著者
佐藤 知恵 村井 源 徃住 彰文
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.132-137, 2009-05-16
被引用文献数
2 or 0

本研究では,特定の作家の小説を特徴づける語彙とそれが所属する概念カテゴリーの特徴を調べるため,星新一ショートショート作品の特徴的概念と,その構造を計量的に抽出した.データとしては,ショートショートの第一人者である星新一氏の初期(1968年〜1973年)における全720作品を電子化したテキストを対象とし,出現頻度の高い語彙の共起ネットワーク化を行うことで,星作品における概念構造を可視化した.また,各作品に特徴的な語彙を抽出し,そのカテゴリー分類を行うことで,ショートショートの特徴を計量的に抽出した.
著者
河瀬 彰宏 村井 源 徃住 彰文
出版者
Japan Society of Information and Knowledge
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.129-134, 2010-05-15
被引用文献数
1 or 0

本研究では,音楽評論家によって語られる作曲家の概念的特徴とそれらの関係を明らかにするために,作曲家に対する感性的表現を計量的に分析した.データは音楽評論雑誌『ポリフォーン‐音楽評論の開かれた場』のテキスト全13冊を対象とし,最も多く語られる7名の作曲家(出現回数が多い順に,モーツァルト,ベートーヴェン,ワーグナー,マーラー,J.S.バッハ,ドビュッシー,シェーンベルク)を形容する感性的表現,語彙レベルで用いられる頻出感性語とその用法の特徴を解析することで,作曲家概念の感性的要素を精緻に特徴づけた.
著者
村井 源 徃住 彰文
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.117-122, 2010-05-15 (Released:2010-07-10)

本研究では、テキストを解釈し批評する行為を科学的にとらえるためのケーススタディとして、著名な文芸批評家個人の批評テキストを網羅的に収集し、計量的な分析を行った。テキスト中の評価的語彙の共起情報の分析からは、「新しさ」「美しさ」「深さ」などが重要であることが分かった。また、テキスト中の人名から、批評家が影響を強く受けている作家・思想家を分析し、テキストの評価軸となる思想的な背景を抽出することができた。
著者
工藤 彰 村井 源 徃住 彰文
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.135-140, 2010-05-15 (Released:2010-07-10)
被引用文献数
1 or 0

近年,文学や音楽,美術,映画,漫画等のさまざまな芸術を研究するにあたって,微細なデータを扱い,一貫性を有した科学的分析手法に基づいたフィクションの研究に注目が集まっている.本研究では,文学テクストの表層に見られる語彙を作家の文体的特性が宿る最小の構成要素とみなし,作風の変遷を計量的に明らかにすることを目的としている.対象としたデータは,現代の日本文学を代表する小説家村上春樹の長篇とし,そのテクスト中から抽出した語彙を品詞と意味カテゴリーに分類したのち,それぞれクラスター分析を用いて近似的な作風を持つ作品群を明示化した.その結果,品詞分類からは「初期三部作」をはじめとした通時的な区分によってのクラスターが,また意味分類からは「初期三部作」の続篇とも呼ばれる一作品を含んだ「鼠四部作」のクラスターが形成された.
著者
佐藤 知恵 村井 源 徃住 彰文
出版者
Japan Society of Information and Knowledge
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.123-128, 2010-05-15
被引用文献数
1 or 3

日本の小説家である星新一は,日本のショートショートの第一人者であり,執筆期間の前半(1968~1973)だけで718編の作品を残している.星作品はしばしば物語の骨組みの共通性が指摘されるが,本論文は,そのような物語のパターン性がどのような点から確認できるのかを,11 の物語構造ユニットを用いて表現,分析することにより説明するものである.これらのユニットは先行研究をもとに,星作品に頻出する物語の出来事の要素として設定した.ユニットとその組み合わせを記号で表現したデータを用いて,パターンの分布,因子分析,N-gram による分析を施すことで,星作品の最も基本的な物語構造を抽出した.
著者
村井 源 松本 斉子 佐藤 知恵 徃住 彰文
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.6-17, 2011-02-23 (Released:2011-04-13)
参考文献数
16
被引用文献数
2 or 0

本論文では,計量的な物語構造の分析を実現するために,人文的な物語分析の古典的手法であるプロット分析を援用し,分析結果に対する計量的解析を行った.プロット分析は人文学的手法であるが,一致度の計算を実施することでプロット分割と分類の正当性の数値的評価を行った.プロット分類の結果に対してn-gram分析を行うことで物語構造の連続的パターンを抽出した.また同様にχ二乗検定を用いて頻出プロットの時代的変化を抽出した.さらに,テーマとプロットの関係を分析するために計量的手法で物語のテーマ語を抽出し,作品をテーマごとに分類した.このテーマの分類結果を用いて,各テーマのプロット的な特徴を抽出した.本論文での分析はプロットへの分割と分類を計量的指標を用いつつも人手で行うという点で,完全な自動化の実現ではないが,本論文の成果は将来的な物語分析の完全な自動化の基礎になると期待される.
著者
工藤 彰 村井 源 徃住 彰文
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.18-36, 2011-02-23 (Released:2011-04-13)
参考文献数
12
被引用文献数
2 or 2

本論文の目的は,作家の作風変化を科学的に検証することである.対象としたデータは,現代の日本を代表する作家,村上春樹の長篇12作品とした.12長篇の中で近似的作風を持つ作品群を明示化するため,テクストから得られた語彙を計量化して品詞と意味カテゴリの両分類から特徴ベクトルを抽出し,それぞれの特徴ベクトルからクラスタ分析を行った.その結果,品詞分類からは通時的な区分によってのクラスタが形成され,村上の文体が時代とともに変化しているのが確認できた.また,意味分類からは主題や内容に影響されたクラスタが形成され,村上の関心が個人から社会に向かっていくのが実証できた.
著者
工藤 彰 村井 源 徃住 彰文
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.126-131, 2009-05-16
参考文献数
9
被引用文献数
2 or 0

本研究では村上春樹の初期三部作を用いて,語彙の出現頻度や語彙同士の関係性に着目し,単語の計量分析からネットワークを作成した.主として,三部作に共通して登場する人物である「鼠」がネットワークの中心を占めていることに着目し,共起単語より「鼠」の役割を分析した.その結果,三部作中の第二作途中をさかいに,物語の中心に位置していた「鼠」の出現頻度が落ち,中心から周辺に移行していく構造が見出された.また,従来の文学批評でなされてきた言説と計量的分析を比較することで,本研究の文学的解釈における有効性が確認された.
著者
工藤 彰 村井 源 徃住 彰文
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.285-290, 2010-05-28 (Released:2011-06-25)

小説が進行するに従って,様々な表現の性質は変化していくものである.本研究の目的は用いられた動詞の観点から小説展開を計量的に特徴づけることである.具体的には,異なる主人公と物語の奇数章と偶数章からなる村上春樹の並行形式小説『1Q84』を対象とし,キャラクターの行為の指標として動詞の出現頻度を分析する.二組のチャプター群をそれぞれ六つのパートに分割後,全ての文章をキャラクターに関連のあるアクションを示す動詞を特定するため機械的に構文解析し,統計分析によって体系的傾向を持つ五つの動詞を明らかにした.本研究では,特定のアクションを示す動詞の相対的頻度の推移は,奇数章(動から静)と偶数章(静から動)の対照的な傾向に影響されていると論じた.
著者
徃住 彰文
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.369-375, 2001-12-01 (Released:2008-10-03)
参考文献数
18
被引用文献数
1 or 0

The present paper describes a cognitive and computational model of literature appreciation. Thinking and emotion processes involved in literary text processing are analyzed and a layered model of comprehension-appreciation is proposed. Based on psychological experiments, a computational algorithm for a story appreciation mechanism was constructed on a goal/plan based knowledge architecture. Our analysis of aesthetic emotions related to rhetoric aspects of literary texts suggests a cognitive (appraisal and action readiness) structure for aesthetic experiences. Partial implementations of aesthetic processing evoked by a passage from a poetry are described. Finally, the paper discusses an artificial brain approach aimed to unify the mind level theories and the brain level findings.
著者
斉藤 香里 村井 源 徃住 彰文
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.144-151, 2009-05-16
参考文献数
5

本研究は,自然言語表現から,心的状態が言語表現に与える影響を捉えることを試みる.ブログ記事とアフィリエイト広告を対象として,広告の有無によって,言語表現に異なる特徴が現れるかを検討した.商品紹介記事を分析対象に,計量文体分析と内容分析,修辞表現の比較を行なった.この結果,広告のある記事ほど,記事文中に書き手の受けた印象や雰囲気の記述が多くなった.さらに,書き手の意見や印象を強調する表現が多く現れていた.また,広告のある記事には,逆接を挟んで評価を逆転させる,商品評価の表現が多く見られた.これら表現の差は,ブログ閲覧者の購買行動喚起に対する,ブログの書き手の意欲の差によるものと考えられる.
著者
工藤 彰 村井 源 徃住 彰文
雑誌
じんもんこん2010論文集
巻号頁・発行日
vol.2010, no.15, pp.97-102, 2010-12-04

本論文の目的は,村上春樹の作風変化と並行形式作品の物語内容を計量的に明示化することである.近似的作風を持つ作品群を可視化するため,テクストから得られた語彙を計量化して,品詞と意味の両分類から特徴ベクトルを抽出し,クラスタ分析を行った.また,並行形式の小説の中で物語や内容がそれぞれのチャプタでどのような共通点あるいは差異があるかを,特徴的語群を比較することにより明らかにした.
著者
工藤彰 彰 村井 源 徃住 彰文
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.126-131, 2009-05-16 (Released:2009-06-27)
被引用文献数
1 or 0

本研究では村上春樹の初期三部作を用いて,語彙の出現頻度や語彙同士の関係性に着目し,単語の計量分析からネットワークを作成した.主として,三部作に共通して登場する人物である「鼠」がネットワークの中心を占めていることに着目し,共起単語より「鼠」の役割を分析した.その結果,三部作中の第二作途中をさかいに,物語の中心に位置していた「鼠」の出現頻度が落ち,中心から周辺に移行していく構造が見出された.また,従来の文学批評でなされてきた言説と計量的分析を比較することで,本研究の文学的解釈における有効性が確認された.
著者
藤田 米春 徃住彰文 小方 孝 太田究三郎 赤星 哲也 森田 均
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.5, pp.45-52, 1999-01-22

本報告では、日本認知科学会の中に設立した研究分科会「文学と認知・コンピュータ」の設立趣旨、研究分野、研究手法、設立までの経緯・活動等について述べ、今後の展望と「人文科学とコンピュータ」研究会の新しい展開への期待を述べる。In this report, we describe prospect, research areas, research methods and activity of the special interest group "Literature in Cognition and Computer" and mention an expectation of new development of the SIG:Computer and Humanity.
著者
河瀬 彰宏 村井 源 徃住 彰文
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.129-134, 2010-05-15 (Released:2010-07-10)

本研究では,音楽評論家によって語られる作曲家の概念的特徴とそれらの関係を明らかにするために,作曲家に対する感性的表現を計量的に分析した.データは音楽評論雑誌『ポリフォーン‐音楽評論の開かれた場』のテキスト全13冊を対象とし,最も多く語られる7名の作曲家(出現回数が多い順に,モーツァルト,ベートーヴェン,ワーグナー,マーラー,J.S.バッハ,ドビュッシー,シェーンベルク)を形容する感性的表現,語彙レベルで用いられる頻出感性語とその用法の特徴を解析することで,作曲家概念の感性的要素を精緻に特徴づけた.
著者
河瀬 彰宏 村井 源 徃住 彰文
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.138-143, 2009-05-16
参考文献数
4
被引用文献数
1 or 0

音楽の様式は刻一刻と連続的な変化を遂げていくため,これらに対して,音楽美学や音楽史学において議論されるような区分,例えば,古典主義音楽,ロマン主義音楽といった確定的な定義を与えることは難しい問題である.しかしながら,時代によって特徴や差異が確認されることは否めない.本研究では,音楽概念を構造的に抽出・体系化することで,音楽概念がどのような差異・変遷をもつものか検討する.具体的には,音楽評論雑誌『ポリフォーン音楽評論の開かれた場』全13冊から,言及対象が20世紀以前の西洋音楽に該当する記事と,20世紀以後の西洋音楽に該当する記事とに試験的に分類し,ネットワーク分析を用いて語彙間の共起関係からそれぞれの音楽評論の思考の中心概念を構造的に抽出する.結果,前者は「世紀」「時間」,後者は「音」「主義」を音楽概念の中心性に強く据えていることが確認された.
著者
松本 斉子 平井 葉子 徃住 彰文
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.385-400, 2003-09-01 (Released:2008-10-03)
参考文献数
33
被引用文献数
1 or 0

As an unprecedented phenomenon that might characterize new relations between people and domestic artifacts, a craze for a toy doll was analyzed in middle-aged people. The makers of the doll, which is modeled on a virtual character, have sold more than 700 thousand over the last three years in Japan alone, and the age distribution of buyers indicates a modal age of 51-60 year old. In this paper, 51 fan letters and 271 Web postings spontaneously sent to the toy maker were analyzed in terms of communicative functions and affective-cognitive contents. The results indicate that (a) the doll owners believe that the doll facilitates their interaction with family members and with friends, and (b) the doll owners attribute positive feelings in terms of both mental and physical states to the doll. The effects of affective attachment are discussed in terms of human emotion model.
著者
徃住 彰文 村井 源 井口 時男 モートン リース 高岸 輝
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

人類が蓄積してきた膨大な知識資源を効果的に利用する方策のひとつとして,人間の知的活動や感性的活動にできるだけ近似した知識表現形を機械可読な形で提供したい.文学,芸術,政治,宗教といった,人間の能力の最高の活動場面で流通している言語テキストを対象としてオントロジーの構築を試み,多分野,多言語における検討をおこなった.