著者
小沢 博 矢崎 弥 竹田 竜一 植原 吉朗 アレックベネット 竹田 隆一 本多 壮太郎 BENNETT Alexander
出版者
東京理科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

質問紙調査、インタビュー、ビデオ等から国際化における剣道試合審判の問題点に関するデータを収集し、運動学(動作形態分析)的・文化論的視点より分析・整理した。国際化による文化変容の問題以上に、剣道試合規則の有効打突や反則行為の判定基準の不明確さ、海外への伝達の不正確さ、そして海外を含めた審判員育成の不十分さが問題の根源として明らかになった
著者
立野 龍太朗 本多 壮太郎
出版者
福岡教育大学
雑誌
福岡教育大学紀要. 第5分冊, 芸術・保健体育・家政科編 = Bulletin of University of Teacher Education Fukuoka. 福岡教育大学 編 (ISSN:02863243)
巻号頁・発行日
no.65, pp.115-121, 2016

'4 Stance Theory' is the latest theory that categorizes characteristics of body movement into four types. The purpose of this study was to examine the effectiveness of kendo teaching that applies 4 stance theory, with focus on changes in the striking time. The subjects of the study were 31 students (23 males and 11 females) who belonged to a university Kendo club. They were divided into 4 groups (A1, A2, B1 and B2) by type checking followed by measuring their striking times as pre-test. Each group was then given some instructions such as how to hold middle-guard position and how and with what image they move their bodies for striking, according to characteristics of their own types. Post-test was then conducted to compare their striking times with those of the pre-test. The results indicated that the average times of their striking actions were significantly shorten in all groups, irrespective of the differences in their types, the contents of instructions given, gender and levels. Thus it was suggested that teaching that applies 4 Stance Theory to Kendo could be a useful method to shorten practitioners' striking time.
著者
本多 壮太郎
出版者
福岡教育大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究では,英国の大学剣道クラブ指導者を対象とし,指導者の修練観や指導観,指導上の問題点などを質問紙及びインタビュー手法によって明らかにした。指導者の考えは,「修練観」「使命感」「指導観」「ギャップ感」といったカテゴリーに分けられ,各カテゴリーに関する内容が構築されるに至った過程も解釈された。これにより今後,英国大学剣道の更なる普及と発展に貢献する指導・修練の方法論を構築するための価値ある研究資料が蓄積された。
著者
池田 光功 松㟢 守利 本多 壮太郎 古賀 俊憲 平田 哲史
出版者
福岡教育大学
雑誌
福岡教育大学紀要. 第六分冊, 教育実践研究編
巻号頁・発行日
vol.64, pp.1-8, 2015-02-10

ボクシングの動きを健康教育及びフィットネスの授業プログラムに活かす試みとして,教育職を志す女子学生を対象に基本となる技術を指導し,それを実践するシャドー・ボクシング,マス・ボクシング(コンタクトが無い),ミット打ちなどからボクシングの醍醐味を体感することで興味を持ち,生涯スポーツとして継続的に取り組んで行けることが考えられ,今後に目指す子どもたちとのかかわりを持つ教育の現場で基盤となる健康や体力などに関することを意識し考えることができる授業となった。プログラムの有効性として自らが調整しながら,動きを通してチャレンジしていく内容であったことを運動後の脈拍測定や質問紙による記述回答から分析した。
著者
本多 壮太郎
出版者
Japanese Academy of Budo
雑誌
武道学研究 (ISSN:02879700)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.23-33, 2006

本稿は、イングランド南西部に位置するグロースター州の中等教育機関(セカンダリスクール)に導入された剣道の活動・発展状況について報告する。2003年1月に英国では初となるセカンダリスクールでの剣道クラブがグロースター州チェルトナムで発足した。2005年1月には、同州サイレンセスターにて、剣道が体育カリキュラムとして採用されることとなった。さらに、同年夏には、セカンダリースクールの生徒達が、初等教育機関(プライマリースクール)を訪問し、生徒達自らの手で、プライマリスクールの生徒を対象に、剣道の授業の計画・準備・指導を行い、その成果により、政府関連団体公認のJunior Leaders Awardという資格を得ることができるというプロジェクトが始まった。<br>本稿では、上記の報告とともに、学校剣道の活動の継続・発展を支える重要な要因と、学校剣道がもたらす英国剣道の新たな発展のあり方の可能性についても考察する。クラブとしての剣道、体育カリキュラムとしての剣道共に、その活動は、セカンダリスクールとパートナーシップを結ぶスポーツ奨励団体のサポートを受けている。これにより、学校剣道は、経済的支援だけでなく、剣道をより多くの人に知ってもらう機会を得たり、資格コースを実施することで、学習者のやる気を引き出したり、また学習者の理解を深めたりすることができる授業展開を行うことができる。<br>グロースター州の学校剣道は、英国の一般のクラブではよく見られるジュニアに適切な稽古の環境面、安全面の課題、保護者の経済的、時間的負担の問題などを解決するものであり、今後英国剣道の新たな発展のあり方の可能性として注目される。学校剣道の発展のためにも、英国剣道の発展のためにも、今後は学校、スポーツ奨励団体に英国剣道協会を加えたより強固なパートナシップが形成されることが期待される。
著者
池田 光功 相原 豊 松﨑 守利 本多 壮太郎 平田 哲史
出版者
福岡教育大学
雑誌
福岡教育大学紀要. 第六分冊, 教育実践研究編
巻号頁・発行日
vol.63, pp.1-8, 2014-02-10

防災や防犯に対する意識を高め,子どもの教育に携わっていく学生に護身教育を実践した。先行研究等による知見などから指導のあり方をより精査して整え,新種目にも取り組み,その有効性を質問紙法により得られた回答から考察した。コミュニケーション力を向上させるリレーやボール運びは楽しさの先行から発展的に護身への導きは難しく,実践前後の丁寧な補足説明をすることにより,教育の意図やねらいを理解する力が育ち,意識が向上していくことを考えた。新種目とした掴まれた腕を外す技術は興味関心が高く,身近に起こりえるケースとしてとらえていることも考えられ,実践方法を含めた取り組みやすさがあることを今回の実践研究から得られた。
著者
本多 壮太郎
出版者
日本武道学会
雑誌
武道学研究 (ISSN:02879700)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.1-11, 2009

本研究では,剣道の国際化に伴う試合審判の問題点を,第17~21回ヨーロッパ剣道選手権に焦点を当て,試合数,審判員数,1人の審判における平均審判回数などの分析により明らかにした。また,ヨーロッパにおける剣道審判員の向上や育成に関する取り組みや課題点なども検討した。<br>ヨーロッパ剣道選手権第17~20回大会は,初日にジュニア個人戦と女子団体戦,2日目に男子団体戦最終日に男女個人戦という日程で行われてきた。この日程での1人あたりの平均試合審判回数は,初日14.24回,二日目28.95回,最終日57.01回であった。第21回大会では初日にジュニア個人・団体戦と女子団体戦,二日目に女子個人戦,男子団体戦,最終日に男子個人戦という日程で行われた。この日程での1人あたりの平均試合審判回数は,初日25.04回,二日目43.15回,最終日33.35回であった。<br>ヨーロッパ剣道選手権と同じ3日間の日程で行われた第13回世界剣道選手権大会と国内の2つの大会との比較では,ヨーロッパ剣道選手権のほうが1試合場当たりの審判員数が少なく,平均審判回数も多いという結果が得られ,ヨーロッパでの審判数の不足における審判員の負担の大きさが明らかになった。<br>英国剣道協会では,国内の審判員不足の問題を解決するために,四段以上の昇段審査を受けるものは,筆記試験において審判に関する問題を必ず選択すること,段位受験資格として,公式試合での審判経験を課す,といった制度を導入している。このような例を参考として,今後は,ヨーロッパ剣道連盟と各加盟国双方による審判員の育成への取り組み,これまでの育成法の改善などが重要な課題となる。