著者
友部 博教 松尾 豊 武田 英明 安田 雪 橋田 浩一 石塚 満
出版者
社団法人 情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, pp.1470-1479, 2005-06-15
被引用文献数
7

Web上では,あらゆる人があらゆるトピックについて何でも書くことができる.セマンティックWebでは,情報の信頼性をWeb of trustにより計算することが重要な技術である.我々はこれまで,研究者の協働関係ネットワークをWeb上の情報から抽出する研究を行ってきた.本論文では,Webから抽出した情報を用い,人の関係性をセマンティックWebの枠組みの中で記述できること,得られたネットワークの中心性の解析をすることで,コミュニティにおける著名な人物が分かること,それが信頼性につながる別の尺度と相関していることを示す.セマンティックWebにおいて,人のネットワークを情報の信頼性の計算に用いる1つの新しい方法を提案していると考えている.Anyone can say anything about anything on the Web. In the context of Semantic Web, it is important to caluculate the trust of information based on "Web of Trust." We have developed an automatic extraction system of a social network among researchers from the Web. In this paper, we describe that the extracted relation is useful for human relation description in the context of Semantic Web. Moreover, we can extract the central persons in a community by analizing the network centality. Centrality measures are used as a surrogate of trust degree. Our approach shows an overall architecture to calculate the trust of information based on a social network.
著者
古川 忠延 松尾 豊 大向 一輝 内山 幸樹 石塚 満
出版者
Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics
雑誌
知能と情報 : 日本知能情報ファジィ学会誌 : journal of Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.557-566, 2009-08-15
被引用文献数
1

ブログ上では日々コンテンツが更新されては,他のブロガーを巻き込んでの議論が行われている.本稿ではブログにおけるこうした話題伝播を解析することによる話題語の判別手法を提案する.ブログにおける話題伝播が語とブロガーの影響力によって起こるという仮説の下で,ブログ間の話題伝播を表現する行列を特異値分解することによって,それぞれの影響力を算出し,強い影響力を持つ語を重要語と判別するものである.本手法により,多くのブログ上で突発的に盛り上がる話題だけでなく,嗜好の類似したブロガー間で継続的に言及されている話題の抽出をすることが可能である.
著者
岡 瑞起 松尾 豊
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.1-8, 2010 (Released:2010-01-06)
参考文献数
17
被引用文献数
2

Measuring the weight of the relation between a pair of entities is necessary to use social networks for various purposes. Intuitively, a pair of entities has a stronger relation than another. It should therefore be weighted higher. We propose a method, using a Web search engine, to compute the weight of the relation existing between a pair of entities. Our method receives a pair of entities and various relations that exist between entities as input. It then outputs the weighted value for the pair of entities. The method explores how search engine results can be used as evidence for how strongly the two entities pertain to the relation.
著者
篠田 孝祐 松尾 豊 中島 秀之
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 : 日本知能情報ファジィ学会誌 : journal of Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.410-422, 2008-06-15
被引用文献数
1

ネットワークの中心性とは,ネットワークにおけるノードやリンクの重要性を表わす指標である.ネットワーク分析では,いくつかの代表的な尺度が用いられている.これまでに,著者らは単一の中心性を合理性の基準とし,ネットワークの形成過程をシミュレートするモデルを提案した.しかし,形成可能なネットワークが限定的であること,現実のネットワークの分析への利用が難しいことなどの問題があった.本論文ではモデルを拡張することで,形成可能なネットワークを広げ,現実のネットワーク分析への応用を試みる.具体的には,エージェントとしてのノードが,ネットワークの形成に参画する際,追加するリンク候補を評価するときの合理性の基準を,単一の中心性ではなく,複数の中心性を属性とする多属性効用とした.提案モデルにおいて生成可能なネットワークの特徴の分析を行ない,現実のネットワークへの適用を試みた結果,ネットワークを構成する主体の合理性をその構造的特徴から推定できることを示した.本論文は,新たなネットワーク分析の手法の可能性を示していると考えている.
著者
中島 秀之 橋田 浩一 松尾 豊
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.31-38, 2007 (Released:2008-12-15)
参考文献数
14

Information technology (IT) is now mature enough to be applied to our societal systems. Altough IT has potential to change our life in a drastic manner, it is not recognized by many. Researchers on IT on the other hand have little interest in designing new societal systems. Even when they do, they lack knowledge of the real world and human. Collaboration with cognitive science as well as social science is called for.
著者
唐門 準 松尾 豊 石塚 満
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.473, pp.73-78, 2007-01-16

Webをはじめとして実世界の多くのデータは関係構造を持っており,エンティティの間にさまざまな関係が存在する.しかし分類や回帰などのタスクを考える際にはこういった関係情報が使われることは少ない.また実際に使われる場合でも,人手を介した何らかの直観によって関係に関する情報を属性にうまく加工するという方法が取られる.そこで本研究では,データの関係構造を使って適切な属性を生成する方法を提案することを目標とする.本稿ではその方向性の検討,および論文データを使った簡単な予備実験の結果を報告する.特に本研究では同種のエンティティの関係性に着目する.同種のエンティティの関係は,社会ネットワーク分析や複雑ネットワークの研究で最近,特に着目されているものであり,その関係を統合的に(ネットワーク的に)扱うことで有用な属性生成が可能ではないかというのが本研究の着眼点である.