著者
斉藤 英俊
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
pp.17-00043, (Released:2017-12-06)
参考文献数
36
被引用文献数
4 5

新たな輸入防疫制度の申請対象となったテナガエビ類の流通状況を,2016-2017年に神奈川県,愛知県,大阪府,広島県の釣具店で調査した。新制度施行前は,中国から輸入された外来種チュウゴクスジエビが購入個体数の83-93%を占めた。2016年7月の施行後は,国内産地から供給された在来種スジエビが83-100%を占めた。しかし,広島県や愛知県では施行後もチュウゴクスジエビが5-11%含まれ,国内産地の一つである岡山県で採集されたことから,国内に定着した本種が釣り餌として流通していることが判明した。
著者
斉藤 英俊
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.84, no.1, pp.87-93, 2018
被引用文献数
5

<p> 新たな輸入防疫制度の申請対象となったテナガエビ類の流通状況を,2016-2017年に神奈川県,愛知県,大阪府,広島県の釣具店で調査した。新制度施行前は,中国から輸入された外来種チュウゴクスジエビが購入個体数の83-93%を占めた。2016年7月の施行後は,国内産地から供給された在来種スジエビが83-100%を占めた。しかし,広島県や愛知県では施行後もチュウゴクスジエビが5-11%含まれ,国内産地の一つである岡山県で採集されたことから,国内に定着した本種が釣り餌として流通していることが判明した。</p>
著者
斉藤 英俊 大塚 攻 河合 幸一郎
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

1)スジエビ類および寄生種の遺伝属性: エビノコバンは、これまで沖縄県から山形県までの15県でエビノコバンを採集し、ミトコンドリア DNAの配列情報を明らかにして中国産エビノコバンのデータ(NCBLより引用)を加えて分子系統樹作成を行った。その結果、エビノコバンの分子系統樹は、本州~九州、沖縄および中国の3つのクレードに区分された。愛媛県のエビノコバン(宿主:チュウゴクスジエビ)は中国産個体に近い遺伝的属性を示したことから、チュウゴクスジエビの輸入にともないエビノコバンも中国から侵入している可能性が示唆された。2)寄生種がスジエビ類に及ぼす生態的影響:スジエビ類に対するエビノコバンの奇生生態の地域差を比較するため、前年度に引き続き野外調査をおこなった。その結果、宿主への寄生は東京都(利根川水系水路)では2018年7月(体長2mm)から2019年5月(体長12mm)までみられた。これに対して滋賀県(琵琶湖周辺河川) では2018年8月から2019年6月までみられた。また、エビノコバンの体長が比較的小型の時期にはスジエビ類よりも体サイズの小さいカワリヌマエビ類にも寄生する事例がみられた。なお、エビノコバンの室内飼育実験を試みたが、長期的なエビノコバンのエビ類への寄生状態を維持できなかった。これについては、次年度以降、野外調査データを利用してエビノコバンの寄生の有無と宿主であるエビ類の成長や肥満度の関係を解析することで明らかにできると考えている。3)スジエビ類および寄生種の流通状況:大阪府の釣具店において、スジエビ類を調査したところ、令和元年度はすべてスジエビであり、チュウゴクスジエビは流通していなかった。また、琵琶湖産スジエビに付随するエビノコバンを確認した。
著者
斉藤 英俊 中西 夕佳里 重田 利拓 海野 徹也 河合 幸一郎 今林 博道
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.74, no.5, pp.809-815, 2008 (Released:2008-09-27)
参考文献数
21
被引用文献数
11 18

広島湾のカキ筏周辺におけるマガキ種苗に対する魚類の捕食の影響を明らかにするために,野外調査をおこなった。クロダイおよびコモンフグの胃内容物中から,マガキは周年出現していたが,夏季にはムラサキイガイの割合が増加した。カキ筏の付着生物と魚類胃内容物中の餌生物の相対重量の順位相関をみると,両魚種とも夏季には有意な正の相関があった。目合いの異なるケージを用いた実験から判定すると,夏季~秋季にはクロダイ,冬季にはコモンフグによるマガキに対する捕食の影響が大きいことが示唆された。
著者
斉藤 英俊
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.84, no.1, pp.87-93, 2018 (Released:2018-01-19)
参考文献数
36
被引用文献数
1 5

新たな輸入防疫制度の申請対象となったテナガエビ類の流通状況を,2016-2017年に神奈川県,愛知県,大阪府,広島県の釣具店で調査した。新制度施行前は,中国から輸入された外来種チュウゴクスジエビが購入個体数の83-93%を占めた。2016年7月の施行後は,国内産地から供給された在来種スジエビが83-100%を占めた。しかし,広島県や愛知県では施行後もチュウゴクスジエビが5-11%含まれ,国内産地の一つである岡山県で採集されたことから,国内に定着した本種が釣り餌として流通していることが判明した。
著者
斉藤 英俊 河合 幸一郎 長澤 和也
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究では、釣餌輸入にともなうヒッチハイカー種(非意図的輸入種)および寄生種の日本国内への侵入状況を調査した。1)ヒッチハイカー種および寄生種の出現リストの作成 小売店における調査の結果、スジエビ類にチョウセンブナを含む外来種や寄生性等脚類エビノコバンが混入していることを確認した。2)ヒッチハイカー種および寄生種の野外への侵入状況の解明 広島県瀬野川において、チュウゴクスジエビは3~7月に抱卵しており、繁殖していることが判明した。また、本種は、福岡県や神奈川県を含む7県で生息が確認された。さらに、東京都の河川においてスジエビ類に寄生するエビノコバンを確認し、その寄生生態を調べた。
著者
斉藤 英俊
出版者
日本建築学会
雑誌
大会学術講演梗概集. 計画系
巻号頁・発行日
no.47, pp.1315-1316, 1972-10
著者
斉藤 英俊
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.321-325, 2017 (Released:2017-12-14)
参考文献数
12

【目的】終末期がん患者にベッドサイドで行う末梢挿入型中心静脈カテーテル(peripherally inserted central catheters: PICC)挿入の際に,肘窩の穿刺血管の違い(尺側,正中,橈側皮静脈)によりPICC挿入成功率(以下,成功率)に有意差があるかを明らかにする.【方法】2011年9月〜2014年4月の当科入院患者で,PICC挿入が試みられた終末期がん患者を対象に後方視的に検討した.カテーテル先端が上大静脈内に留置された場合をPICC挿入成功と定義した.【結果】対象88名の成功率は尺側43/50(86.0%),正中23/31(74.2%),橈側6/7(85.7%)で,3群間で有意差は認めなかった(p=0.39).【結語】終末期がん患者にベッドサイドで肘窩の静脈を穿刺するPICC挿入の際には,臨床上の理由でやむを得ない場合は橈側の選択も許容されると考えられた.
著者
斉藤 英俊 丹羽 信彰 河合 幸一郎
出版者
広島大学総合博物館
雑誌
広島大学総合博物館研究報告 (ISSN:18844243)
巻号頁・発行日
no.3, pp.45-57, 2011
被引用文献数
1

西日本でどのような水生動物が釣り餌として流通されているのかについて,2009年12月~2011年8月の期間に市場調査をおこなった。釣り具店で販売されている商品として,多毛類,ユムシ類,ホシムシ類,二枚貝類,甲殻類および魚類など少なくとも27種が確認できた。これらの釣り餌動物は,1)国外から輸入されている非在来種(≧4種),2)国外から輸入されている在来種(18種),3)国内流通されている外来種(2種),および4)国内流通のみされている在来種(3種)の4タイプに分けられた。Market research was performed between December 2009 and August 2011 to investigate the current state of aquatic animals sold as bait for sport fishing in Western Japan. At least 27 species of bait—including nine polychaetes, one echiuran, one sipunculan, three bivalves, at least ten crustaceans, and three fishes—were sold at fishing bait shops in Osaka and Hiroshima prefectures. These animals were divided into four types: 1) non-native species imported from foreign countries (at least four species), 2) native species imported from foreign countries (eighteen species), 3) invasive species supplied in Japan (two species), and 4) native species supplied only in Japan (three species).
著者
海野 徹也 長澤 和也 小路 淳 斉藤 英俊
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

放流事業によって漁獲量が著しく回復した広島湾のクロダイについて、産卵場、卵分布、稚魚の分布、成長、食性などの初期生態を解明した。クロダイの主産卵場は広島湾の湾口部に形成され、産卵は夜間であり、卵は幅広い水深に分布した。卵密度と稚魚の日周輪解析より、産卵ピークは5月下旬から6月中旬であり、着底は7月上旬から中旬にピークを迎えることがわかった。稚魚の主食はヨコエビ類、カイアシ類、であったが、生息環境に応じ柔軟性を示していた。