセラピー学会
雑誌
ブリーフサイコセラピー研究 (ISSN:18805132)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.25-36, 2013

近年,労働者を対象とした復職支援プログラム(リワークプログラム)が注目を集めている。本稿では,筆者が作成した「SFAの手法を用いた体験型の心理教育プログラム」に関して,提供したプログラムの内容を紹介し,リワークプログラムへの適用可能性について検討したい。プログラムは1回2時間,全8回の講義とワークから構成され,ウェルフォームド・ゴール,ミラクル・クエスチョン,スケーリング・クエスチョン,タイムマシン・クエスチョン,リソース,外在化,アサーション等の概念を含むものとした。プログラムを導入した結果,SFAに対する意見としては,より簡単に理解できる,身近に感じられるといった意見が得られた。一方で,抽象的なメタファーやイメージが多く,理論的な学習を好む利用者にとっては理解が難しい様子もみられた。今後は,効果評価を含めて,プログラムの検討をさらに進めていくことが望まれる。
著者
堅田 千種 今井 みはる 野崎 一徳 川本 昌幸 前田 芳信 島 優子 大星 直樹 玉川 裕夫
出版者
Japan Association for Medical Informatics
雑誌
医療情報学 = Japan journal of medical informatics (ISSN:02898055)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.231-238, 2006-03-03

管楽器奏者に口唇外傷予防を目的としたミュージックスプリントを装着すると,音色も変化することが知られており,我々の臨床でもしばしば経験しているが,音色変化を定量的に解析,評価した研究は少ない.そこで,プロのトランペット奏者の協力を得て,スプリント装着時と非装着時の音色を,音響解析による物理的比較,自然音の一対比較法による聴覚比較,そしてデジタルフィルタリング法を用いた合成音比較の3方法で比較した.<br/> 物理的比較では,long-tone録音後に高速フーリエ変換を行い,スプリント装着時に高周波倍音成分の音圧が高くなっていることが示せた.聴覚比較では,音楽経験にかかわらずスプリント装着時の音をより好む被検者が多いことを明らかにできた.そして,低周波数部分を共通にし倍音成分のみを入れ替えた合成波形比較では,基音に対して13次から20次の倍音が,音色の好みに影響を与えていることを示せた.
著者
田島 優子
出版者
日本アメリカ文学会
雑誌
アメリカ文学研究 (ISSN:03856100)
巻号頁・発行日
no.51, pp.23-38, 2015-03-31

In Nathaniel Hawthorne's The Marble Faun, Hilda is repeatedly described as a "dove" and an "angel," in contrast to the "morbidity" of such things as the dust, poison, and unwholesomeness that fill the scenes set in Rome. Miriam and Donatello, who commit murder, are, in this context, described as if they have contracted a disease as a result of their sin. For this reason, Hilda, who wants to preserve her own purity, has to obstinately reject them, for which readers have not accepted her as a flexible and humanized character. It may be that the author had a critical view of this fastidious character due to his wife, who was one of the models for Hilda. Sophia Hawthorne subscribed to the Victorian values of her time, which compelled her to delete "inappropriate" expressions from her husband's manuscript after his death. However, Hilda's personality should not be reduced to this superficial reading. In the latter part of the narrative, Hilda gradually comes to accept the fact that she is trying to avoid what is unhealthy and sinful because she is, in truth, attracted to it. And so, she comes to realize that evil brings a sorrowful beauty to the arts. Like Donatello, Hilda also experiences the "Fortunate Fall," and is humanized, thereby becoming a suitable guide for Kenyon, who eagerly needs her to come back to their country. The darkness of Rome, its "disease" and "unwholesomeness," is, in this narrative, necessary for artists to create original works. As Hawthorne mentions in the preface, Italy was valuable in that it provided authors with a suitable environment for creating literary works. This contrasts with America, which has "no shadow, no antiquity, no mystery, no picturesque and gloomy wrong." By accepting the darkness of Rome, which she had previously rejected, we may say that Hilda acquires the ability to become an eminent artist in her own country.
著者
杉島 優子 上野 栄一
出版者
富山大学看護学会編集委員会
雑誌
富山大学看護学会誌 (ISSN:1882191X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.159-171, 2014-12

本研究ではアルツハイマー型認知症の妻を介護しながら,パーキンソン病で胃瘻造設を行った実母を介護する男性介護者のケースに着目する.この二者の介護を行う男性介護者が胃瘻管理を含め介護を前向きに取り組んでいる要因は何かを検討し,その要因を抽出することを目的とした.本研究では面接調査方法を用い,半構造化インタビューによりデータ収集を行った.その後,「KHCoder」を使用し内容分析を行った.今回は共起ネットワーク分析と対応分析により質的データを可視化した.結果,①介護と死を自分も含めた人間の通る道としての受容.②被介護者への感謝の思いや経済的基盤の安定.③制度の利用に加え,医療従事者との関わりの多さ.④被介護者の状態が落ち着いていること.⑤自分の殻に閉じこもらず,自ら他者に働きかけていく介護者の特性.以上5要因が抽出できた.これらの結果から,医療者には介護者が孤立しない配慮が必要である.
著者
中島 優子
出版者
広島文化学園大学
雑誌
看護学統合研究 (ISSN:13460692)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.80-84, 1999-09-25
被引用文献数
1

近年、ホスピス・緩和ケア病棟は急速に増加しており、長い間片隅に追いやられていた終末期の患者に温かな光が注がれるようになった。しかし、その数は十分とはいえず、年間27万人がガンで死亡している現代、専門病棟で緩和ケアを利用できる患者はごく一部に過ぎない。多くのガン患者は一般病棟で終末期を迎えているのが現状である。こうした現状から一般病棟における緩和ケアを推進する必要があると考える。本稿では、一般病棟で緩和ケアを行っていくなかで、援助の限界を感じた事例をあげ、看護者の役割と課題について考察した。

1 0 0 0 李瓶児論

著者
川島 優子
出版者
九州中国学会
雑誌
九州中国学会報 (ISSN:02886464)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.62-76, 2005