著者
林 和弘
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.69, no.12, pp.549, 2019-12-01 (Released:2019-12-01)

「インフォプロの未来を考える ~INFOPRO 新たな出発!~」のテーマで開催された第16回情報プロフェショナルシンポジウム(INFOPRO2019)にお越しいただき,あるいは,ご発表,ご登壇頂いたみなさま,誠にありがとうございました。タイトなスケジュールの中,スポンサーとなっていただいた企業様にも厚く御礼申し上げます。INFOPROは開催時期を秋から夏に移すために,一日開催となった昨年の移行期間を経て,2年ぶりの2日開催となりました。移行のためとはいえ,一旦縮小したイベントの規模を戻すことができるのだろうかという不安もありましたが,結果として一昨年と変わらず多くのご参加と発表をいただいたことで文字通り安堵いたしました。とはいえ,新米委員長にとっては,勝手がわからない中の運営であり,文字通り“番頭さん”として動いてくれた川越副委員長を始めとする実行委員はもちろんのこと,会長を筆頭とする三役や担当理事のみなさま,さらには,JSTさん他,関係のみなさまの全面的なバックアップにより無事開催することができました。この場を借りて御礼申し上げます。さて,今回のテーマの副題は“INFOPRO新たな出発!”ということで,いくつかのチャレンジをしてみました。中でも一番大きなものは,プロダクトレビューのプレゼンテーションに投票を取り入れたことです。これは製品や企業の優劣をつけるのではなく,そのプレゼンをしている方を褒めるのはどうか,ということで試行的に行ってみたものです。その目的や意義自体にも賛成・反対のご意見をいただいた中,ある程度のリスクを覚悟で行ってみると,投票のためにプロダクトレビューの枠の間,最後まで参加者が留まってくださり,また,後半,製品の特徴や違いをはっきりさせるディスカッションができたなど,これまでのプロダクトレビューでは実現できなかった濃度の高い場が提供できたように思います。一方,プレゼンの評価にどのくらいの意味があったかは,みなさんにご意見を伺ってみたいところです。また,特別講演の代わりにJST CRDS(研究開発戦略センター)の全面的なご協力のもと,科学技術俯瞰報告書の最新の内容を網羅的にご紹介いただきました。これも,企業と繋がりたいCRDSさんと,意外に俯瞰報告書自体を認識していなかったインフォプロという具合で,一見近いようで実はそれほど交流がなかったことがわかり,今後に繋がりそうな話となりました。(そして3iの裏番組だったために,参加ができなかった方々にはお詫び申し上げます。)他にも,OUGのコマを設けてガイダンスを行ったり,ポスターをよりオープンにしてミニ発表の時間を設けたりもしました。ポスターと展示会場が賑わっているのは,やっぱりいいですね。懇親会は昨年の低コスト手弁当スタイルを踏襲し,食事や飲み物の質よりもコミュニケーション促進を重視することで,狙い通り,コストパフォーマンス良く活発な交流を促すことができたと思います。そして,最近はワークショップ形式で行うトーク&トークでは,副題に正面から向き合い,インフォプロの将来像を探るべく,清水さん(IMIC),森長さん(NEC),黒沢さん(医中誌)さんをロールモデルに議論を行いました。各参加者が自分ごととして,その立ち位置を確認しながら将来を模索する姿を見て,このような対話の場を提供するのがINFOPROの大事な役目だと改めて確認した次第です。このようにして,INFOPRO2019は,リニューアル初回としては致命的なトラブルもなく,成功裏に終わったと言えると思います。この経験,知見を生かして,来年のINFOPRO2020に向けて,実行委員会一同ほぼ同じメンバーで臨みます。インフォプロの新たな出発をより確実かつ魅力的なものにできるようみなさまのご賛同とご協力を改めてお願いする次第です。まずは,INFOPRO2019の記事をご覧いただき,奇譚のないご意見や今後に向けた示唆を賜ればと思います。引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。(INFOPRO2019 実行委員会委員長 林 和弘)INFOPRO2019 実行委員会 委員長:林 和弘(科学技術・学術政策研究所),副委員長:川越康司(㈱富士通総研),委員:高杉秀隆,矢口 学(科学技術振興機構),小山信弥(関東学院大学),矢田俊文(クラリベイト・アナリティクス),山中とも子(㈱ファンケル),担当理事:吉野敬子(日本医療研究開発機構),副担当理事:増田 豊(ユサコ㈱)
著者
石崎 和彦 橋本 憲明 松井 崇晃 名畑 越夫 神戸 崇 奈良 悦子 星 豊一 阿部 聖一 小林 和幸 重山 博信 平尾 賢一 金田 智
出版者
新潟県農業総合研究所
巻号頁・発行日
no.13, pp.47-66, 2015 (Released:2015-06-24)

「コシBL13号」は,新潟県農業総合研究所作物研究センターにおいて開発されたいもち病真性抵抗性同質遺伝子系統である。1996年より,戻し交配法を適用し,「K59」を1回親,「コシヒカリ」を反復親として育成された。いもち病真性抵抗性遺伝子型はPitと推定される。2011年から奨励品種決定調査に供試され,いもち病抵抗性以外の特性において「コシヒカリ」と類似性が高いことから,2013年に新潟県の奨励品種に採用された。なお,「コシBL13号」は,2014年に種苗法に基づき品種登録された。
著者
豊田 健太郎 池崎 秀和 平林 和之 三村 昭彦 那須 賢二 戸塚 昭
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.111, no.1, pp.49-58, 2016 (Released:2018-05-28)
参考文献数
13
被引用文献数
4

清酒の味を味覚センサー(味認識装置)で評価した結果,以下の知見を得た。1.BT0センサーは疎水性部分を持つペプチドに応答し,清酒の後味(膨らみ感,味の幅)の評価に活用できる可能性が示された。純米酒では,BT0センサーの出力が高く出る傾向が認められ,清酒の後味(膨らみ感)に着目した官能検査との間で相関が認められた。2.CT0センサーは有機酸塩に応答し,清酒の「濃醇感」の評価に活用できる可能性が示された。3.BT0とCT0の2本のセンサーを用いて,清酒の「後味」及び「濃醇感」という2つの項目によって清酒の味を識別することができた。4.清酒の味わいの違いを表示する方法を提示した。
著者
井上 勉 渡辺 裕輔 野平 由香 新井 鐘大 佐藤 貴彦 菊田 知宏 小林 和裕 池田 直史 鈴木 洋通
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.97, no.12, pp.3049-3051, 2008 (Released:2012-08-02)
参考文献数
4
被引用文献数
1 1

56歳,女性,腹膜透析患者,3年前よりうつ病あり塩酸トラゾドンを使用していた.徐々に増悪した嘔気,嘔吐,水様下痢を主訴に救急外来を受診,血圧202/86mmHg,ミオクローヌスも認めたが原因は不明であった.入院後,経口薬剤を中止してから血圧は次第に下降し,消化器症状も改善した.頭部および胸腹部CT,上部消化管内視鏡で器質的疾患は否定された.これら臨床経過から塩酸トラゾドンによるセロトニン症候群の可能性が示唆された.
著者
立林 和夫
出版者
一般社団法人 品質工学会
雑誌
品質工学 (ISSN:2189633X)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.14-21, 1993-06-15 (Released:2016-03-24)
参考文献数
4

In the last edition, I explained that we used the SN Ratio to show system functionabilities and dispersions of output characteristics in "Quality Engineering". ln this edition, I would like to explain how we should evaluate the functionabilities and the dispersions in various conditions. When people evaluate the characteristic dispersions, they make many samples repeatedly, and wait for random errors to occur. However, engineers who know Robust Design forcefully change the levels of noise(the causes of dispersion) and input signal to see how the output actually vary.
著者
松田 真美 黒沢 俊典 林 和弘
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集 第16回情報プロフェッショナルシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.55-59, 2019 (Released:2019-06-14)

2010年、2013年、2016年に続き、MEDLINE収録の国内医学雑誌に関する電子化状況等について調査・分析を行った。その結果、下記が明らかとなった。・今回初めて収録数自体が大きく減少した。その理由についてNLMに問い合わせ、回答を得た。・収録されなくなった雑誌のうち電子化されていたものはすべて国内プラットフォームから配信されていた。その結果、海外プラットフォームの占める割合が増えた。・電子化されていない雑誌は1誌のみとなった。・国内プラットフォームはほぼ J-STAGE に集約された。
著者
小谷 広子 阪下 裕子 林 和加子 吉田 君子 松田 実 植松 邦夫
出版者
特定非営利活動法人日本臨床細胞学会
雑誌
日本臨床細胞学会雑誌 (ISSN:03871193)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.226-230, 1980-04-25
被引用文献数
1

A case of mesothelioma of the peritoneum with asbestosis of the lung was reported. Cytological examination of the peritoneal effusion was performed in this case, which was histologically diagnosed to have malignant mesothelioma. Characteristic findings of malignant cells are as follows: Tumor ceils appeared singly or as groups consisting of a few〜 many cells. Some of these cells were overlapping each other. The cytoplasm was abundant and its perinuclear area was staind lightly pale or sometimes appeared to be eosinophilic, with a gradual transition to a deep stain at the periphery. Cytoplasmic rims were distinct and sometimes blister-like protrusions appeared after application of the Giemsa' stain. Nuclei were round or oval and mainly central in location. Their borders were smooth. The chromatin content was increased and chromatin was finely granular with occasional prominent clumps of chromatin. There could be seen 1〜4 small nucleoli and, sometimes, 1〜2 large irregular-shaped nucleoli. Single tumor cells were large and often multinucleated. Mitoses occured in a small number of tumor cells. Thick strand-like, dark clumping or finely granular PAS-positive substances were irregularly distributed in the cytoplasm, sometimes the whole of the cytoplasm was stained as a ring. Vacuolated cytoplasm gave a negative reaction to staining. Vacuolated cytoplasm and a part of the cytoplasmic border were stained positive by alcian blue staining.
著者
縣 俊彦 清水 英佑 芳賀 佐知子 桜井 美代子 林 和夫 橋田 ちせ 坂場 秀行 大井田 基
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.26, no.6, pp.433-440, 1995-12-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
13

都内, 近県の2医科大学生1,470名, 4看護専門学校生692名に対し喫煙に関するアンケート調査を実施し, 次の結果を得た.1) 喫煙率は医学生全学年35.4%, 看学生12.5%, 医学生1~3年28.7%と差があり, 医学生高学年の喫煙率は高く, その要因は不安やストレスと推測した.2) 医学生は喫煙の有害性の知識が禁煙に結びつかないが, 看学生は, 知識を得ることにより禁煙を行った者が多い.3) ブリンクマン指数の重回帰分析の結果, 医学生の場合は, 年齢, 性, 母の喫煙が重要な要因となり, 禁煙運動の推進には, ストレスからの解放, 喫煙率の高い男子学生重点の指導, 母の禁煙が重要であると示唆された. 看学生の場合は決定係数も小さく取り上げられる要因も少なかった.
著者
花田 彰 蓑毛 研 中村 章 西田 泰章 天野 裕治 小林 和正 中須 英輔 渡辺 馨 榎並 和雅
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.13-16, 2002
参考文献数
3
被引用文献数
5

NHKでは地上デジタル放送用の番組送出設備開発の一環として、TS伝送シームレス切り替え装置(以下TSスイッチャと呼ぶ)の開発を進めている。地上デジタル放送の番組配信回線は、放送波TS(MPEG2トランスポートストリーム)信号で伝送することにより放送回線経費の大幅な低減、マスターシステムのコンパクト化が期待される。TSスイッチャは、この放送波TSに対してローカル番組のシームレスな切り替え送出、映像スーパー、音声ミックス、字幕信号伝送多重、局間制御信号(Net-Q)の伝送多重などを行うもので、地域放送局の番組送出マスターシステムのキーデバイスとなる。
著者
小林 和夫 Kazuo KOBAYASHI
出版者
創価大学社会学会
雑誌
SOCIOLOGICA (ISSN:03859754)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.29-56, 2019-03-20

本論では,ザカート(喜捨)を原資とする社会基金であるバイトゥル・マルを事例として,日本占領期ジャワにおけるイスラーム教理の制度化の歴史的背景を考察した.分析の結果,バンドゥン県のイトゥル・マルの導入というイスラーム教義の制度化は,ウィラナタクスマのロイスの構想とエリート官吏としての指導力,困窮者救済を義務とするイスラームの教理,そしてジャワ軍政当局のイスラーム対策の構造的欠陥と住民の動員・統制の必要性―という3つの歴史的条件が重なって行なわれたことが明らかになった.また,1942 年6月という軍政初期に導入されたバンドゥン県のバイトゥル・マルは,その規模や機能は限定的とはいえ,ジャワ軍政における事実上はじめての大衆組織としての性格をもっていたことが指摘された.
著者
小林 和人
出版者
福島県立医科大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究では、昆虫フェロモン受容体を利用して、特定のニューロンの活動を興奮性に制御する新規の遺伝学的技術の開発に取り組んだ。チロシン水酸化酵素遺伝子プロモーター制御下に、IR8a/IR84a遺伝子を発現するトランスジェニックマウスを作成した。スライス電気生理、in vivo電気生理において、青斑核(LC)の活動はフェロモンの添加により亢進し、マイクロダイアリシスにおいて、大脳皮質ノルアドレナリン遊離レベルの増加が誘導された。LC活性化は、味覚嫌悪記憶の想起を増強した。以上の結果から、フェロモン依存性イオンチャネルの発現により、特定ニューロンの活動を興奮性に制御することが可能となった。
著者
清水 英佑 鈴木 勇司 林 和夫 安藤 皓章
出版者
The Japanese Society for Hygiene
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, pp.1088-1094, 1992-02-15 (Released:2009-02-17)
参考文献数
27

In spite of strict laws prohibiting it, criminal cases involving marijuana abuse are increasing, resulting in a serious social problem in Japan. The most common method of ingestion is smoking, since abusers feel that this method produces quick psychological effects controversial. Marijuana is known to induce psychological addiction, but it's genotoxic effects are still argued. Marijuana smoking tar has been extracted from seized pipes. The amounts of polycyclic aromatic hydrocarbons (PAH) in the tar were weighed and the mutagenic activity was tested.The results are as follows:1) Five of the seven PAHs were detected in marijuana tar, although benzo (e) pyrene and perylene were not.2) There was more pyrene than any other substance detected in the tar, with fluoranthene having the next highest concentration.3) Mutagenic activity was observed in all samples, with relative mutagenic potency ranging from 0.03 to 1.59.4) The type of smoking pipe and burning temperature may affect the mutagenic activity and the amount of PAH.5) Since marijuana smoking tar contains carcinogens, promoters, and mutagens, there is a risk of developing cancer just as in the case of tobacco.