著者
小林 孝雄
出版者
文教大学
雑誌
生活科学研究 = Bulletin of Living Science (ISSN:02852454)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.89-98, 2016-03-30

セラピスト・フォーカシングは、セラピスト援助法としてその意義が検討されてきている。しかしながら、セラピスト・フォーカシングをロジャーズ理論の視点から検討されることは少なかった。本論では、ロジャーズ理論の「十分に機能する人間」ならびに「共感」「自己共感」の概念を主に用い、事例の提示も踏まえて、セラピスト・フォーカシングは、セラピストのありようの実現を通じて、クライアントに肯定的変化をもたらす意義があることを示すことを試みた。これまで、セラピスト・フォーカシングは、セラピーにおけるクライアントの変化に直接関連づけて論じられることが少なかった。セラピスト・フォーカシングのこれまで注目されてこなかった意義について議論した。
著者
小鷲 宏昭 西岡 大輔 山口 咲子 安達 恵利香 松岡 久美子 林 孝雄
出版者
公益社団法人 日本視能訓練士協会
雑誌
日本視能訓練士協会誌 (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.231-237, 2017

<p><b>【目的】</b>色覚検査において正常と診断されても色弁別能が弱いものは、Low normal color visionと呼ばれる。今回我々は、色覚検査では正常色覚と診断できるが、アノマロスコープにて混色等色域の拡大がみられる、Low normal color visionと考えられた父娘例を経験したので報告する。</p><p><b>【症例】</b>17歳、女子。母親に色覚異常を指摘され来院した。今まで色覚検査を受けたことはなく、私生活においても不便さを感じていなかった。石原色覚検査表Ⅱで誤読3表、Panel D-15はminor errorsであった。アノマロスコープでは正常Rayleighにて混色30-40へ等色範囲の広がりがみられたが、1型・2型Rayleighでは等色は起こらなかった。日常生活では赤と茶、青と緑を誤認することがあった。後日、両親に色覚検査を施行し、母親は全検査において正常であった。父親は石原色覚検査表Ⅱにて誤読1表、Panel D-15はno errors、アノマロスコープにて混色35-40へ等色範囲の軽度な広がりがみられたが、色誤認の経験はなかった。</p><p><b>【結論】</b>父娘ともアノマロスコープにて等色域の拡大がみられたことから、Low normal color vision と考えられた。石原色覚検査表やPanel D-15においておおむね正常と判定されても、僅かな誤りがある場合はアノマロスコープで精査することが重要である。</p>
著者
ナイフー チェン 小林 孝雄 佐井 りさ
出版者
日本経済国際共同センター
巻号頁・発行日
2006-08

銀行の貸出債権は流動性が低い.これは,貸出債権が貸出先企業のプライベート情報をふんだんに含むためである.一方,貸出債権から生じるキャッシュフロー自体は流動的であることが多い.近年のフィナンシャル・イノベーションは後者の点に着目して,銀行貸出債権を原資産とするクレジット・デリバティブやMBS,CMO,CLO,CBOに代表される証券を発行し,貸出債権を市場に売却することを可能にした.これによって,銀行は貸出債権の信用リスクを広範な投資家層に移転し,プライベート情報と信用リスクを凝縮したレジデュアル部分だけを保有すればよくなった。われわれの試算によれば,商業用貸出債権ポートフォリオを証券化するにあたって,銀行が留保するべきレジデュアル・トランシェはわずか3%前後である.これこそが,市場の論理から決定される銀行の自己資本比率である.この仕組みに加えて,決済システムの安全性を確保できれば,バンキング・システムは従来の金融仲介機能を果たしながら,完全に安全なシステムに生まれ変わることができる.かつてアービン・フィッシャーをはじめ幾人もの有力な経済学者達が主張した「100%マネー」のバンキング・システムは,新しいフィナンシャル・テクノロジーの登場によってその実現可能性を飛躍的に強めた.この新体系は,預金保険の利用に起因する銀行行動のモラル・ハザードに苛まれ続け,しばしば危機に晒されてきた従来の部分リザーブ型バンキング・システムより明らかに優れている.
著者
秋山 優子 大熊 志保 平石 剛宏 金子 博行 林 孝雄 溝田 淳
出版者
公益社団法人 日本視能訓練士協会
雑誌
日本視能訓練士協会誌 (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.119-122, 2012 (Released:2013-03-15)
参考文献数
10

片眼視力障害者の視力不良性外斜視に対し、手術を施行することはよく行われるが、両眼の失明者に対して手術が施行された症例の報告は、我々が調べ得た限りではみられなかった。今回両眼失明者の外斜視(外転偏位眼)に対して手術を行い、患者の精神的なQOL(quality of life)が向上した1例を経験したので報告する。 症例は61歳男性。ベーチェット病による続発性緑内障にて両眼失明。左眼は失明後に有痛性眼球癆となり、眼球摘出後に義眼を装着している。今回、残存している右眼が徐々に外転位に偏位し始め、他人からの指摘が気になったため、本人の強い希望にて眼位矯正手術を施行した。術後眼位は良好となり、患者本人の精神的な負担がなくなりQOLの向上に繋がった。 結論として失明眼による外転偏位眼に対しても、本人の希望があれば患者のQOL向上のため、今回のような手術を行うことは有用であると思われた。
著者
秋山 優子 大熊 志保 平石 剛宏 金子 博行 林 孝雄 溝田 淳
出版者
JAPANESE ASSOCIATION OF CERTIFIED ORTHOPTISTS
雑誌
日本視能訓練士協会誌 (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.119-122, 2012

片眼視力障害者の視力不良性外斜視に対し、手術を施行することはよく行われるが、両眼の失明者に対して手術が施行された症例の報告は、我々が調べ得た限りではみられなかった。今回両眼失明者の外斜視(外転偏位眼)に対して手術を行い、患者の精神的なQOL(quality of life)が向上した1例を経験したので報告する。<BR> 症例は61歳男性。ベーチェット病による続発性緑内障にて両眼失明。左眼は失明後に有痛性眼球癆となり、眼球摘出後に義眼を装着している。今回、残存している右眼が徐々に外転位に偏位し始め、他人からの指摘が気になったため、本人の強い希望にて眼位矯正手術を施行した。術後眼位は良好となり、患者本人の精神的な負担がなくなりQOLの向上に繋がった。<BR> 結論として失明眼による外転偏位眼に対しても、本人の希望があれば患者のQOL向上のため、今回のような手術を行うことは有用であると思われた。
著者
太田 道孝 岩重 博康 林 孝雄 丸尾 敏夫
雑誌
日本眼科學会雜誌 (ISSN:00290203)
巻号頁・発行日
vol.99, no.8, pp.980-985, 1995-08-10
被引用文献数
21
著者
小林 孝雄
出版者
文教大学
雑誌
人間科学研究 (ISSN:03882152)
巻号頁・発行日
no.26, pp.67-75, 2004-12-20

The purpose of this article is to examine the definitions of empathic understanding made by Rogers(Rogers, 1957. 1959. 1975). He defined empathic understanding (or being empathic) as a "state" at first, and later as a "process". Some qualities of descriptions as follows were pointed out. The definition as a process includes descriptions about `to do', but some descriptions express the actions that can not be directly realized. The definition as a state describes the quality of subjective experiences that can be directly realized in nature, but have problem how to realize `as if' quality. The definition as a state is useful yet to consider realizing the therapists' conditions. And the definition as a process is useful rather in clinical practices.