著者
渡辺 敏雄 庄司正成 鳥山 剛 古保 静男 加藤 忠
雑誌
情報処理学会研究報告情報システムと社会環境(IS)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.116(2003-IS-086), pp.1-8, 2003-11-19

花粉センサと花粉予報を用いた花粉情報システムを開発し、インターネットにおいて高精細花粉情報配信の実験サービスを実施した。開発したシステムは最新の花粉の飛散状況や、時間毎に最大48時間先までの飛散予報を提供する。本講演では2003年春の実験サービスの内容を紹介し、サービスログ解析やアンケート結果を基に、ユーザの利用動向や花粉情報に対する意識を考察する。
著者
須賀 知美 庄司 正実
出版者
目白大学
雑誌
目白大学心理学研究 (ISSN:13497103)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.137-153, 2008
被引用文献数
1

感情労働が職務満足感やバーンアウトに及ぼす影響については,これまでの研究で一貫した結果が得られていない。本稿は,これまでの研究を概観し,研究対象や測定方法などを整理することを目的とした。その結果,さまざまな職業が調査対象とされ,感情労働の測定指標もさまざまであることが明らかにされた。この測定指標の混在が,一貫した結果が得られない理由の一つと考えられる。また,感情労働以外の独立変数や調整変数,媒介変数について,仕事の自律性やソーシャル・サポートなどの労働条件や職場環境に関する変数は多いが,パーソナリティや態度のような変数が少ないこと,労働者が感情労働を行うことよるクライエントや客からの感謝・承認を含めた検討がほとんどないことが指摘された。また,感情労働と他の変数の交互作用の検討も少ないことが示された。さらに,日本での文献数は外国の文献数と比較すると遥かに少ないことが明らかになった。これまでの研究の問題点に対する今後の課題について言及された。
著者
須賀 知美 庄司 正実
出版者
目白大学
雑誌
目白大学心理学研究 (ISSN:13497103)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.77-84, 2007

サービス業従事者は,職務上適切な感情状態を保つための感情管理-感情労働-が,職務の一部として求められている。特に,接客サービスを基本とする職種では,そのサービスの質には従業員個人のパーソナリティが大きく影響すると考えられている。本研究では,飲食店従業員(203人)を対象に,感情労働を行っていることを示す行動-感情労働的行動-とパーソナリティの関連を検討した。本研究では,サービス業と関連があるパーソナリティとしてセルフ・モニタリングと自己意識について取り上げた。重回帰分析の結果,予想通り,セルフ・モニタリングの自己呈示変容能力が感情労働的行動の下位尺度のすべて(感情の不協和,客の感情への敏感さ,客へのポジティブな感情表出)と関連を示した。しかし,予測に反して,自己意識の公的自己意識は感情労働的行動との関連がほとんど見られず,私的自己意識が関連を示した。今後は,感情労働に関連するパーソナリティについて,顧客満足のためのパフォーマンスと,従業員自身の職務満足感の両側面から捉えた研究が必要であると考える。
著者
庄司 正成 澤田 孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.378, pp.7-12, 2011-01-13

音響情報に基づく様々な対象のセンシング,認識研究の一環として,人の存在,行動,状態の検出や認識の実現について検討している.本稿では,人の歩行をその足音に基づいて検出,追跡する可能性について実験的に検討した結果について報告する.室内において,マイクロホン4本からなる基本的マイクロホンアレーを床から2.5mの高さに設置し,床面上2次元における足音の位置推定,追跡について実験的に検討した.足音位置推定成功率のSN比依存性,位置推定の空間的誤差等を評価し,設定した実験環境においてはマイクロホンアレーを中心とした床面上7〜8mの範囲において十分な確度,精度で足音位置推定,追跡が可能であることを示す.足音1歩のデータに対して足音位置推定が正しく行われる時間軸上のデータ範囲を検討し,位置推定のためのデータ範囲を最適化するとともに,空間的に近接した複数人の足音については簡易な識別手法を用いることによって,現状,5人程度の歩行者については歩行の同時検出,追跡が可能であることを示す.足音位置と時刻との推定結果に基づき,各人それぞれの歩幅,歩く速さや方向等歩行の詳細な状態を評価することも可能である.
著者
庄司 正弘 涌永 隆夫 児玉 健
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.50, no.451, pp.716-723, 1984-03-28
被引用文献数
3

噴霧冷却の基礎研究として、均質、単一の液滴列(サブクール液滴)を用い、特に高加熱面温度領域(非ぬれ領域)の伝熱特性につき実験的に研究した。その結果、熱伝達は加熱面温度によらず一定となること、液サブクールに比列して増加すること、液滴1個当たり伝熱量qは液滴の体積に比例し、液滴速度にほとんどよらないこと、qに関するデータは実用的な次式でよくまとまることを示した。q=π/(12)d^3ρcΔT_<SUB>
著者
早川 清 鍋島 康之 太井子 宏和 庄司 正弘
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

表層軟弱地盤における振動伝播挙動の正確な把握および振動増幅現象の予測手法についての検討と検証解析課題に関して、平面道路・高架道路などにおける振動実側調査および数値解析を行った。長野県内の地盤が軟弱な幹線平面道路での振動調査およびボーリング調査・貫入抵抗調査などの詳細な地盤調査結果より、表層軟弱地盤の固有振動数が5Hz付近にあり、家屋の固有振動数と一致して共振現象を生じていることを解明した。ISO規準に基づいた路面凹凸条件を入力し、数値シュミレーションでもこの現象を解析している。大阪府内幹線高架道路の構造体の固有振動数は5Hz付近にあり、沿道家屋との共振現象を励起して苦情に繋がっていた。橋体本体の床版たわみを制御する縦増桁による対策効果を固有値解析から検討したが、低域振動数では顕著な効果の期待できないことが理解された。高架道路交通振動を対象とした地盤振動の伝播特性に関しては、上下方向だけではなく、橋軸方向および橋軸直角方向の3方向加振の影響も大きく、現行振動予測法の不備を指摘した。京都南部の幹線平面道路は、表層が軟弱な沖積粘土層で構成されている。道路交通振動調査および表面波探査から、地盤の固有振動数が3Hz付近の低域にあることを確認した。地中防振壁を用いる振動低減対策工に関する研究課題に関しては、大きな中空部を有するPC壁体および矢板の振動低減効果を、現地振動実験。模型振動実験およひ数値シュミレーション解析から考察した。高架道路でのPC壁体の振動低減効果量は5dB程度であり、2次元FEM手法で橋体の動的応答を再現できることを確認した。PC壁体周辺部の剛性を3種類に変化させた模型壁体を作成し、中規模振動実験から壁体重量の影響を検討した。この結果、軽量壁体の効果が大きく生じたが、さらに数値解析からもこの点を解明する必要性を感じている。剛矢板地中壁の振動遮断効果は、既に現地振動実験結果から確認している。しかしながら、矢板が2次的な振動源となって矢板の背後で振動増幅される問題点を改善するために、矢板の打設深度、打設枚数およひ軌道下地盤改良などの対策効果を、数値解析から検討している。
著者
妹尾 栄一 大原 美知子 庄司 正実
出版者
(財)東京都医学研究機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

青年期の薬物乱用・依存の病体に対する、適切な診断評価スケールの標準化を企図して本研究を開始している。平成17年度は、青年期版の依存症質問紙開発の研究として、最も汎用されているDSM-IVの診断基準が、未成年の薬物依存症者でどの程度の妥当性を有するか、半構造化面接を用いて検証した。その結果、(1)薬物の薬理効果に由来する回答、(2)薬物を減らそうとする行動、(3)薬物使用の結果の精神症状の3つの問題領域を抽出することが出来た。今後の課題としては、使用した薬物毎の細かな質問項目の改変、多剤乱用者への設問の工夫、青年期の中でもより慢性使用の場合の後遺症の評価など、洗練すべき課題である。本研究課題の遂行で入手した海外で汎用される青年期版質問紙を参照しつつ、最終的に日本に相応しい標準化質問紙を完成する。