著者
工藤 彰 岡田 猛 ドミニク チェン
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.573-590, 2015-12-01 (Released:2016-06-01)
参考文献数
43

The purpose of this study is to investigate the writing style and revision process ofa contemporary fiction writer from a cognitive science perspective. We focus on the work of Mishima Prize winning author, Otaro Maijo. Using Type Trace, a text editor devised by Dividual Inc., as an analysis tool for observing the writing process, we con-sider features that have not been detected by creative experiment, protocol analysis or manuscript research. Based on observations of Maijo’s writing process, firstly revisions are categorized as additions, deletions, substitutions, distributions, or consolidations. Secondly, revisions are further classified as “revisions at a generative point”, “revisions in a generative sentence”, “revisions in a generative paragraph”, or “revisions beyond the generative paragraph”, according to the remoteness of the revision from the point of composition. The results reveal that revisions such as the substitution of words and adjustments in sentence length were mostly performed together with text generation. All revisions that were made after an interlude took the form of revisions far removed from sentence generation. We find that Maijo’s writing style tends to be maintained for several weeks to months and then changes substantially.
著者
工藤 彰 村井 源 徃住 彰文
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.135-140, 2010-05-15 (Released:2010-07-10)
被引用文献数
1 1

近年,文学や音楽,美術,映画,漫画等のさまざまな芸術を研究するにあたって,微細なデータを扱い,一貫性を有した科学的分析手法に基づいたフィクションの研究に注目が集まっている.本研究では,文学テクストの表層に見られる語彙を作家の文体的特性が宿る最小の構成要素とみなし,作風の変遷を計量的に明らかにすることを目的としている.対象としたデータは,現代の日本文学を代表する小説家村上春樹の長篇とし,そのテクスト中から抽出した語彙を品詞と意味カテゴリーに分類したのち,それぞれクラスター分析を用いて近似的な作風を持つ作品群を明示化した.その結果,品詞分類からは「初期三部作」をはじめとした通時的な区分によってのクラスターが,また意味分類からは「初期三部作」の続篇とも呼ばれる一作品を含んだ「鼠四部作」のクラスターが形成された.
著者
工藤 彰 村井 源 徃住 彰文
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.18-36, 2011-02-23 (Released:2011-04-13)
参考文献数
12
被引用文献数
2 2

本論文の目的は,作家の作風変化を科学的に検証することである.対象としたデータは,現代の日本を代表する作家,村上春樹の長篇12作品とした.12長篇の中で近似的作風を持つ作品群を明示化するため,テクストから得られた語彙を計量化して品詞と意味カテゴリの両分類から特徴ベクトルを抽出し,それぞれの特徴ベクトルからクラスタ分析を行った.その結果,品詞分類からは通時的な区分によってのクラスタが形成され,村上の文体が時代とともに変化しているのが確認できた.また,意味分類からは主題や内容に影響されたクラスタが形成され,村上の関心が個人から社会に向かっていくのが実証できた.
著者
工藤 彰 村井 源 徃住 彰文
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.126-131, 2009-05-16
参考文献数
9
被引用文献数
2 1

本研究では村上春樹の初期三部作を用いて,語彙の出現頻度や語彙同士の関係性に着目し,単語の計量分析からネットワークを作成した.主として,三部作に共通して登場する人物である「鼠」がネットワークの中心を占めていることに着目し,共起単語より「鼠」の役割を分析した.その結果,三部作中の第二作途中をさかいに,物語の中心に位置していた「鼠」の出現頻度が落ち,中心から周辺に移行していく構造が見出された.また,従来の文学批評でなされてきた言説と計量的分析を比較することで,本研究の文学的解釈における有効性が確認された.
著者
工藤 彰 村井 源 徃住 彰文
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
pp.1101190024-1101190024, (Released:2011-01-31)
参考文献数
12
被引用文献数
2

本論文の目的は,作家の作風変化を科学的に検証することである.対象としたデータは,現代の日本を代表する作家,村上春樹の長篇12作品とした.12長篇の中で近似的作風を持つ作品群を明示化するため,テクストから得られた語彙を計量化して品詞と意味カテゴリの両分類から特徴ベクトルを抽出し,それぞれの特徴ベクトルからクラスタ分析を行った.その結果,品詞分類からは通時的な区分によってのクラスタが形成され,村上の文体が時代とともに変化しているのが確認できた.また,意味分類からは主題や内容に影響されたクラスタが形成され,村上の関心が個人から社会に向かっていくのが実証できた.
著者
工藤 彰 村井 源 徃住 彰文
雑誌
じんもんこん2010論文集
巻号頁・発行日
vol.2010, no.15, pp.97-102, 2010-12-04

本論文の目的は,村上春樹の作風変化と並行形式作品の物語内容を計量的に明示化することである.近似的作風を持つ作品群を可視化するため,テクストから得られた語彙を計量化して,品詞と意味の両分類から特徴ベクトルを抽出し,クラスタ分析を行った.また,並行形式の小説の中で物語や内容がそれぞれのチャプタでどのような共通点あるいは差異があるかを,特徴的語群を比較することにより明らかにした.
著者
工藤彰 彰 村井 源 徃住 彰文
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.126-131, 2009-05-16 (Released:2009-06-27)
被引用文献数
1 1

本研究では村上春樹の初期三部作を用いて,語彙の出現頻度や語彙同士の関係性に着目し,単語の計量分析からネットワークを作成した.主として,三部作に共通して登場する人物である「鼠」がネットワークの中心を占めていることに着目し,共起単語より「鼠」の役割を分析した.その結果,三部作中の第二作途中をさかいに,物語の中心に位置していた「鼠」の出現頻度が落ち,中心から周辺に移行していく構造が見出された.また,従来の文学批評でなされてきた言説と計量的分析を比較することで,本研究の文学的解釈における有効性が確認された.
著者
工藤 彰 村井 源 徃住 彰文
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.285-290, 2010-05-28 (Released:2011-06-25)

小説が進行するに従って,様々な表現の性質は変化していくものである.本研究の目的は用いられた動詞の観点から小説展開を計量的に特徴づけることである.具体的には,異なる主人公と物語の奇数章と偶数章からなる村上春樹の並行形式小説『1Q84』を対象とし,キャラクターの行為の指標として動詞の出現頻度を分析する.二組のチャプター群をそれぞれ六つのパートに分割後,全ての文章をキャラクターに関連のあるアクションを示す動詞を特定するため機械的に構文解析し,統計分析によって体系的傾向を持つ五つの動詞を明らかにした.本研究では,特定のアクションを示す動詞の相対的頻度の推移は,奇数章(動から静)と偶数章(静から動)の対照的な傾向に影響されていると論じた.
著者
森 磨美 工藤 彰 望月 祐希 Adam Degenhardt 安藤 英由樹 清川 清
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2014論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.58-60, 2014-09-12

新たな恐怖感の提示手法として本研究では重量変化を用いたキャラクタとのインタラクションシステムを提案する.体験者が背負っている人形に取り付けられたゴムロープの長さを変化させて下向きへの力を生じさせることで重量の変化を実現し,人間におぶさり押しつぶしてしまう妖怪“こなき爺”を,視覚,聴覚に加えて重量変化という触覚に関しても再現する.
著者
山本 広太 工藤 彰洋 武居 周
出版者
Japan Society for Simulation Technology
雑誌
日本シミュレーション学会論文誌 (ISSN:18835031)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.27-37, 2017 (Released:2017-06-23)
参考文献数
22
被引用文献数
2

Currently, in the design and evaluation of acoustic environments such as concert halls and live houses, the importance of acoustic analysis technology is increasing due to the dramatic performance improvement of computers in recent years. Due to the large-scale of the analysis area and expansion of the analysis frequency band, it is necessary to solve the large scale problem more than before in the wave acoustic analysis. Therefore, in this research, we are researching and developing a large-scale sound field analysis method based on the parallel finite element method. The iterative domain decomposition method is employed in the analysis method as parallel technique. In this research, pre-conditioners for the interface problem in the iterative domain decomposition method are considered. As a result, we have found that the balancing domain decomposition method is the most effective acoustical analysis. We also confirmed that the acoustic analysis code is very high accuracy with errors within the allowable range in a numerical analysis.
著者
村井 源 川島 隆徳 工藤 彰
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.23-43, 2012-03-26 (Released:2012-06-29)
参考文献数
16
被引用文献数
1

評判分析などが自然言語処理技術によって進められているが,対象は主にWeb上のテキストであり,人文学的な批評文はその主たる対象となっていない.本研究では人文的な批評文の具体的批評対象を計量化することで,批評行為のより深い意味分析に向けての基礎固めを行う.総合的芸術作品である映画と演劇の批評文を対象として,抽出対象を人名と作品名に絞り分析を行った.結果として頻度分析とネットワーク分析で批評における人物の重要性やグループの傾向,他分野との関わりの相違が明らかとなった.またスタッフのデータベースの利用により,語られる固有名詞の批評文中での意味と機能の傾向が抽出された.
著者
村井 源 川島 隆徳 工藤 彰
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.279-284, 2010-05-28 (Released:2011-06-25)
被引用文献数
1

評判分析などが自然言語処理技術によって進められているが,対象は主にWeb上のテキストであり,人文学的な批評文はその主たる対象となっていない.本研究では人文的な批評文の具体的批評対象を計量化することで,批評行為のより深い意味分析に向けての基礎固めを行う.本研究では批評文中の人名と作品に絞り,総合的作品である映画と演劇の批評において,誰についてどの作品について中心的に語られる傾向があるのかを計量し,カテゴリー分類と共起分析を行った.結果として演劇批評は集中的であり,映画批評は分散的・個別的であること,また演劇批評は強い芸術的指向性を持つことが明らかになった.
著者
工藤 彰 窪田 諭 市川 尚 阿部 昭博
出版者
一般社団法人 地理情報システム学会
雑誌
GIS-理論と応用 (ISSN:13405381)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.19-27, 2013-06-30 (Released:2019-02-28)
参考文献数
16

In recent years, there has been a growing interest in field museums, which has led to local communities rediscovering their cultural identity, history, and ecology. However, a field museum guide system has not been researched extensively. The purpose of this study is to develop a field museum guide system by smartphone using digitalized old maps and old photographs. An evaluation of the prototype by users yielded roughly satisfactory results. As a result, we clarified the following design features of the guide system. Based on the following designs, we have developed a guide system in Field Museum of Morioka. The guide system has four functions: push-type information providing using GPS, use of old map/photograph, story-based navigation and cooperation among on-site mobile applications and Websites to visitors before/after the visit. And, the system was evaluated by viewpoint of the visitor and operator groups of the field museum. As a result, it was evaluated that the system is useful for town walking.
著者
工藤 彰 岡田 猛 ドミニク チェン
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.573-590, 2015

The purpose of this study is to investigate the writing style and revision process of<br>a contemporary fiction writer from a cognitive science perspective. We focus on the<br> work of Mishima Prize winning author, Otaro Maijo. Using Type Trace, a text editor<br> devised by Dividual Inc., as an analysis tool for observing the writing process, we con-<br>sider features that have not been detected by creative experiment, protocol analysis or<br> manuscript research. Based on observations of Maijo's writing process, firstly revisions<br> are categorized as additions, deletions, substitutions, distributions, or consolidations.<br> Secondly, revisions are further classified as "revisions at a generative point", "revisions<br> in a generative sentence", "revisions in a generative paragraph", or "revisions beyond<br> the generative paragraph", according to the remoteness of the revision from the point<br> of composition. The results reveal that revisions such as the substitution of words and<br> adjustments in sentence length were mostly performed together with text generation.<br> All revisions that were made after an interlude took the form of revisions far removed<br> from sentence generation. We find that Maijo's writing style tends to be maintained<br> for several weeks to months and then changes substantially.
著者
村井 源 川島 隆徳 工藤 彰
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.279-284, 2011-05-28
参考文献数
5

評判分析などが自然言語処理技術によって進められているが,対象は主にWeb上のテキストであり,人文学的な批評文はその主たる対象となっていない.本研究では人文的な批評文の具体的批評対象を計量化することで,批評行為のより深い意味分析に向けての基礎固めを行う.本研究では批評文中の人名と作品に絞り,総合的作品である映画と演劇の批評において,誰についてどの作品について中心的に語られる傾向があるのかを計量し,カテゴリー分類と共起分析を行った.結果として演劇批評は集中的であり,映画批評は分散的・個別的であること,また演劇批評は強い芸術的指向性を持つことが明らかになった.
著者
工藤 彰 八桁 健 小澤 基弘 岡田 猛 萩生田 伸子
出版者
大学美術教育学会
雑誌
美術教育学研究 (ISSN:24332038)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.145-151, 2017

<p>本研究は総合大学のドローイング授業で継続的に実施された省察の効果を検討することを目的とした。表現力や創造力に繋がる能力を獲得するためには,学生が積極的に自己表現を探索することが重要である。このような観点から自己発見を促すと考えられる主観的素描(ドローイング)を取り入れ,毎週教師との対話を通して表現主題や意図等を言葉にする省察的授業を行った。本研究では,学生が自分と他者のドローイングについて記述した授業感想文をテキストマイニングすることにより,表現方法や芸術表現の捉え方などの芸術創作プロセスに対する学生のイメージや態度の変化を検討した。その結果,授業後半で他の学生の表現方法に目を向けることや,他者の感想文の中でも自分と比較しながら振り返りが行われていることが示唆された。以上より,テキストマイニングが授業感想文にも適用できるものとして,その方法論の有効性を論じた。</p>
著者
工藤 彰 村井 源 徃住 彰文
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.187-202, 2012-10-10 (Released:2012-11-30)
参考文献数
21

本論文の目的は,物語の推移に伴った単語の布置と変化から,並行形式小説がどのような構造を持っているのかを明らかにすることである.対象としたデータは,村上春樹の小説『1Q84』とし,二人の主人公である青豆と天吾のそれぞれの章に対して,語彙頻度を測度とした因子分析と変化率分析を行った.その結果,因子分析からはお互いのBOOK2までの特徴がBOOK3で相手の側に現れ,未消化だった二人の再会の物語を完結させるためにBOOK3が書かれたことが明確になった.変化率分析からは,物語進行に従って対称的に登場する二人の人物が発見された.また文芸批評との比較も行い,本研究の分析手法が物語の理解に有効であることを確認した.
著者
村井 源 川島 隆徳 工藤 彰
出版者
Japan Society of Information and Knowledge
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.23-43, 2012-03-26
被引用文献数
1

評判分析などが自然言語処理技術によって進められているが,対象は主にWeb上のテキストであり,人文学的な批評文はその主たる対象となっていない.本研究では人文的な批評文の具体的批評対象を計量化することで,批評行為のより深い意味分析に向けての基礎固めを行う.総合的芸術作品である映画と演劇の批評文を対象として,抽出対象を人名と作品名に絞り分析を行った.結果として頻度分析とネットワーク分析で批評における人物の重要性やグループの傾向,他分野との関わりの相違が明らかとなった.またスタッフのデータベースの利用により,語られる固有名詞の批評文中での意味と機能の傾向が抽出された.