著者
米山 美智代 八塚 美樹 石田 陽子 新免 望 原 元子 松井 文
出版者
富山大学看護学会編集委員会
雑誌
富山大学看護学会誌 (ISSN:13441434)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.27-35, 2007-03
被引用文献数
3

「フットケア」とは足浴,爪きり,マッサージ,ツボ押しなどの総称で,その言葉は既に我が国でも一般的であり,足の健康への関心は高まりつつある.医療分野における「フットケア」の意義や有効性に関する研究が伸展しつつあるが,健康人を対象とした研究は少なくさらに生活習慣との関連をみた研究は皆無である.そこで,健康な大学生を対象として実態調査を行い,生活習慣と足のトラブルやフットケアの関連を明らかにする目的で本研究を行った.同意が得られた大学生623名に対し,独自に開発したアンケート調査を実施し,439名(70.4%)から有効回答を得た.その結果,足のトラブルを訴える者は女性226名(85.0%),男性87名(50.0%)で女性に有意に足のトラブルを訴える者が多かった.特に,「冷え」147名,(55.3%)「むくみ」131名(49.2%),「靴擦れ」95名(35.7%)が多く,足にマニキュアをしている者やパンプスなど先の尖った靴を履く者に足のトラブルの発生率が有意に高かった.また,足マッサージ,爪の手入れ,指圧等の足の手入れを行なっている者は,全体で238名(54.5%)おり,足にトラブルをもつ者と有意に関連があったが,フットケアに関する読み物への関心は97名(22.2%)と低かった.今後,足の観察,適切な爪の切り方や手入れの知識と技術等フットケアの専門家の育成,医療スタッフに対するフットケアの必要性と方法の教育を含めた健康人へのフットケアに関する健康教育に必要性が示唆された.
著者
米山 美智代 八塚 美樹 石田 陽子 新免 望 原 元子 松井 文
出版者
富山大学看護学会編集委員会
雑誌
富山大学看護学会誌 (ISSN:13441434)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.27-35, 2007-03

In this research, the present status of the foot trouble and its care was analyzed through the answers on college students questionnaires obtained from 447 healthy college students (270 and 177 students were female and male, respectively). Among the responders, as much as 321 students (71.8%) answered to have some symptom on their feet. As the foot symptoms cold senoation and swelling were cited most frequently (55.3% and 49.2%, respectively).Furthermore, 249 students (53.4%) also answered to have some lesion or injury in their feet.Among the foot lesions such as the shoe sore (26.1%), wounds (16.2%), rolled nails (12.3%), and hallux valgus (7.8%) was the most popular. It is noteworthy that both foot trouble and lesion are appeared more frequently in female students than male ones.Incidence analys is showed a tendency that the students with the foot trouble have manicure in their feet nails and prefer to sharp-toed shoes such as pumps compared with the students without it. To maintain or improve the foot condition, 249 students (54%) were performing certain foot care such as massage and fiuge-pressure treatment either by themselves or specialists. Particularly, its performing rate was significantly high in the students with foot trouble than the students without it. These data indicate that foot troubles are more popular in felnale students than male ones, and the considerably number of such felnale students look up on the fashionability as important and thereby are performing foot care.However, the number of students who have a habit to read books and articles about foot care was only 99 (22.2%), suggesting that foot care might be a matter of little concern among the responders at the present tune. In summary, it should be emphasizod that education of medical stuff about this iesue as weu as establishment of care system in the facilities are required, because the foot trouble and injury has potential leading to a serious health problem. Foot care.
著者
八塚 美樹 和田 重人 原 元子 松井 文 駒井 希望 安田 智美 吉井 美穂 田澤 賢次
出版者
Japanese Society for Thermal Medicine
雑誌
日本ハイパーサーミア学会誌 (ISSN:09112529)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.231-236, 2005-12-01 (Released:2010-01-29)
参考文献数
9
被引用文献数
4 6

遠赤外線温熱療法は, 免疫賦活作用を有する癌治療法として, 今改めて注目されている.その特徴は相補・代替医療の特徴を備え, 西洋医学単独では解決しえない病態や未病への治療となる新たなる領域である.そこで, 今回, 肩こり, 不眠, 冷え等の体調の不良を訴える人を対象に, 遠赤外線温熱刺激による効果を, 気分プロフィール尺度 (POMS) を用いて心理的側面の変化から検討した.結果として, 温熱刺激により「抑うつ-落ち込み」, 「怒り-敵意」, 「混乱」においてPOMS評点の有意な低下, 「緊張-不安」, 「疲労」の低下傾向が認められ, 温熱刺激が心理的側面に影響を与えることが示唆された.
著者
山崎 孝 伊藤 直之 石田 登貴代 三谷 孝之 菅野 智也 中川 哲朗 松井 文昭 増田 真代 加畑 昌弘 大谷 尚之 堀 秀昭 山門 浩太郎
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, 2007-04-20

【目的】甲子園大会でのメディカルサポートを皮切りに、高校野球地方大会において各県士会でのメディカルサポートの取り組みが報告されている。しかし、中学生を対象としたサポート報告は少ない。今回福井県理学療法士会は、中学ボーイズリーグの大会期間中に選手のメディカルチェックを実施し、スポーツ障害予防の啓蒙活動を試みたので報告する。<BR>【方法】大会は日本少年野球連盟公認の福井大会で北陸・東海・関西地区から28チーム、906名の選手が参加した。平成18年7月22日~24日に行われ、試合会場は初日が10会場、2日目は4会場であった。サポートは初日と2日目の土・日曜日に、1会場で実施した。その会場で試合があるのは初日が6チーム、2日目が4チームで、メディカルチェックは当日に希望があったチームに試合の合間を利用して実施した。今回サポートに参加したPT は福井県アスレチックリハビリテーション研究会に参加しているPTで、初日9名、2日目13名であった。メディカルチェックの実施項目について、握力測定はOG技研社製デジタル握力計にて行い、肩関節外旋・内旋筋力は2nd肢位にてアニマ社製ミュータスF-1を用いて測定した。ROMは肩関節2nd内旋・外旋、肘関節屈曲・伸展、前腕回内・回外、SLR、股関節内旋の可動域とし、ゴニオメーターを用いて5°単位で両側測定した。FFD、上体おこしは1cm単位で測定し、腸腰筋と大腿四頭筋のタイトネスの有無と、しゃがみ込み動作の可否を調査した。実施方法は筋力・上肢ROM・下肢ROMの3セッションにPTを配置し、所要時間の短縮を図った。選手には測定中に値を伝え、投球側に機能低下がみられた場合は投球障害との関連性について説明し、測定後に集団でストレッチ指導を行った。また、大会参加全チームにストレッチ方法を記載した冊子とオーバーユースによる投球障害ついて説明したリーフレットを開会式の日に配布した。<BR>【結果】1.メディカルチェックを実施できたチーム数は初日4チーム、2日目が2チームで、両日での選手数は76名であった。2.メディカルチェックの結果では肩関節内旋(投球側38°、非投球側56°)、肘関節屈曲(投球側144°、非投球側148°)、肘関節伸展(投球側0°、非投球側4°)、前腕回内(投球側81°、非投球側88°)の可動域が非投球側に比べ、投球側が有意に低下していた。また、投球側の肘関節に-5°以上の伸展制限のある選手が26%にみられ、その半数は投手であった。<BR>【考察】選手・指導者・父兄が多く集まる大会期間中を利用してスポーツ障害予防の啓蒙を行った。甲子園出場を目指して中学から硬式野球をしている選手の4人に1人の割合で投球側の肘関節拘縮がみられていた。これは少年期からのオーバーユースが原因と考えられるため、少年期からの投球障害予防の啓蒙が求められる。今後はスタッフ数を増員し、より多くのチームに啓蒙していくことが課題である。<BR><BR><BR><BR>
著者
中村 徹 近藤 寛 松井 文彦 木村 亮太 酒井 秀樹 阿部 正彦 太田 俊明 松本 睦良
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OME, 有機エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.174, pp.67-70, 1999-07-14

新規チオール化合物である2-メルカプトメチルチオフェン類縁体を合成し、Au(111)上に自己組織化膜を作製し、その構造を走査型トンネル顕微鏡(STM)により検討したところ、これらの化合物には筋状の構造体と蜂の巣状の構造体を形成することが判明した。分子長を変化させても形成する構造体の周期は変化しなかったことから、直線状の2-メルカプトメチルチオフェン誘導体は金状でflat-onではなく、表面に対してある角度で立って吸着していることが示唆された。さらにこの構造体の形成因子を探るため、芳香環、置換基を変化させ、そのナノ構造を調べたところ新しい知見を得ることができた。
著者
大門 寛 松井 文彦 松田 博之
出版者
奈良先端科学技術大学院大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2008

新しく発明した立体光電子顕微鏡(楕円メッシュ二次元分析器)を完成して、試料の拡大像を観測し、微小領域だけからの二次元光電子分光を行ない、微小領域の電子状態と原子構造を立体的に詳しく観測することを目的としている。放射光施設(SPring-8)にて光電子を用いた性能評価実験を行い、0.2%という高いエネルギー分解能、25ミクロンという顕微鏡の分解能、±50度までの放出角度分布を確認し、微小グラフェン試料からの光電子回折実験にも成功し、目的の性能が達成された。
著者
松井 文 佐久間 美江 筒口 由美子
出版者
富山大学
雑誌
富山医科薬科大学看護学会誌 (ISSN:13441434)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.127-135, 2002-04

本研究では, 富山県の自殺率急上昇の要因を明らかにすることを目的とし, どのような自殺予防対策が効果的であるかを考察した.対象は富山県の自殺率を引き上げていると思われる中高年男性に絞り, 中高年男性の持つ特性, 社会情勢, 富山県の県民性の3つの側面から, 既存の研究報告を参考にして分析した.その結果, 富山県の中高年男性は既存のうつ病の病前性格には当てはまらないが, 職場主義・実力主義などの近年の不況では苦しい精神状態に立たされやすい県民性を持つことがわかった.それが, 危機に陥りやすい中高年期の特性とあいまって, うつ病を発症しやすく, そのため, 自殺に至りやすいということがわかった.よって, 富山県の中高年男性に対する自殺予防対策としては, 職場での精神保健対策を充実させることが効果的であることが示唆された.