著者
板東 久美子
出版者
筑波大学大学研究センター
雑誌
大学研究 (ISSN:09160264)
巻号頁・発行日
no.30, pp.87-114, 2004-01

皆さん、おはようございます。文部科学省人事課の坂東でございます。ただ今、ご紹介いただきましたように、つい最近まで高等教育局の高等教育企画課長という仕事をしておりました。人事課は1月10日付けということで、まだ約1ヶ月の新米 ...
著者
東 久美子
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
地球化学 (ISSN:03864073)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.133-148, 2019-12-25 (Released:2019-12-25)
参考文献数
97
被引用文献数
1

Due to global warming, the Arctic has been changing drastically and rapidly. The changes in the Arctic cryosphere affect not only the Arctic climate and environment but also the global climate system. There is an urgent need to improve the projections of future Arctic climate and environment, including mass loss of the Greenland ice sheet, which affects the global sea level, ocean circulation and global climate. To achieve these goals, we need to advance ice sheet and climate modeling. Long-term records of the past Arctic warmings and their impacts, and the understanding of the mechanisms are necessary. Arctic ice cores have been providing us with valuable information on different time-scales from decadal to orbital time-scales. For example, deep ice cores from Greenland have revealed abrupt warming events in the glacial and deglacial periods and their links to global environmental changes. Multiple ice cores from the Arctic have been used to reconstruct the elevations of the past Greenland ice sheet. Shallow ice cores from circum-Arctic ice caps and Greenland have shown anthropogenic increases of acids, toxic metals etc. after the industrial revolution. This paper briefly reviews the history of ice core studies in the Arctic and discusses future prospects.
著者
植竹 淳 東 久美子 本山 秀明
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.57-67, 2012-03

氷床アイスコア中には,鉱物粒子と共に輸送されてきた微生物が含まれる事が知られている.これら微生物の細胞数の計測には,蛍光顕微鏡による直接観察法が用いられるが,細胞数が少ないアイスコア試料では蛍光染色試薬の退色により数を過小評価しやすい一方で,含まれる鉱物などの非特異的な蛍光により過大評価しやすいため,定量的に細胞数を測定する事が困難である.本研究では5種の退色防止試薬から退色が最も少ないもの,19種の蛍光染色試薬から非特異的蛍光との選別が容易な試薬をそれぞれ選出し,細胞壁構造の異なる6種の微生物株を用いて染色選択性を確認し,鉱物の混入による染色への影響を調べた.その結果,退色防止試薬にはEverBrite Mounting Medium(Biotium製),蛍光染色試薬にはYOYO-1(Molecular Probes)が最も適していることがわかり,鉱物が混入する場合は濃度をやや高めに調整することで定量性が高くなる事が示された.
著者
東 久美子 塚川 佳美 近藤 豊 Dallmayr Remi 平林 幹啓 尾形 純 北村 享太郎 川村 賢二 本山 秀明 的場 澄人 青木 輝夫 茂木 信宏 大畑 祥 森 樹大 小池 真 小室 悠紀 對馬 あかね 永塚 尚子 繁山 航 藤田 耕史
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2019年大会
巻号頁・発行日
2019-03-14

2014年春にグリーンランド氷床北西部のSIGMA-Dサイトで225メートルの深さまでのアイスコアが掘削された。積雪のアルベドに影響を及ぼす物質として注目されているブラックカーボン(BC)の変動を高時間分解能で復元するため、国立極地研究所で開発されたアイスコア連続融解析装置(CFA)を用いてこのコアの深度6~113mを高時間分解能分析した。CFAはアイスコアを融解しながら連続的に分析する方法であるが、融解部に接続したWide-Range SP2 (Single Soot Photometer)によりBCを分析した。コアの上部6mは空隙の多いフィルンであり、CFAを用いることができなかったため、約5cmの長さ毎に切り、試料表面の汚染を除去して融解した後、SP2で分析した。主としてナトリウムイオン濃度と酸素同位体比の季節変動を利用してこのコアの年代決定を行い、1年を12に分割して月毎の変化を調べた。ブラックカーボンの質量濃度と数濃度はともに1870年頃から増加し始め、1920~1930年頃にピークを迎えたが、その後減少に転じた。1870年頃からの濃度の増加は、化石燃料の燃焼によって発生する人為起源のブラックカーボンがグリーンランドに流入したためであると考えられる。化石燃料起源のBC濃度の増加に伴ってBCの粒径が大きくなる傾向が見られた。これはグリーンランドに到達する化石燃料起源のBCの粒径が森林火災起源のものよりも大きいことを示唆している。BC濃度の季節変動を調べたところ、BC濃度の増加は主に秋~冬に生じていることが分かった。また、人為起源のBCの影響がない時代にはBC濃度は夏にピークを示していたが、人為起源のBCが多量に流入した時代には冬にピークを示していたことも分かった。夏にはしばしばBCが短期間だけ50µg/Lを超える高濃度になることがあったが、これは森林火災によるものと考えられる。本発表では、SIGMA-Dコアの結果を他のグリーンランドコアと比較して議論する。
著者
藤田 秀二 上田 豊 東 久美子 榎本 浩之 亀田 貴雄 高橋 修平 古川 晶雄 松岡 健一
出版者
The Japanese Society of Snow and Ice
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.415-425, 2002-07-15 (Released:2009-08-07)

近年のデータ通信環境の進歩に伴い,南極雪氷観測データの取り扱いに関しても,その保存・公開方法の見直しが急務となっている.南極研究プロジェクトの努力の結晶であるデータが,将来にわたり価値を保ちつつ研究に活用され,散逸の危険なく安全な保存がなされ,且つ,アクセス権・版権・公開方針が一定のルールのもとで取り扱われる必要がある.こうしたマネジメントの善し悪しが,研究コミュニティーの将来の知的生産性に決定的に影響するため,問題提起と要点の整理を目的として本稿を提出する.各国の事例を参考に,マネジメントに求められる諸機能を分析した.重要な点は,長期に安全に維持運営される必要があること,国家事業として実施されてきた南極観測を対象としたマネジメントであること,それに,研究コミュニティーがこれを実質的に構築し且つ利用者となることである.このため,(1)南極研究機構のなかでデータマネジメント機構を作る体制が望ましい.(2)情報管理の専門性と手間を考慮した場合,専門情報技術者を配置した維持管理が不可欠である.さらに,(3)仕組みが機能するには,研究コミュニティーからのサポートが不可欠である.
著者
渡辺 興亜 本山 秀明 神山 孝吉 藤井 理行 古川 晶雄 東 久美子 島田 亙
出版者
国立極地研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1996

氷河や氷床など氷久雪氷層中には大気中からさまざまな物質がさまざまな過程を経て混入している。それらの物質は雪氷層中に初期堆積状態を保ち、あるいは続成過程の結果として保存される。このように保存された各種物質の濃度、組成、存在形態は雪氷コア中に特色ある情報系を構成し、堆積環境、気候状態の情報指標(シグナル)となる。とりわけ物質起源に関して地球環境、輸送機構に関して大気環境と大きく結びついているエアロゾル起源物質は地球環境情報の指標として重要である。本研究ではエアロゾル起源物質の雪氷層への(1)初源的堆積過程、(2)積雪の変態過程に伴う二次堆積-移動過程、(3)定着化過程を積雪の氷化過程を中心課題として研究を進め、(4)指標シグナル全体としての特性の形成機構を中心に解析をおこなった。極域にはさまざまな起源からエアロゾルが大気循環を通じて転送され、極域大気循環を通じて雪氷層に堆積する。降水の同位体組成とともに、エアロゾル物質の濃度、組成化、その他の指標特性はさまざまな時間規模の大気環境、雪氷堆積環境の状態とその変動特性を指標する。しかしその指標特性は単純ではない。エアロゾルの輸送、堆積に関る大気環境と堆積後の諸過程に関る雪氷堆積環境にはさまざまな地域特性を反映しているからである。極域における雪氷コアから抽出できる各種の指標シグナルは極めて豊富であるが、指標特性の形成の過程と形成の機構の解明に不可欠な再現実験が困難という問題が存在する。そのため、本研究ではフィールド観測対象域として極域の積雪変態過程とほぼ同様な変態、氷化の諸過程が生じる、北海道東北地方の内陸部を選び、二冬期間に観測を実施した。わが国の積雪域は現在の気候下では季節雪氷圏であり、氷久雪氷圏の極域雪氷の諸現象との相違も大きいが基礎観測としてほぼ十分な成果をあげることができた。
著者
榎本 浩之 東 久美子 亀田 貴雄 藤田 秀二 本山 秀明
出版者
日本雪氷学会
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.405-414, 2002-07-15

日本雪氷学会の極地雪氷分科会の将来計画に関するワーキンググループにおいて,次期の南極観測計画について検討を行った.観測計画は2002年よりの観測開始にむけて準備が進んでいる.研究課題の概要について報告する.<BR>地球規模の環境変動の研究という視点から南極観測を見直し,優先して推進すべき研究課題の調査を行なった.その中から雪氷研究プロジェクトとして推進するのが望ましい課題の抽出,より良い観測体制などについて検討した.優先すべき研究課題として i)過去70~80万年間の気候変動及び氷床形成史に関する研究,ii)堆積環境,氷床変動に関する研究・過去数百年の環境変動の研究,iii)氷床への物質の堆積及び蓄積機構の研究,iv)氷床内部構造の研究,を推薦し,「氷床―気候系の変動機構の研究観測」として極地研究グループに提言した.