著者
林 和弘 太田 暉人 小川 桂一郎
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.145-149, 2005-03-01
被引用文献数
2

日本化学会は1989年から英文論文誌の電子化に着手し, 試行錯誤の末, J-STAGEを効果的に利用した日本独自の電子ジャーナルを構築した。その結果は多くのアクセスによる読者数の増大と高い海外比率として現れ, 投稿数の増大につながっている。また, Chemistry Letters誌は一般化学雑誌としては, 受け付けてから公開まで世界最速の雑誌であることがわかった。本稿では日本化学会での英文誌電子ジャーナルの現状と, 有料公開に向けた取り組みについて紹介し, 日本発の学術情報流通発展させるための課題と考察について述べる。
著者
林 和弘 太田 暉人 小川 桂一郎
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.145-149, 2005
参考文献数
18
被引用文献数
2

日本化学会は1989年から英文論文誌の電子化に着手し, 試行錯誤の末, J-STAGEを効果的に利用した日本独自の電子ジャーナルを構築した。その結果は多くのアクセスによる読者数の増大と高い海外比率として現れ, 投稿数の増大につながっている。また, Chemistry Letters誌は一般化学雑誌としては, 受け付けてから公開まで世界最速の雑誌であることがわかった。本稿では日本化学会での英文誌電子ジャーナルの現状と, 有料公開に向けた取り組みについて紹介し, 日本発の学術情報流通発展させるための課題と考察について述べる。
著者
林 和弘 太田 暉人 小川 桂一郎
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.87-94, 2005
被引用文献数
5 7

日本化学会では1989年より2つの英文誌の電子化に取り組み,2002年よりJ-STAGEを利用した電子ジャーナルサービスを開始した。3年の無料公開を経て年100万件を超えるアクセスを得るに至ったので,2005年より電子ジャーナルの有料課金を開始した。その最新状況について,電子ジャーナルアクセス数,電子投稿・査読の導入による審査期間短縮効果,ならびに有料課金を導入する際の業務負担について紹介する。一方,日本の英文学術雑誌の抱える問題をこれまでの活動から考察し,学会のあり方と他組織との関連性について述べる。
著者
小林 和男 飯山 敏道 藤本 博巳 酒井 均 平 朝彦 瀬川 爾朗 古田 俊夫
出版者
東京大学
雑誌
一般研究(A)
巻号頁・発行日
1988

本補助金による2年度にわたる集中的な研究によって西南日本沖(南海トラフ陸側斜面)の海底湧水帯の位置が精密に同定され、その実態がはじめて詳しく解明された。シロウリ貝群集が湧水帯上に集中して生息することは1985年のKAIKO計画においてすでに推定され、世界の他海域(バルバドスやオレゴン沖)でも証拠が挙がっていたが、今回現場での海底下鉛直温度勾配測定によって1年数mに及ぶ湧出水がシロウリ貝群集直下の径1m程度の範囲に集中して存在することが明瞭に示された。この湧出水はやや、深部からもたらされたメタン、硫黄等を含み貝の生育を助ける共生バクテリアの餌となると共に、酸素に富んだ表層間隙水により酸化されて炭酸カルシウムをつくり、周囲の堆積物の間隙を埋めて堆積物を固結させる働きをすることがわかった。湧水帯が集中する海溝付加帯の変動前面(水深3800〜3600m)でも1m弱の軟い堆積物の下に固化した砂泥の存在が推定され、海底にもいくつかの堆積物チムニ-が顔を出していることが曳航テレビと潜水船で観察されて試料採取にも成功した。この地点では3ケ月にわたる地殻熱流量と海底電位差の連続測定が行われ、有意な時間変動を検出している。一方、変動前面の上方に当るバックスラスト域(水深2000m)では小さなシロウリ貝群集が発見されスラストに沿う小規模の湧水が推定されるが、それ以外の海底には貝殻を含む固結した堆積物が露出し侵食を受けていることが判った。前面域で堆積し固化したものがしだいに上方に押し上げられて一部が露出するがほとんど地層内にとり込まれて行く一連の過程が1地域で観察されたことになり、プレ-ト沈み込みに伴う海溝付加帯の生成と成長についてこれまで古い地質時代の地層について推定されていたできごとが、現に海底で起こっているようすをありのまゝにとらえることができた点で日仏協力KAIKO-NANKAI計画の一環としても価値の高い成果である。
著者
池田 徳彦 吉田 浩一 本多 英俊 永田 真一 林 和 坪井 正博 土田 敬明 古川 欣也 奥仲 哲弥 平野 隆 中村 治彦 加藤 治文
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.24, no.8, pp.612-617, 2002
被引用文献数
2

内視鏡的蛍光診断は中心型早期肺癌,扁平上皮化生などの気管支微小病変の診断に有用と報告されている.当院では肺癌治療前,喀痰細胞診異常,術後の経過観察など600例に本検査を施行,合計997部位を生検し,組織診断と蛍光診断の診断率を評価した.癌病巣では白色光,蛍光に差を認めなかったが,蛍光診断で病巣の進展を客観的に把握し得た.化生病巣においては白色光では発見困難で蛍光でのみ診断された病巣は全体の約40%を占め,蛍光診断の有用性が示唆された.また,喀痰細胞診異常症例に蛍光内視鏡を併用することにより病変の局在同定率は白色光単独の場合の59%から72%へと上昇した.簡易型の蛍光診断装置(System of Autofluorescence Endoscope, SAFE, Pentax)は従来より用いられてきたLight Induced Fluorescence Endoscope(LIFE,Xillx)と同程度の診断能を有すると考えられた.中心型早期肺癌の治療戦略の一環として蛍光診断と超音波内視鏡検査を併用することにより浸潤範囲と壁深達度を正確に評価し適正治療を選択することが行われている.蛍光診断は特別な前処置も必要とせず,従来の内視鏡検査と併用することにより,日常検査の精度向上が期待でき,適応はますます拡大するものと思われる.一方,ラマン分光の応用やOptical Coherence Tomography(OCT)の出現は内視鏡診断にoptical biopsyという新たな進歩をもたらすであろう.
著者
林 和弘 門條 司
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.53, no.9, pp.441-447, 2003-09-01
被引用文献数
3

日本化学会の学術情報発信の近況を紹介するとともに,電子ジャーナルにおける取り組みを解説する。特に2002年よりJ-STAGEを本格的に利用することで広く読者に情報を提供することができ,他雑誌,2次データベースとのリンクを含む電子ジャーナルの標準的なサービスを実現しつつ,健全な事業形態を構築することもできた。また,日本のジャーナルにおける電子ジャーナル課金の難しさについても考察する。