著者
萩原 圭祐 梶本 勝文 中田 英之 神吉 秀明 竹内 麻里子 斎藤 仁美 中野 真依
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.53, no.5, pp.207-215, 2019 (Released:2019-11-15)
参考文献数
7

われわれは,大阪大学ゲノム審査委員会の承認を得て,2013年1月より,日本の基幹病院において先駆けて,癌患者に対するケトン食の有用性と安全性の検討を開始し,その結果を,報告してきた.対象は,臨床病期Stage IV,PS0‐2,経口摂取可能な患者とし,他の癌治療の併用は可能とした.ケトン食は,同意取得後,管理栄養士が指導し,最初の1週間は糖質10g/日,2週~3カ月では,糖質20g/日以下,3カ月以降は,糖質30g/日以下とした.標準体重あたり30kcalを目安に開始し,エネルギー補給に際しては,MCTオイル,ケトンフォーミュラを使用した.導入3カ月後でのPET‐CTによる評価を主要評価項目とし,導入12カ月後での生存率の評価を副次評価項目とした.2018年12月現在55例の同意を取得し,現在,その結果を解析中である.癌ケトン食療法は,確かなエビデンスを構築していく段階に移行したと思われる.そのための課題や,われわれの取り組みについて紹介する.
著者
寿田 鳳輔 藤井 久四郎 新井 和夫 丸岡 利市 斎藤 仁隆
出版者
Japan Society of Smooth Muscle Research
雑誌
日本平滑筋学会雑誌 (ISSN:03743527)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.191-202, 1968

The spontaneous and oxytocin induced electrical activity of the pregnant uterus of rat has been studied <I>in vivo</I> by recording electromygorams at various stages during pregnancy. The electrical activity has been compared at different uterine portions in the pregnant uterus of rat; at the myometrium of the corpus, the cervix, the edge of the placental area, and the placental area. Also, one or two electrodes (silver wire, 50μ in diameter) were introduced into the myometrial coat at the different uterine poitions for the recording as described in the previous report. The experiments were performed on the 12th, 13th, 14th, 18th and 21st days of pregnancy. The electrical activity of the pregnant rat uterus consisted of repetitive spike discharges at the different uterine portions through various stages of pregnancy. <I>In vivo</I>, myometrium of the placental area showed a little spontaneous activity before term, but there was no difference between the myometrium of the edge of the placental area and of the other portions (the corpus and the cervix). No distinction between the electrical excitability of placental and nonplacental myometrium was observed at term. After the above control records were taken, oxytocin was injected in a dose of 2 or 3 i.u. intraumuscularly and the response in increase of spike discharges at the different uterine portions were clearly detected.
著者
三木 敦朗 奥山 洋一郎 白澤 紘明 斎藤 仁志
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

森林管理を持続可能な水準に高めることが求められていますが、一方でそれを実行する市町村では人材確保が難しいという現状があります。行政担当者の意志決定を支援するAIシステムがあれば、担当者は住民や関係者との合意形成等に専念することができ、持続可能な森林管理と行政コストの圧縮が両立できるのではないかと考えます。本研究は、そうしたAIの可能性を調査・実験等によって検証します。また、こうしたシステムが導入されたとき、森林管理や合意形成のあり方がどのように変化するのかを、制度と人材育成の面からも検討します。
著者
山口 龍彦 萩野 恭子 平 陽介 濱田 洋平 斎藤 仁志 小野寺 丈尚太郎 板木 拓也 星野 辰彦 稲垣 史生
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2018年大会
巻号頁・発行日
2018-03-14

IODPを始めとした掘削科学のプロジェクトにおいて、珪藻、有孔虫、放散虫、石灰質ナノプランクトンなどの微化石を用いて堆積物の地質年代を正確に決定することは非常に重要である。微化石の抽出と分類群の正確な同定には豊富な経験・知識が必要とされ、同定と堆積物の年代決定には時間を要する。DSDPが開始された1960年代より微化石の専門家は、掘削船に乗船し船上で微化石の分析を行い、掘削科学に貢献してきた。一方で、コンピュータ処理能力の向上により運転など従来人間が担ってきた操作が人工知能(AI)に置き換わられつつある。人工知能の構築に広く用いられているのはディープラーンニングと呼ばれる機械学習技術であり、多層のニューラルネットワークを用いることで、データの特徴を段階的により深く学習させる手法である。近年、国際空港の出入国管理、アミューズメントパークやコンサート会場の入場セキュリティを担う顔認証システムにおいて、ディープラーニングを用いることで、その識別精度を向上させる実用例も報告されている。我々は、この機械学習・画像認識技術の微化石年代測定への応用、さらには自動年代決定AIシステムの開発について研究を一昨年から開始した。昨年の本学会では、比較的単純な2種類の石灰質ナノ化石および珪藻化石について、NECのAIソフト「RAPID機械学習」による自動識別が可能であることを示した。今回の発表では、実用化に向けたさらなる検討として、分類する石灰質ナノ化石の種類を第四紀の堆積物から多産するEmiliania huxleyi, Gephyrocapsa oceanica, Gephyrocapsa ericsoni, Reticulofenestra haqii, Gephyrocapsa caribbeanica, Reticulofenestra productの6タクサ(種)に増やし、自動分類を試みた。ランダムに30枚の教師画像を与えて構築した分類モデルを用いて教師画像とは別の120枚(6種×20枚)の標本の画像の自動識別を行った。この結果、G. oceanicaやR. haqiiの判別的中率は100%、95%であり、自動判別の有効性が示された。一方、その他の4種類の判別的中率は0-35%であった。判別的中率が低い分類群では同定の鍵となるbridgeの認識がうまく行われていないと考えられる。偏向板を回転させたり、画像の解像度を上げた教師画像のみを与えることでより高精度の分類が可能になることが予想される。本発表では、石灰質ナノ化石の他の微化石への応用例も紹介し、自動分類の可能性について議論を深めたい。
著者
寿田 鳳輔 藤井 久四郎 新井 和夫 丸岡 利市 斎藤 仁隆
出版者
Japan Society of Smooth Muscle Research
雑誌
日本平滑筋学会雑誌 (ISSN:03743527)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.37-45, 1968

Albino rats of Wistar strain with normal sexual cycle on the basis of their vaginal smears were used and anesthetized with Mintal (pentobarbital) injecting 5 mg/100 g intraperitoneally in acute experiments. Spontaneous electromyographic activity of the rat uterus <I>in vivo</I> was recorded using a concentric electrode (silver wire, 50μ diameter). One electrode was placed in the tubal side and the other electrode in the cervical side of a corpusuteri of the rat. Electromyographic recordings were made with a 2 channel inkwritingapparatus. The spontaneous electrical activity of the rat uterus <I>in situ</I> could be observed through the cycle. The basic electromyographic patterns of the nonpregnant ratuterus at the estrus were the train of spike and the spike burst. From proestrus to estrus, the spontaneous spike discharges increased in amplitude and in frequency and became of a set of their discharges. In some cases the spontaneous spike discharges were observed sporadically at the diestrus of the cycle and the castrated condition.