著者
木村 晴美 市田 泰弘
出版者
青土社
雑誌
現代思想
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.p354-362, 1995-03
被引用文献数
6
著者
木村 晴
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.115-126, 2004-06-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
36
被引用文献数
15 10

不快な思考の抑制を試みるとかえって関連する思考の侵入が増加し, 不快感情が高まる抑制の逆説的効果が報告されている。本研究では, 日常的な事象の抑制が侵入思考, 感情, 認知評価に及ぼす影響を検討した。また, このような逆説的効果を低減するために, 抑制時に他に注意を集める代替思考方略の有用性を検討した。研究1では, 過去の苛立った出来事を抑制する際に'代替思考を持たない単純抑制群は, かえって関連する思考を増加させていたが, 代替思考を持つ他3つの群では, そのような思考の増加は見られなかった。研究2では, 落ち込んだ出来事の抑制において, 異なる内容の代替思考による効果の違いと, 抑制後の思考増加 (リバウンド効果) の有無について検討した。ポジティブな代替思考を与えられた群では, 単純抑制群に比べて, 抑制中の思考数や主観的侵入思考頻度が低減していた。しかし, ネガティブな代替思考を与えられた群では, 低減が見られなかった。また, ネガティブな代替思考を与えられた群では, 単純抑制群と同程度に高い不快感情を報告していた。代替思考を用いた全ての群において, 抑制後のリバウンド効果は示されず, 代替思考の使用に伴う弊害は見られなかった。よって, 代替思考は逆説的効果を防ぎ効果的な抑制を促すが, その思考内容に注意を払う必要があると考えられた。
著者
木村 晴
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.115-126, 2004-06-30

不快な思考の抑制を試みるとかえって関連する思考の侵入が増加し,不快感情が高まる抑制の逆説的効果が報告されている。本研究では,日常的な事象の抑制が侵入思考,感情,認知評価に及ぼす影響を検討した。また,このような逆説的効果を低減するために,抑制時に他に注意を集める代替思考方略の有用性を検討した。研究1では,過去の苛立った出来事を抑制する際に,代替思考を持たない単純抑制群は,かえって関連する思考を増加させていたが,代替思考を持つ他3つの群では,そのような思考の増加は見られなかった。研究2では,落ち込んだ出来事の抑制において,異なる内容の代替思考による効果の違いと,抑制後の思考増加(リバウンド効果)の有無について検討した。ポジティブな代替思考を与えられた群では,単純抑制群に比べて,抑制中の思考数や主観的侵入思考頻度が低減していた。しかし,ネガティブな代替思考を与えられた群では,低減が見られなかった。また,ネガティブな代替思考を与えられた群では,単純抑制群と同程度に高い不快感情を報告していた。代替思考を用いた全ての群において,抑制後のリバウンド効果は示されず,代替思考の使用に伴う弊害は見られなかった。よって,代替思考は逆説的効果を防ぎ効果的な抑制を促すが,その思考内容に注意を払う必要があると考えられた。
著者
木村 晴
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.230-240, 2005-06

ある思考を抑制するとかえって関連する思考が増幅する抑制の逆説的効果が報告されている。この効果は, 抑制の意図が高いほど生じやすいとされていることから, 本研究では, 個人が持つ抑制スタイルが抑制の成否に及ぼす影響を検討した。思考を徹底的に頭から締め出そうとする積極的抑制スタイルを持つ者は, 抑制意図を高め, かえって抑制の逆説的効果を経験するが, 侵入思考を受け流そうとする受動的抑制スタイルを持つ者は, 相対的に逆説的効果が生じないと予測された。実験1では, 参加者は受動的もしくは積極的な抑制スタイルを誘導され, 中性刺激の抑制を行った。また, 実験2では, 事前に行われた質問紙によって, 積極的抑制スタイル群, 受動的抑制スタイル群に分けられ, 個人的な日常の悩みを対象として抑制を行った。両実験において, 積極的抑制スタイルを持つ者は, かえって逆説的効果を生じさせたのに対し, 受動的な抑制スタイルを持つ者は, 逆説的効果を生じさせず, 予測どおりの抑制スタイルの影響が示された。また, 抑制スタイルにかかわらず, 抑制時に代替思考を用いた方略使用抑制群では, 逆説的効果が生じなかった。抑制対象, 抑制方略, そしてメタ評価が抑制の成否に及ぼす影響を論じる。
著者
木村 晴壽
出版者
学校法人松商学園松本大学
雑誌
教育総合研究 = Research and Studies in Education (ISSN:24336114)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.1-28, 2018-11-30

本論は、明治初期に開始された地方制度改革の過程で信州に設置された筑摩県を素材に、その教育行政のあり方を仔細に検討した。筑摩県は地方行政区として4年余り存続しただけの県ではあったが、その教育行政は独特であり、短期間に着々と小学校の設立が進んだだけでなく、学制施行直後の当時としては驚異的な高就学率をも達成した。これらの実績を評価した文部省は、官民ともに県全体が学制の主旨に沿った教育の充実を実現しているとして、筑摩県を賞賛した。迅速な学校設置や高就学率を実現するため筑摩県では、後に県の一部となる伊那県の時代から県の長官を務める人物が先頭に立って教育行政を牽引し、精勤賞や不就学補助金等の実効性ある施策を実施していた。さらには、長官である権令自ら県内の小学校を巡回して就学を督励するなど、むしろ特異ともいえる姿勢で教育行政と取り組んでいた。その最中、地方統治の完成を目指す政府が断行した府県統合策によって筑摩県は、発足から4年余りで旧長野県と統合された。筑摩県が消滅した後、統合長野県の教育行政からは、徐々に筑摩県色が失われていったが、就学率を含めた教育水準は、それなりに維持された。
著者
木村 晴壽
出版者
学校法人松商学園松本大学
雑誌
松本大学研究紀要 = The Journal of Matsumoto University (ISSN:13480618)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.1-31, 2018-03-12

本論は、戦前の松本地方(さしあたって現在の松本市域を想定している)で電気事業がどのように展開したのかを、可能な限り具体的に跡づけることで、地域経済発展の基盤となるいわゆるインフラ整備のあり方を検証することが狙いである。わが国の戦前電気事業は、民間事業者が発電・送電・配電のすべてを担った点に特徴があるが、公共・公益事業であることから、当然のごとく、厳密な法的規制を受けていた。したがって本論は、まずもって電気事業者がどのような法規制を受けていたかを十分に踏まえた上で、松本地方での電気事業の展開過程を検証した。当該地方での電気事業は、松本電灯という事業者が市街地に電気を供給したことから始まる。松本電灯には、当時最大の輸出産業だった製糸業の有力企業幹部で、後に松本商業会議所会頭に就任する人物が大きく関わっていた。背後に有数の山岳地帯を擁する松本地方は、電源確保には極めて適した地の利があったにもかかわらず、松本電灯は電源開発に遅れを取っていた。松本電灯以外の電気供給事業者との関係も含め、当該地方で電気事業がどのように展開したかを詳述することで、地方のインフラ整備の一形態を提示した。
著者
木村 晴
出版者
心理学評論刊行会
雑誌
心理学評論 (ISSN:03861058)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.584-596, 2003 (Released:2019-04-12)
被引用文献数
5
著者
石田 善久 木村 晴保
出版者
日本水産工学会
雑誌
日本水産工学会誌 (ISSN:09167617)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.169-172, 2002 (Released:2018-07-02)
参考文献数
7

The mean fish body length, the fish body weight and cultured fish number per unit volume of the pen are estimated from the practical fish culture data of yellowtail, sea bream and so on. Depending on these data, the relationship between the body length and body weight and numbers of cultured fish per unit volume of the pen are clarified. Moreover the dissolved oxygen consumption by fish per unit volume of the pen are discussed.
著者
添田 弘 水川 保 木村 晴 茂呂 邦久
出版者
耳鼻咽喉科展望会
雑誌
耳鼻咽喉科展望 (ISSN:03869687)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.23-25,3, 1969-02-15 (Released:2011-08-10)

Numerous cases of abnormal lengthening of the styloid process of the temporal bone have been described. A recent case experienced by us manifested symptoms that suggested a state of psychic disorder. Excision of the abnormally long styloid process resulted in complete disappearance of symptoms and, furthermore, the patient himself was unable to recollect his previous symptoms. The mental aberrations in this patient are discussed.