著者
韓 順子 谷 伊織 早川 史子
出版者
東海学園大学
雑誌
東海学園大学研究紀要. 人文学・健康科学研究編 (ISSN:1349161X)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.91-100, 2008-03

2005年5月下旬から6月上旬において、愛知県における女子高校生と女子大学生の飲み物の飲用状況を調査し、次のような結果を得た。1.高校生、大学生ともに夏の飲み物として最も多く飲まれていたのは、煮出し麦茶とウーロン茶だった。2.高校生に比べて大学生の方が飲み物の飲用率が低かったのは、大学生の方が食間に飲み物を飲んでいなかったことによるものであった。3.緑茶および紅茶、コーヒーに対する嗜好性では、大学生が緑茶やコーヒーを好み、高校生では紅茶を有意に好んでいた。4.来客時と団欒時の飲み物として大学生では、緑茶とコーヒーをそれぞれイメージしたのに対し、高校生ではいずれの場合も緑茶、紅茶およびコーヒー以外の飲み物をイメージした。
著者
早川 史子 前田 昭子 水野 浄子 南 幸 渋谷 里美
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.176-182, 2001-09-30 (Released:2011-01-31)
参考文献数
27

2000年7月~10月佐賀県の栄養士を対象に茶粥に関する調査を実施し, 次のことが明らかになった1) 茶粥の習俗は佐賀市, 佐賀郡, 小城郡, 藤津郡, 神埼郡, 西松浦郡, 東松浦郡に分布していた. 東松浦郡以外の地域は藩政時代, 鍋島藩の統治下にあった. これらの地域では, 「コメの節約のため朝食に茶粥を食べるように」と強いた藩の命によって食べられるようになったと考えられる.2) 茶粥を食べたことがあると答えた者と食べたことがないと答えた者の間には, 有意差が認められなかった. 食べたことがあると答えた者の中で, 現在も継続して食べている者の割合は, 現在は食べていない者の割合に比べて低く, 佐賀県における茶粥の習慣は薄らいでいることが示唆された.3) 茶粥の呼び名はチャガユ (63%) が最も多く, 次いでチャガイ (18%) であった4) 佐賀県の茶粥には具を入れない場合が多いが, 入れる場合に共通したものはサツマイモと餅である.5) 米の豊富な現在でも茶粥の習慣が残っているのはおいしさと習慣性によるみのと考えられた.
著者
早川 史子 前田 昭子 南 幸 川井 考子 藤沢 祥子
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.259-267, 2000-12-31 (Released:2011-01-31)
参考文献数
24

There are the reports the custom of eating rice gruel made with tea mainly on Western Japan. But its details are not clarified. In order to clarify the eaten reason and origin of it, the range of its custom and distribution in Kyoto, Osaka, Mie, Nara, and Wakayama prefecture in 1999 is investigated by Questionnaire. The Questionnaire was distributed to dietitians (age20-70) living in each area.1) The custom of eating rice gruel made with tea is distributed especially on the border of the prefectures, and also in the seaside districts of Wakayama and Osaka prefectures.2) Next to Wakayama prefecture, Nara prefecture has the most rice gruel made with tea, however this custom in all of them is on the decrease.3) Rice gruel made with tea is called Tyagayu rather than Okaisan by Osaka and Mie prefectures, but called Okaisan by Wakayama prefecture.4) The common materials added to rice gruel made with tea in the five areas are sweet potato, rice cake, and adzuki beans.5) The reason that the custom of eating rice gruel made with tea remains today is that it tastes good.
著者
早川 史子 岡崎 章子 韓 順子
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.260-265, 2006 (Released:2007-01-30)
参考文献数
16

2003年10月~12月, モンゴルのウランバートル出身の女子大学生306名と地方出身の女子大学生283名を対象に飲み物調査を実施し, 次のことが明らかになった。  1. ウランバートル出身者と地方出身者の間で湯の飲用頻度がもっとも高いことは共通していた。しかし湯以外の飲み物の飲用状況は両者間で異なり, 前者では紅茶やコーヒーの飲用頻度が高く, 地方出身者ではスーティツァイ, ハルツァイの飲用頻度が高かった。  2. コーヒーは食事と食事の間に飲まれる頻度が高かったが, 紅茶は食事に付随した飲み物として定着していることが明らかになった。  3. ウランバートル出身者に比べると地方出身者ではスーティツァイに対する嗜好性が高く, 紅茶に対する嗜好性が低かったことによって, 飲み物の嗜好性に差が認められた(p<0.001)。  4. 来客時および団欒時の飲み物としてスーティツァイに対するイメージが両群とももっとも高かったが, 地方出身者の方がより高かったことと紅茶に対するイメージがウランバートル出身者の方がより高かったことによって, 両者間における来客時および団欒時の飲み物に対するイメージに有意差が認められた(p<0.001)。  5. 紅茶やコーヒーに対して嗜好性を示した者でも来客時や団欒時には伝統的飲料であるスーティツァイをイメージする者が多かった。
著者
日比 喜子 安達 町子 前田 昭子 早川 史子
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.183-192, 1999-02-15
被引用文献数
3

The difference in preference for tea, especially for black tea, in the four areas of Shiga Prefecture Keihin region, Hanshin region, and Nagasaki Prefecture was surveyed by questionnaire. The questionnaire was distributed to young female students who had lived in the respective areas for a period of 18-22 years. The respondents in the Keihin and Hanshin regions preferred black tea to green tea. Most of the respondents in each area referred to the taste as the reason for their tea preference, while aroma was more referred to by the respondents who preferred black tea than those who preferred green tea. A general low frequency of drinking black tea was seen in the four areas. Those who preferred black tea tended to drink more of it than those who preferred green tea. The serving methods were different in the two areas where the respondents preferred black tea. In the Hanshin region, the preference was for black tea brewed by pouring boiling water on to the tea leaves, and served with sugar and lemon or with sugar and milk. In the Keihin region, on the other hand, the preference was for canned black tea served with sugar and lemon or with sugar and milk.
著者
日比 喜子 安達 町子 前田 昭子 早川 史子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.183-192, 1999-02-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
26

滋賀県, 京浜地区, 阪神地区および長崎県の4地域において, それぞれを主な生育地とする女子学生 (18~22歳) を対象に茶, 特に紅茶の嗜好に関するアンケート調査を行い, 次のような興味ある結果が得られた.(1) 緑茶と紅茶の嗜好の比較では, 京浜地区と阪神地区では緑茶より紅茶の方が好まれるが, 滋賀県と長崎県では緑茶および紅茶の嗜好に有意差がなかった.(2) 緑茶あるいは紅茶を好む理由については, 地域間に有意差は認められず, いずれの地域においても緑茶あるいは紅茶を好む理由は圧倒的にそれぞれの “味” であり, “色” をあげた者はごくわずかであった.また, 茶を好む理由として “香り” をあげた割合は, 紅茶嗜好者の方が緑茶嗜好者よりも高かった.(3) 女子学生の紅茶飲用頻度は概して低いが, 飲用頻度の平均値は茶葉から抽出する紅茶よりも缶入り紅茶において, また, 緑茶嗜好者よりも紅茶嗜好者において高かった.しかし, 最も好きな紅茶は, 全体的には, 緑茶・紅茶の嗜好にかかわらず, 茶葉から抽出して飲む紅茶であった.(4) 缶入り紅茶の中では, いずれの地域においてもミルク紅茶が好まれるが, 特に滋賀県, 長崎県で非常に好まれていた.茶葉から抽出する紅茶の中では, いずれの地域でも紅茶液をそのまま飲む, 砂糖だけ入れて飲む, および砂糖とミルクを入れて飲む紅茶が好まれるが, 特に砂糖とミルクを入れて飲む紅茶は阪神地区で非常に好まれていた.(5) 緑茶嗜好者よりも紅茶嗜好者が多い京浜地区と阪神地区の紅茶嗜好者について, 前者では缶入りのレモン紅茶およびミルク紅茶を好み, 後者では茶葉から抽出して砂糖・レモンを入れる紅茶, および砂糖・ミルクを入れる紅茶を好む.