著者
矢木 大介 村田 健史 笠原 禎也 後藤 由貴
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.178-183, 2014-05-24 (Released:2014-12-01)
参考文献数
6

月探査衛星かぐやで観測した電界波形データには, 特徴的なバイポーラ型波形が多数確認されている. このバイポーラ型波形を観測データから自動抽出し, 波形の特性を求めるアルゴリズムを開発中であるが, 観測データの総容量が約190GBにも及ぶため, 情報通信研究機構(NICT)のサイエンスクラウド上でPwrakeを用いて並列処理による高速化を図った. 本論文では効率を評価した結果を報告する.
著者
松本 紘 BOUGERET Jea ANDERSON Rog 小嶋 浩嗣 GURNETT Dona 村田 健史 笠原 禎也 八木谷 聡 臼井 英之 大村 善治 岡田 敏美 筒井 稔 橋本 弘蔵 長野 勇 木村 磐根 BOUGRET Jean-Louis ANDERSON Roger r. GURNETT D.A. BOUGERET J.L ANDERSON R.R
出版者
京都大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1994

平成7年度には、GEOTAIL衛星は、地球から30Re付近の近地球軌道にあり、WIND衛星も主に、昼間側の太陽風の定常観測状態にあった。一方、同年度8月には、ロシアの衛星INTERBALLが、3月には、米国の衛星POLARが打ち上げられ、ISTP衛星による磁気圏の総合観測体制がほぼ整ったといえる。これらの衛星のうち、INTERBALL、POLAR衛星は、打ち上げ後、まもないということで、具体的な共同観測については、来年度に行われる予定であり、本年度は、主に、WIND衛星との共同観測を昨年度までのAKEBONO、Freja,ULYSSES衛星との共同観測に加えて重点的に行った。以下に、交付申請書の調査研究実施計画の項目に従って研究成果を列挙する。1.まず、惑星間衝撃波の観測でGEOTAILとWIND衛星で同時に観測を行った例において、WIND衛星で観測された磁場やプラズマの変化とそのGEOTAILでのある時間遅れでの観測、そしてそれに対応するプラズマ波動の強度の変化について解析を行った。その中には、衝撃波の到来とともにGEOTAILがバウショックを何度もよぎる現象がみられるものがあり、惑星間衝撃波の影響によりバウショックの位置が変化している様子を観測することができた。2.磁気圏昼間側のショック領域全面で発生しているといわれている2fpエミッションの観測をWIND、GEOTAIL両衛星を用いて行い、その発生時間や周波数変化の時間差から、その発生領域がやはりショック全面にあることが確認された。現在その位置的な偏りについても、より多くのデータを集めて解析を行っている。3.GEOTAILによって磁気圏内部で観測された「振幅変調をうけた電子プラズマ波」と同様な波形がWIND衛星によって太陽風中でも観測されていることがわかった。GEOTAILでの観測では、その波動の伝搬方向は外部磁場に対して平行、垂直の両者があることがわかっていたが、現在までのところWINDの方では平行伝搬のみがみつかっている。4.POLAR衛星の打ち上げに伴う共同観測体制を整えるための情報交換をアイオワ大学と行っている。5.POLAR衛星の打ち上げが遅れて本年度の3月になったため、具体的な共同観測は来年に執り行われることになる。6.本研究課題に関連して投稿された論文リストは、本報告書の研究発表欄に列挙する。以上が、交付申請書に書かれていた計画に対応する報告であるが、上述の他に、以下の項目についても共同研究を行った。1.極域で観測されるイオンサイクロトロン波とイオンコニックス分布との相関をAKEBONO衛星とFreja衛星の共同観測で明らかにした。2.極域で観測されるAKRの観測をGEOTAIL、WIND衛星で共同して行い、その観測が衛星の位置によってどのように変化してみられるかの評価をを行い、AKRの伝搬特性についての解析をおこなっている。3.太陽バースト伝搬をGEOTAIL、WIND衛星で同時に観測し、その強度を比較することにより、両者の受信機の較正を行った。
著者
村田健史 岡田 雅樹 阿部 文雄 荒木 徹 松本 紘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.43, no.12, pp.115-130, 2002-12-15
被引用文献数
5

現在,宇宙開拓科学や地球環境科学の様々な分野において,広域観測が進められている.我が国では,観測データの取得・蓄積は諸外国と比較して進んでいるが,データのネットワーク上での公開・発信は不十分な点が多い.広域観測データは,観測グループ独自のデータ較正方法やデータ公開ルールがあり,データ管理・公開が機関ごとに独立に行われる傾向がある.一方,データ解析者は,これらの分散管理されているデータを一元的に利用したい.しかし,米国の米国宇宙科学データセンター(NSSDC )のような統合的データセンターの実現は容易ではない.本研究では,広域宇宙地球観測の1 つである,太陽地球系物理(STP )観測データのための分散データベースを提案する.提案する分散データベースでは,データファイルおよびデータ利用者のメタ情報を抽出し,メタデータベース化する.各観測グループはメタデータベースを独自に管理することで,データの管理権限を保護することができる.一方,分散データベースシステムによって各データに対して透過的にアクセスすることにより,データ解析者は一元的にデータを利用することができる.本稿では,分散データベースのシステム設計を行い,実際に試験データを用いたデータベースを構築した.その結果,提案する垂直分散型分散データベースによって,実用上有効なアクセス速度でメタ情報取得が可能であることが分かった.Due to the development of computer performance and information networks,we can now easily access to observation data for large-scale Solar-Terrestrial Physics (STP)through the Internet.However,for integrated studies with help of a variety of observation data together, we need to a distributed network database system with which users are able to access to any observation data with high transparency.It is widely said that distribution systems and facilities for STP data are inferior to observation and storage systems in Japan. However, it is diffcult to construct a central data management center for huge amount of data because of financial,political,and technical reasons.We herein propose a distributed database system for STP data.In the presented database system,index information of both observation data files and access users are stored and managed as a meta-detabase.Through the access to the meta-detabase,users obtain information of the observation data:not only datasite addresses, directory names and ?le names of the data,but authorization of the data.One's authorization to access one data is provided by the team or mission responsible for the data.This suggests that the ownerships of observation data to each team/mission are preserved though the present meta-database seems to be only one from user side.
著者
吉松 靖文 藤吉 賢 村田 健史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.638, pp.31-36, 2005-01-20

アスペルガー症候群を含む自閉症スペクトラム障害児4名に対して携帯型タイムエイド(RAIMAN Toolkit)を適用した。家庭で保護者と一緒にタイムエイドを使うことで, 活動への取り組みや次の活動への移行を促した。いずれの対象児も活動への取り組みや次の活動への移行ができるようになったが, その効果は一様ではなかった。タイムエイドがストレスの原因になる場合も見られた。一方で, 対象児自身が時間を設定することで本人による時間管理が可能になったり, 保護者と相談して時間を決めることでコミュニケーションすることが可能になったりした。