著者
犬塚 慎也 松崎 拓也 佐藤 理史
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第31回全国大会(2017)
巻号頁・発行日
pp.3O15, 2017 (Released:2018-07-30)

大学入試センター試験「数学」の整数問題に対して自動解答するシステムを開発した。数量を求める問題において限量子除去は強力なツールだが、整数領域の一階述語論理式は一般には限量子除去が不可能である。そのため、特殊な述語を用意して、テキストに表れている問題を解く上での手がかりが失われないような中間表現を設計し、発見的な手法を用いた限量子除去を効果的に行えるようにした。
著者
藤田 彬 松崎 拓也 登藤 直弥 新井 紀子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.366, pp.17-21, 2014-12-16

機械翻訳器の日常会話翻訳に対する性能を評価する試みについて紹介する.前もって日本語に機械翻訳された英語の対話文完成問題を被験者が解き,その得点を用いて翻訳器の外的な評価を行った.300名超の被験者を集めた大規模な調査により,評価対象とした翻訳器のうち一つが「人間が文脈を考慮せずに行った翻訳」と同等の性能を有することが明らかになった.本発表では,この調査の内容及び結果を詳述するに加え,一般的に用いられる内的な評価(自動・手動)との比較結果を紹介する.また,人間の対話理解において重大な障害をもたらす翻訳誤りとそうでない誤りを分類し,定量的に分析した結果を報告する.
著者
吉田 達平 松崎 拓也 佐藤 理史
雑誌
研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:21888779)
巻号頁・発行日
vol.2016-NL-225, no.2, pp.1-9, 2016-01-15

高校化学の計算問題の自動解答システムの開発を行った.システムではまず問題文に対する言語処理を行い,問題の意味を表す中間表現を生成したのち,計算処理を行い解答を導出する.本稿では特に前半の言語処理に関して,係り受け解析誤りの修正と,ゼロ代名詞のような省略された要素の検出について報告する.これらは非文法的なパターンを検出するヒューリスティクスと,高校化学分野に対する簡易的なオントロジーに基づき選択制限を記述した格フレーム辞書を用いて行う.
著者
松崎 拓也 横野 光 宮尾 祐介
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.34-35, 2015-12-15

「ロボットは東大に入れるか」(以下,東ロボ)は国立情報学研究所を中心とする研究プロジェクトである.「東ロボ」では,大学入試試験問題を自動的に解くソフトウェアの開発を行っている.その狙いは,言語処理および人工知能関連技術を総ざらえし,統合的な知的処理課題をベンチマークとして今後10年の言語処理・AI関連技術の伸びしろと限界を見極めることにある.プロジェクトの公式目標は2016年度にセンター試験で高得点を獲得し,2021年度に東大合格レベルに到達することである.本稿では,物理および歴史の解答システムの結果を中心に,代々木ゼミナール主催のセンター模試を用いた解答システムの評価結果とその分析を紹介する.
著者
川添 愛 宮尾 祐介 松崎 拓也 横野 光 新井 紀子
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.27, 2013

コンピュータによる世界史問題への解答、特に自然言語文の選択肢の真偽を判断する問題への解答を支援する世界史オントロジーを紹介する。このオントロジーでは、イベントの成立に関わる諸条件を記述することにより、、高校レベルの世界史の知識と常識的な判断能力を持つ人間ならば必ず「ありえない」と判断するようなイベントを記述した偽文を、コンピュータが「偽」と判定できるようにすることを目指す。
著者
辻井 潤一 米澤 明憲 田浦 健次朗 宮尾 祐介 松崎 拓也 狩野 芳伸 大田 朋子 SAETRE Rune 柴田 剛志 三輪 誠 PYYSALO SAMPO Mikael 金 進東 SAGAE Kenji SAGAE T. Alicia 王 向莉 綱川 隆司 原 忠義
出版者
東京大学
雑誌
特別推進研究
巻号頁・発行日
2006

本研究は、文解析研究で成功してきた手法、すなわち、巨大な文書集合を使った機械学習技術と記号処理アルゴリズムとを融合する手法を、意味・文脈・知識処理に適用することで、言語処理技術にブレークスルーをもたらすことを目標として研究を遂行した。この結果、(1)言語理論に基づく深い文解析の高速で高耐性なシステムの開発、(2)意味・知識処理のための大規模付記コーパス(GENIAコーパス)の構築と公開、(3)深い文解析の結果を用いた固有名、事象認識などの意味・知識処理手法の開発、(4)大規模なテキスト集合の意味・知識処理を行うためのクラウド処理用ソフトウェアシステムの開発、において世界水準の成果を上げた。(2)で構築されたGENIAコーパスは、生命科学分野でのテキストマイニング研究のための標準データ(Gold Standard)として、国際コンペティション(BioNLP09、BioNLP11)の訓練・テスト用のデータとして、採用された。また、(1)の研究成果と機械学習とを組み合わせた(3)の成果は、これらのコンペティションで高い成績を収めている。また、(1)と(4)の成果により、Medlineの論文抄録データベース(2千万件、2億超の文)からの事象認識と固有名認識を数日で完了できることを実証した。その成果は、意味処理に基づく知的な文献検索システム(MEDIE)として公開されている。
著者
川添 愛 宮尾 祐介 松崎 拓也 横野 光 新井 紀子
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

国立情報学研究所が推進する「人工頭脳プロジェクト―ロボットは東大に入れるか」について概説し,世界史問題の解答のためのオントロジーの利用について論じる。オントロジーの利用が必要な問題の具体例を示しつつ、言語処理タスクにおいて有効であるだけでなく、歴史オントロジー一般に求められる動的な変化、事物の生成と消滅、因果関係などの適切な記述も実現できるオントロジーの設計を、既存の研究との関連を交えて検討する。
著者
松崎 拓也 増田 勝也
出版者
国立情報学研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

構文解析など基本的な言語処理を施した大量のテキストデータを用いて、そこから必要な情報を動的に抽出することで種々の言語処理技術を高精度化することを目指し研究を行った。具体的な成果として、大規模半構造化データベースに対する高速な検索システムを開発し、それを応用した知的テキスト検索システムを実現した。また、大量テキストデータから動的に抽出した統計量を従来の解析モデルに統合する枠組みに関する基礎研究を、構文解析および共参照・照応解析を対象として行い、それぞれについて高精度な解析システムを実現するとともにテキストベースとの統合へ向けての知見を得た。