著者
萩原 綾希子 小田 浩之 牧野 綾 合田 由紀子 松山 茂子 長尾 知哉
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.323-326, 2020-10-25 (Released:2020-10-28)
参考文献数
11

症例は虫垂がん,腹膜転移根治術後の20歳代女性で,2年4カ月間明らかな再発を認めなかった.治療過程でフェンタニル口腔粘膜吸収剤[以下,OF(oral fentanyl)]を使用していたが,次第に回数が増加し,800 μg/回のOFを1日に10回以上使用するようになった.OF処方を過剰に要求し,希死念慮も出現したため入院管理下に減量・中止が計画された.1,800 μg/日まで減量されたが,それ以上の減量が困難となったため,薬剤調整目的に当院に紹介となった.精神科病棟に入院させ,本人の同意を得てOFをメサドン10 mg/日へ置き換えた.当初はOF使用を強く要求したが,クエチアピンの投与やスタッフによる支持的精神療法を行ううちに要求は減少した.入院15日目にはブプレノルフィン貼付剤に切り替え,25日目にオピオイド使用を完全終了した.入院経過を通じて身体離脱症候は認められなかった.OFの断薬には,精神療法・支持療法とともにメサドン・ブプレノルフィンへの切り替えが有効であった.

1 0 0 0 麦酒醸造学

著者
松山茂助著
出版者
東洋経済新報社
巻号頁・発行日
1970
著者
鈴木 亮 前迫 ゆり 松山 茂
出版者
植生学会
雑誌
植生学会誌 (ISSN:13422448)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.101-107, 2020

<p>本研究は,長期間シカの採食を受ける環境において,不嗜好植物クリンソウ個体群に対するシカ採食圧の程度を,防鹿柵を用いた野外実験で評価した.2年の野外実験の結果,柵外の全調査個体は葉が採食を受け地上部が消失した.一方,柵内個体は全て生存し,花茎が柵外まで伸長したのにも関わらず,花茎への採食は確認されなかった.次に,ガスクロマトグラフィーを用いてクリンソウ内の主要な化学物質の抽出と同定を試み,その化学物質濃度の地域差(シカ高密度地域と低密度地域)および器官差を比較した.その結果,フラボンが主要物質として検出され,その濃度は葉に比べて花で有意に高かったが,地域間の差はわずかであった.これらの結果から,フラボンは繁殖器官の防衛に寄与している可能性があるが,本研究の結果からはフラボンがシカにとって有毒であると断定はできなかった.今後は他の不嗜好植物への採食の程度や,シカが植物の化学防衛を克服するメカニズムについても明らかにする必要がある.</p>
著者
松山 茂麿
出版者
社団法人日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.8, no.11, pp.1255-1256, 1956-10-01

1907年Harrisonによつて始められた組織培養は,その後Fischer, Carrel,木村等によつて術式も改良されて多方面に亙つて研究され,我國でも木村門下その他諸氏の數々の業績が見られる.子宮頸癌の組織培養についても堀・江崎,成田,上野,榊原等がCarrelの懸滴法で固形培地を用いて子宮頸癌組織を培養し,その發育増殖の状態を観察している.Morre (1952, 1955)は子宮頸部組織を培養して,惡性病變は比較的増殖し易いが良性病變は比較的増殖し易いが良性病變増殖し難いと發表した. 私は短冊状硝子上培養法及びGey(1933, 1936)の考察したroller tube法で子宮頸部組織を培養し,病理組織学的に色々議論されている上皮内癌の診斷の補助とする爲,定型癌や糜爛,正常組織について下記實驗を行つた.
著者
山内 啓太郎 吉田 真太郎 長谷川 晃久 池田 明弘 張 奎泰 松山 茂実 西原 真杉 宮澤 清志 高橋 迪雄
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.905-909, 1995-10-15
被引用文献数
5

ウマ卵巣より作出したcDNAライブラリーより, ウマインヒビンαサブユニット前駆タンパク質をコードするcDNAを単離した. ラットインヒビンαサブユニットcDNAの配列を基にプライマーを設計し, ラット卵巣RNAを用いたRT-PCR法によりスクリーニング用のプローブを作製した. 1.2×10^5個のプラークより19個の陽性クローンが得られた. そのうちの一つ(Eq-α-11)は, 367個のアミノ酸をコードする完全長のタンパク質翻訳領域を含んでいることが確認された. cDNAの塩基配列より推定されるウマインヒビンαサブユニット前駆タンパク質及び成熟タンパク質のアミノ酸配列は他の6種類の哺乳動物 (ウシ, ブタ, ヒツジ, ヒト, ラット, マウス) のものと比較して80%以上の相同性を有していた. ノーザンブロット法によりウマ卵胞及び精巣に存在するインヒビンαサブユニットmRNAのサイズは1.5 kbであることが判明した.