著者
山口 功 木田 隆 岡本 修 狼 嘉彰 YAMAGUCHI Isao KIDA Takashi OKAMOTO Osamu OOKAMI Yoshiaki
出版者
航空宇宙技術研究所
雑誌
航空宇宙技術研究所資料 = Technical Memorandum of National Aerospace Laboratory (ISSN:04522982)
巻号頁・発行日
vol.636, pp.15, 1991-06

本資料は剛体の運動方程式におけるクオータニオンによるキネマティックス表現についてまとめたものである。クオータニオンは4つのパラメータで構成され,物体のオリエンテーションを規定するものであり,オイラー・パラメータ,4元数とも呼ばれる。本資料ではまず座標系やベクトル量が定義された後,クオータニオンが導入される。従来の手法であるオイラー角による物体の姿勢の記述方法と比較しながら,方向余弦行列との関連や物体の角速度ベクトルによるクオータニオンの微分方程式の構成など,クオータニオンの様々な特徴について計算機プログラムのためのアルゴリズムを念頭において考察する。最後に剛体の運動方程式の中でクオータニオンがどのように組み込まれて剛体のキネマティックスを表現するのかについて論じる。
著者
木田 隆文
出版者
奈良大学
雑誌
奈良大学紀要 (ISSN:03892204)
巻号頁・発行日
no.40, pp.190-178, 2012-03

長江文学会は日本統治下の上海で活動した邦人文学団体である。一九四〇年九月から四二年五月ごろまでの二年弱の間に、現地発行の邦字新聞『大陸新報』紙上に「土曜文芸」蘭を掲載し、のちの機関誌『長江文学』を五号まで発行した。活動期間こそ短かったが、同会は在 日本人文学者を組織化した最初の文芸団体であり、かつ王兆銘政権寄りの日中文学者を糾合した上海文学研究会の前史を形成した点で注目される。本稿はその「土曜文芸」『長江文学』の細目と解題を紹介することで、同時期上海の邦人文壇に関する基礎情報を提出するものである。
著者
濱田 吉郎 大谷 崇 木田 隆 長塩 知之
出版者
The Japan Joint Automatic Control Conference
雑誌
自動制御連合講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.48, pp.138-138, 2005

静止3トン級大型柔軟構造衛星ETS-VIIIは,2006年度にH2Aロケットで打ち上げられる予定である.筆者らは,この衛星の後期利用段階における,先端制御理論を用いた衛星姿勢制御技術の実証実験を提案しており,複数の制御則について衛星への適用可能性について検討を進めている.本講演では,検討結果のうち,ゲインスケジューリング制御則による姿勢制御について報告する.
著者
村田 勝昭 原田 耕介 八木 正昭 遠藤 功 木田 隆夫
出版者
公益社団法人日本磁気学会
雑誌
日本応用磁気学会誌 (ISSN:18804004)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.1505-1508, 1999-04-15
被引用文献数
3

We present the magnetic characteristics of a compressed amorphous powder core developed in our laboratory and a boost converter using this core. The powder core has a higher saturated flux density and lower power dissipation than a conventional ferrite core. A boost converter using this powder core is highy efficient and very small.
著者
木田 隆文
出版者
奈良大学
雑誌
奈良大学紀要 (ISSN:03892204)
巻号頁・発行日
no.29, pp.190-166, 2021-01

" 漢口(武漢)日本租界に関する研究は、これまで政治史や建築・都市研究の分野で一定の成果が挙げられてきたものの、居留民社会、特にその文化面の研究は資料不足も相俟ってほとんど進展がなかった。 しかし先ごろ稿者は、漢口で発行された文学雑誌『武漢歌人』および『武漢文学会雑誌 武漢文化』の二誌を入手した。両誌は現地居留民が結成した文学者団体、武漢歌話会・武漢文学会の会誌であったが、やがて汪兆銘政権が設立した翼賛文化団体である中日文化協会武漢分会の機関誌へと位置づけを変えた。そのためこの両誌からは、現地居留民社会の文芸文化の動向だけではなく、汪兆銘政権統治地域における文化支配の実態をうかがい知ることもできる。 本稿はその両誌の改題および記事細目を紹介することで、武漢居留民社会の文化動向および文化支配の実態を解明する基礎資料を提示することを試みたものである。"
著者
木田 隆文
出版者
奈良大学
雑誌
奈良大学紀要 (ISSN:03892204)
巻号頁・発行日
no.39, pp.144-129, 2011-03

一九四四年から一九四六年まで上海で暮らした武田泰淳は、帰国後、同地での敗戦体験を描いた小説で作家としての地歩を固めた。そのため泰淳研究史では、この上海体験に大きな作家論的意味を見出してきたのだが、一方で伝記資料の不足によってその実相はほとんど確認されてこなかった。しかし敗戦前後の上海居留民社会で発行された邦字新聞『大陸新報』『改造日報』等を眺めると、そこには彼の名が散見される。そこで本稿は、これら現地発行の媒体を参照し、実態が知られなかった上海時代の武田泰淳の動向確認と、これまでの伝記研究の補訂を目論んだ。その結果、泰淳が中日文化協会や大陸新報社を媒介として、大東亜文学者大会をはじめとする様々な文化事業に携わった事実や、現地の文学雑誌『上海文学』に「中秋節の頃(上)」と題する小説を発表していることを確認した。また敗戦後も『改造日報』への寄稿や日僑集中地区での文化事業に関与した事実を明らかにし、激変する敗戦前後の上海の中で、常に邦人文化社会の一翼を担い続け、それを戦後の作家活動に礎とした泰淳の姿を浮き彫りにした。