- 著者
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木部 暢子
松永 修一
岸江 信介
- 出版者
- 鹿児島大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2001
1、従来、言語地図は手作業により記号を一つ一つ押していく方法で作成されていたが、この研究ではパソコンのデータベースソフトを利用して、正確かつ効率的に言語地図を作成する方法を開発し、さらに、記号から音声の出てくる「声の言語地図」の作成を試みた。2、研究の遂行のために、次のような作業を行った。まず、南九州37地点(熊本県2地点、鹿児島県19地点、宮崎県16地点)の音声の特徴について調査し、基本単語約150語の発話をDAT(デジタルオーディオテープ)に収録した。収録した音声データは1単語ごとに編集しなおし、5,550(150単語×37地点)の音声ファイルからなる音声データベースを作成した。次に、この音声データベースを基にして「南九州言語地図」(記号言語地図)を作成した。この作業には岸江信介他(2000)「エクセルとファイルメーカープロを利用した言語地図の作成」の方法を用いた。最後に「南九州言語地図」の記号と音声データベースをリンクさせて、声の出てくる「南九州声の言語地図」を完成させた。なお、ファイルメーカープロが一般にはあまり普及していないソフトであることを考慮し、これをPDFファイル形式に置き換えることにした。3、その成果をまとめて以下の2種類の報告書を作成した。(1)『南九州声の言語地図』 (冊子版)(2)『南九州声の言語地図』 (CD-ROM版)4、研究の遂行にあたり、広く専門家の意見を乞うため、研究期間中に以下の発表を行なった。(1)「南九州地方における音声言語地図の開発と作成の試み」日本方言研究会第74回研究発表会(東京都立大学) 2002年5月(2)「声の言語地図」ネットワーク構想国語学会デモンストレーション(徳島大学) 2002年11月