著者
那須野 薫 松尾 豊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.338, pp.25-28, 2013-11-27

2013年参議院選挙において国政選挙として初めてインターネット選挙運動が解禁された.情報拡散による有権者への認知度向上や働きかけの機会増加などを狙い,多くの候補者がマイクロブロギングサービスのTwitterを選挙運動に利用した.本稿では,Twitterにおける候補者アカウントの状態や情報拡散に焦点を当て当選者の予測を試みる.Twitterから直接取得できる6つのアカウントの状態に関する素性(フォロワー数,フレンド数選,挙期間中のツイート数など.以下,素性A)に加え,本稿で提案する3つの情報拡散に関する素性(情報拡散の大きさ,多様度,忠誠度.以下,素性B)を用いて教師あり学習のRandom Forestにより当選者を予測する.予測実験の結果,素性Aと素性Bを同時に利用した予測では,素性Aのみを利用した予測より予測性能(F値)が約12%向上した.また,各素性の予測への重みや選挙当落との相関から,当選するためのTwitterにおける望ましい状態が示唆された.
著者
巣籠 悠輔 大澤 昇平 松尾 豊
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.744-752, 2015-02-15

近年,ビジネスの現場において,ソーシャルネットワークサービス(SNS)を人脈構築に利用するケースが増加してきている.特に,人脈形成に特化したSNSはビジネスSNSと呼ばれる.ビジネスSNS上での人脈の構築は,新規顧客開拓や転職先の確保など,何らかの効用を得ることを目的として行われるのが一般的である.ここでいう効用とは,地位や収入などのステータスが高い人と知り合いであることによって,よい取引に一緒に参加する,何か自分の身に不都合が生じた際に助けを求めることができたり,転職などにおいて自分に有利な情報を得ることができたりするなどの経済的なメリットを得られることを指す.人脈の持つ性質として,人脈の維持に時間的な制約が存在することから,1人の人物が持てる人脈の量に限りがあることがあげられる.また,人脈から獲得できる効用は必ずしも一定ではなく,時間軸に沿って変動する.そのため,人脈の構築は期待効用とリスクという2つの尺度に沿って行う必要がある.本研究では,期待効用とリスクの2つの尺度から人脈の最適化を行うことを目的とし,金融工学の理論の1つである現代ポートフォリオ理論をビジネスSNS上の人脈に適用する枠組みについて提案する.また,本研究はビジネスSNSの1つであるWantedlyのデータに対して実験を行い,クラスタ係数の大きな人脈ほど,リスクが高く最適ポートフォリオから乖離していることを示す.
著者
那須野 薫 萩原 静厳 井上 綾香 伊藤 岳人 浜田 貴之 川上 登福 松尾 豊
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.29, 2015

教材推薦において学習行動だけでなく学習項目の理解度を考慮することが重要である.しかし,近年注目を集めている大規模オンライン講座では利用教材の選択は学習者に委ねられるため,テストの結果から統一的,網羅的に理解度を評価することは難しい.本研究では,大規模オンライン講座において自分自身で適応的に利用教材を選択する学習者に着目し,ある教材を勉強した場合にその内容を十分理解できるか否かの予測を試みる.
著者
金 英子 松尾 豊 石塚 満
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.48-57, 2007 (Released:2007-01-05)
参考文献数
28
被引用文献数
3 6

Social relation plays an important role in a real community. Interaction patterns reveal relations among actors (such as persons, groups, companies), which can be merged into valuable information as a network structure. In this paper, we propose a new approach to extract inter-business relationship from the Web. Extraction of relation between a pair of companies is realized by using a search engine and text processing. Since names of companies co-appear coincidentaly on the Web, we propose an advanced algorithm which is characterized by addition of keywords (or we call relation words) to a query. The relation words are obtained from either an annotated corpus or the Web. We show some examples and comprehensive evaluations on our approach.
著者
中村 嘉志 並松 祐子 宮崎 伸夫 松尾 豊 西村拓一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.1349-1360, 2007-03-15
被引用文献数
13 8

本論文では,位置センサや方向センサを用いなくても,方向に関連付けられた赤外線タグを複数利用することで,人やモノなどのオブジェクトのトポロジカルな二次元の位置関係および向き関係を推定できる手法を提案する.実世界における人を対象とした状況依存型システムでは,人やモノの位置関係をいかにして手軽に取得するかが重要な課題の1 つである.特に人は,何らかの意図や意味があってそこにいるため,位置や向き関係の情報はその人の状況を反映していることが多い.とりわけ向き関係の情報は,向き合っているのかそれとも背中合わせなのかによって同じ位置関係にあっても意味が異なるように,人対人や人対モノの関係において位置関係だけでは困難なより詳細な状況を反映すると考えられる.そこで本論文では,実世界でのオブジェクトの向き関係に着目し,それらから空間全体でのオブジェクトの位置および方向を推定する新たな手法を提案する.計算機シミュレーション実験と試作システムの実機実験を通じて,本手法が位置および向き関係を実世界において推定できることを示す.This paper proposes a method for estimating an object's two-dimensional (2D) position and orientation based on topological information collected using infrared tags without any special location sensors or direction sensors. Estimating a user's location and articles irrespective of circumstances is an important issue for context-aware systems. Because users are present in a location with some purpose or intention, a user's position and orientation clearly reflect their context. Especially, orientation information can reflect a more detailed context than that obtained merely according to the location: people standing face-to-face or back-to-back would have vastly different contexts. In this paper, we particularly examine an object's orientation and describe a new method for estimating an object's position and orientation in an indoor, real-world environment. With a simulation and an implemented prototype system, the experimental results demonstrate the feasibility of our estimation method.
著者
保住 純 飯塚 修平 大澤 昇平 中山 浩太朗 高須 正和 嶋田 絵理子 須賀 千鶴 西山 圭太 松尾 豊
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.27, 2013

世界各国のコンテンツ消費トレンドを統一的に把握するプラットフォームを構築するための、Web上のデータマイニングで得られる情報から消費トレンド指数を算出するシステムの設計手法を提案し、その精度を検証する。具体的には検索エンジンやTwitter、Wikipediaのページ情報を素性に用いた、日本のマンガ消費のトレンド指数を6ヶ月先まで予測するシステムを設計し、その精度の検証を行う。
著者
宮崎 邦洋 大知 正直 米良 はるか 松尾 豊
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.27, 2013

近年、ウェブ上で不特定多数の人に資金提供を呼びかけるクラウドファンディングというサービスが普及しつつある。しかし、資金獲得の要因分析はあまり行われていない。本研究では資金獲得に寄与しているプロジェクトの要因を明らかにすることで、プロジェクト達成率向上を目指す。クラウドファンディングが普及することは、人々が自らの善意に従って行動できるようになることにつながる。
著者
飯塚 修平 松尾 豊
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

ウェブサービスを成長させる手法として,ユーザの反応の違いからパフォーマンスの高いウェブページのパターンを発見するウェブページ最適化が注目を集めている.簡単に実践できる手法である一方,小規模なウェブサイトでは実験のために十分なデータを集めるまでに時間がかかってしまうという欠点がある.そこで本研究では,訪問者数が少ないウェブサイトでも高速に最適なパターンを発見することができる最適化手法を提案する.
著者
丸井 淳己 加藤 幹生 松尾 豊 安田 雪
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.72, pp.553-554, 2010-03-08
参考文献数
2
著者
渡部 啓吾 Danushka BOLLEGALA 松尾 豊 石塚 満
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.23, no.5, pp.739-748, 2011-10-15 (Released:2012-01-11)
参考文献数
15

クエリー拡張や類似検索など,さまざまな情報検索のタスクにおいて,関連語が登録されているシソーラスは必要不可欠な言語資源である.人手で作られたシソーラスであるWordNet やロジェのシソーラスを使っている情報システムは多数存在するが,関連語シソーラスを人手で構築または更新する作業は大変コストがかかるだけでなく,新語や既存の単語の新たな使い方をカバーできないという問題がある.本論文ではウェブを膨大なテキストコーパスとみなし,検索エンジンを通して関連語を抽出するための手法を提案する.提案手法では,ウェブ検索エンジンから得られるスニペットを用い,効率良く関連語を抽出することができる.

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著者
早野 龍五 堀 正樹 中村 栄一 松尾 豊 松永 典之 長尾 敬介
出版者
東京大学大学院理学系研究科・理学部
雑誌
東京大学理学系研究科・理学部ニュース
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.10-13, 2011-11

反物質に新たな光を当てる/目に見えるようになった金属原子の触媒作用/銀河系の中心に灯台となる変光星を発見!/太陽風と宇宙線を浴びた「はやぶさ」粒子
著者
松尾 豊 MATSUO Yutaka 安田 雪 YASUDA Yuki
出版者
人工知能学会
巻号頁・発行日
2007-11-01

Our purpose here is to (1) investigate the structure of the personal networks developed on mixi, a Japanese social networking service (SNS), and (2) to consider the governing mechanism which guides participants of a SNS to form an aggregate network. Our findings are as follows:the clustering coefficient of the network is as high as 0.33 while the characteristic path lenght is as low as 5.5. A network among central users (over 300 edges) consist of two cliques, which seems to be very fragile. Community-affiliation network suggests there are several easy-entry communities which later lead users to more high-entry, unique-theme communities. The analysis on connectedness within a community reveals the importance of real-world interaction. Lastly, we depict a probable image of the entire ecology on mixi among users and communities, which contributes broadly to social systems on the Web.
著者
松尾 豊 福田 隼人 石塚 満
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.203-211, 2003 (Released:2003-05-20)
参考文献数
14
被引用文献数
1 1 5

We develop a browsing support system which learns user's interests and highlights keywords based on a user's browsing history. Monitoring the user's access to the Web enables us to detect ``familiar words'' for the user. We extract keywords at the current page, which are relevant to the familiar words, and highlight them. The relevancy is measured by the biases of co-occurrence, called IRM (Interest Relevance Measure). Our system consists of three components; a proxy server which monitors access to the Web, a frequency server which stores frequency of words in the accessed Web pages, and a keyword extraction module. We show the effectiveness of our system by experiments.
著者
金 英子 Lin Ching-Yung 松尾 豊 石塚 満
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

実世界のネットワークの本質は動的に変化する。企業は、他の企業と提携・合併・買収などを続けることで、これらの関係から正と負の影響を受けている。その結果、企業の価値は変わっていく。本研究では、Web上に公開されているニュース記事から、変化する企業のネットワークを自動的に抽出する。そして、動的ネットワークから企業の価値に影響を与える構造的要素を分析し、企業の価値を予測する。
著者
和泉 潔 松尾 豊
出版者
独立行政法人産業技術総合研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

テキストマイニングによる動向分析手法の開発、人工市場シミュレーションソフトウェアの開発、実データによるシステム評価の3つの研究要素について、当該研究期間において下記の研究実績が得られた。以下の内容について海外および国内の学術誌での研究成果の発表を行った。本分野の発展および人事養成のため、新規国際および国内研究集会の設立に貢献した。1.テキストマイニングによる動向分析手法の開発:経済新聞記事データを用いて、テキストマイニング(関連用語のカテゴリ分類、各単語やカテゴリの頻度及び共起関係の分類)を実行して人工市場シミュレーションの入力データを作成するプログラムを構築した。分析手法の性能評価のために、国際金融情報センターの発行した解説記事による経済動向分析を行った。同じテキストデータで金融関係者が判別した結果と比較したところ、訓練データに対する正答率のテストでは平均92.2%、外部データに対する交差検定テストでは平均71.9%の高い精度を示すことができた。2.人工市場シミュレーションソフトウェアの開発経済動向分析結果を入力として受け取る人工市場シミュレーションを行うプログラムの作成を行った。テキストマイニングプログラムと連携し統合的なシミュレーションを行うためのデータ連携手法を開発した。実際のテキストデータと市場データを用いて実証実験を行った結果、100試行の平均で約67%の価格変動をシミュレーションにより再現することに成功した。3.実データによるシステム評価前述のテキストマイニングプログラミングと人工市場シミュレーションを統合した意思決定支援システムを構築した。システム評価のために実際のテキストデータと市場データを用いて、市場安定化のための行動方略を提示させたところ、実際の市場価格の分散を70%以上低減することができる方略を示すことができた。
著者
丸井 淳己 加藤 幹生 松尾 豊 安田 雪
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.24, 2010

今や主要なウェブサービスの一つとなったSNSには非常に大規模な人間関係が構成され,社会的な重要性が増し続けている.我々はmixiのリンク構造とアクセスログを調査し,基礎的な性質を示すと共に年代による人間関係の違いを明らかにした.次にリンクのクラスタリングを行い5種類の人間関係に分類した.さらに5種類の共起具合をNetwork motifを用いて計算し,情報の流れるパスの局所的な性質を明らかにした.