著者
星 博幸
出版者
名古屋地学会
雑誌
名古屋地学 (ISSN:13450514)
巻号頁・発行日
vol.80, pp.14-23, 2018 (Released:2019-03-05)
参考文献数
10
著者
星 博幸
出版者
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, Geological Survey of Japan
雑誌
地質調査研究報告 (ISSN:13464272)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.43-50, 2002
被引用文献数
6 24

中新統熊野酸性火成岩類(約14.3Ma)の試料を8地点、から採取し,残留磁化を測定した.段階交流および熱消磁により,多くの試片から2つの残留磁化成分(高温または高保磁力成分と低温または低保磁力成分)が分離された.高温または高保磁力成分の試片特徴磁化方位から4つの地点、平均特徴磁化方位が決定された.神ノ木流紋岩(本火成岩類下部の流紋岩溶岩流)は正帯磁の東偏磁化を持ち,本火成岩類中部および下部の溶結凝灰岩および花崗斑岩はSW向きで伏角が深い逆帯磁磁化を持つ.これらの方位特徴は基本的に過去の研究(田上,1982) で報告された特徴と同じである.この時計まわり方向に偏向した方位は,これまで西南日本の時計まわり回転運動を表すものと考えられてきた.しかし,15Maには西南日本の回転は終了していたとする古地磁気学的な証拠が多くあるため,本研究はこの偏向を非テクトニックな原因,すなわち磁場逆転またはエクスカーションの間の普段とは異なる磁場状態の中で獲得された磁化と解釈する.また,溶結凝灰岩と花崗斑岩の古地磁気方位と室生火砕流堆積物(約14.3Ma)の方位にみられる類似は, これらのユニットが成図的に関連していることを示唆する.
著者
山下 透 檀原 徹 岩野 英樹 星 博幸 川上 裕 角井 朝昭 新正 裕尚 和田 穣隆
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.113, no.7, pp.340-352, 2007 (Released:2008-03-29)
参考文献数
50
被引用文献数
1 8

紀伊半島北部に分布する室生火砕流堆積物とその周辺の凝灰岩(石仏凝灰岩,古寺凝灰岩,玉手山凝灰岩)および外帯中新世珪長質岩類について,屈折率を用いた軽鉱物組合せモード分析を行った.その結果,紀伊半島北部の中期中新世珪長質火砕流堆積物の斜長石系列は,すべてオリゴクレース~ラブラドライトで特徴付けられることから,これら4者は対比された.加えて室生火砕流堆積物は外帯に分布する熊野酸性岩類の流紋岩質凝灰岩の一部と対比できた.これらのことから,室生火砕流堆積物と石仏凝灰岩,古寺凝灰岩,玉手山凝灰岩は15 Maの熊野地域のカルデラを給源とする同一の大規模火砕流堆積物であると推定される.また熊野酸性岩類の中のアルバイトで特徴付けられる流紋岩質凝灰岩は,同じ軽鉱物組合せをもつ中奥弧状岩脈を給源とする可能性がある.
著者
星 博幸 岩山 勉 沢 武文 菅沼 教生 戸谷 義明
出版者
愛知教育大学教育実践総合センター
雑誌
愛知教育大学教育実践総合センタ-紀要 (ISSN:13442597)
巻号頁・発行日
no.12, pp.191-198, 2009-02

愛知教育大学は2008年7月31日と8月1日の2日間にわたって「高校生サイエンス・サマー・キャンプ」を開催した。愛知県及び隣県の高校生25名が参加し,生物学,地学(地球科学),天文学,物理学,化学の大学レベルの実験や観測に取り組んだ。受講生アンケート調査の結果を取りまとめ,過去2回(06, 07年)のアンケート結果と比較したところ,受講生の得意科目/不得意科目や開催通知手段に関して興味深いデータが得られた。今回のキャンプの成功は,本学院生・学部生アシスタントの貢献によるところが大きい。こうした取り組みは,地域社会及び本学の両方にとって非常に高い教育的価値があると考えられる。