著者
佐藤 久長 西田 匡志 柏木 悠 櫻井 光昭 青木 隆志
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.77, no.1, pp.1-11, 2021 (Released:2021-01-20)
参考文献数
32
被引用文献数
2 1

脳機能データの分析から聴覚情報による認知効果の向上が確認され,トンネル内におけるスピーカーを用いた音声による注意喚起システムが開発された.今回,このシステムを用いて従来視覚情報で行っていた渋滞時の速度回復情報提供を,国内で初めてスピーカーを用いた音声案内で実施した.本研究では,システムの概要と小仏トンネルへの適用方法を示すと共に,車両感知器によるデータとETC2.0プローブデータによる走行履歴データを用いて音声情報の有無による効果を検証した.その結果,例えば音声情報が有ることによりボトルネックの渋滞発生時交通量が約8%増加し,渋滞中の平均速度が約10%高くなることや,渋滞発生確率が低下すること等を明らかにした.また音声案内によるボトルネック付近の速度上昇効果が上流側にも及んでいることが推察された.
著者
小林 哲郎 柏木 悠 相馬 満利 藤戸 靖則 平野 智也 山岸 道央 和田 匡史 船渡 和男
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.67, pp.182_2, 2016

<p> 【目的】全力クロール泳におけるキックが水平速度(SV)、ストローク頻度(SR)、ストローク長(SL)、ストロークサイクル内の水平速度変動(IVV)に及ぼす影響を明らかにすること。【方法】被験者は日本代表経験者を含む男子水泳選手5名(身長;175.2 ±6.5cm、体重;78.1 ±7.5kg、50mベストタイム;23.82 ± 0.73s)であった。試技はクロール泳の通常の泳ぎ(スイム)と足首をロープ固定した腕によるストロークだけの泳ぎ(プル)で、25m全力泳をそれぞれ行った。デジタルビデオカメラ(60fps)を用いて選手右矢状面より水中映像撮影を行った。分析区間は右手の1ストロークサイクルとし、選手の右大転子点よりSVを算出した。【結果及び考察】SVはプルに対してスイムで約20%の速度増加がみられ、SRには有意差がなく、SLはスイムの方が大きい値を示した。IVVは、スイムとプルでそれぞれ7.84 ±1.76、9.73 ± 1.87%であり、スイムの方が統計的に有意に小さい値を示した(p<0.05)。スイムはキックにより1ストロークあたりの距離を大きくすることで高い速度を得ていることが推測された。</p>
著者
竹腰 誠 柏木 悠 神 和人 平野 智也 藤戸 靖則 相馬 満利 石濱 慎司 船渡 和男
出版者
日本体育大学
雑誌
日本体育大学紀要 = Bulletin of Nippon Sport Science University (ISSN:02850613)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.1051-1061, 2021-08

本研究の目的は,日本代表選手を含む大学アルペンスキー選手の体力測定値とパフォーマンスの関係性を検討し,その測定値の有効性と世界一流選手(World)と大学アルペンスキー選手(College)の体力レベルの差を明らかにすることでトレーニングへの一助とすることを目的とした。被験者は,17名の日本代表選手を含む大学男子アルペンスキー選手(Collage)であった。測定項目は,形態・身体組成,柔軟性,筋力,非乳酸性パワー,乳酸性パワー,そして有酸素性パワーの測定であった。アルペンスキー競技のパフォーマンスには,国際スキー連盟(FIS)が定めるFISポイント(回転,大回転,スーパー大回転)を採用した。体力測定項目とFISポイントの関係性には,ピアソンの積立相関係数およびスピアマンの順位相関係数を用いて評価した。また,CollageとWorldの体力の差の検討には,先行研究Neumayr et al.(2003)の報告を参考した。FISポイントと体力測定値の関係性は,形態・身体組成と柔軟性以外の全ての項目と有意な負の相関関係がみられた。FISポイントとの関係性がみられた膝屈曲トルクは,WorldがCollageより大きな値を示し、最大43%の差であった。その次に大きな差がみられた測定項目は,2 mmol/lの相対的な有酸素性パワーであった。大学生アルペンスキー選手の膝伸展屈曲トルク,非乳酸性パワー,乳酸性パワーおよび有酸素性パワーの体力要素は,アルペンスキー競技パフォーマンスと有意な相関関係が認められ,世界レベルを目指すための体力トレーニングの目標値が示された。
著者
若槻 遼 相馬 満利 柏木 悠 船渡 和男
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集 第68回(2017) (ISSN:24241946)
巻号頁・発行日
pp.144_3, 2017 (Released:2018-02-15)

【背景】立位での身体運動において足部は常に荷重を受けており、荷重の有無によって特にアーチ構造に変化がみられることが報告されている。本研究の目的は、異なる荷重条件における足部の3次元形状の違いを明らかにすることである。【方法】対象は、健常な成人75名(男性49名、女性25名)の右足とした。足部への荷重は、立位での全荷重、半荷重および座位の3条件とし、それぞれの静止姿勢における足部形状を、3次元足形測定装置INFOOTを用いて取得した。得られた足部の各項目を全荷重で正規化し、比較を行った。【結果及び考察】全荷重に対して、半荷重の内踏まず長及び舟状骨点高以外の項目で有意な差がみられた。しかし、全荷重に対して半荷重は外果最突点高が高かったが、長さと幅の各項目の差の平均が1%未満であった。座位は全荷重に比べ、長さの各項目が1.0±0.7%短く、幅の各項目が1.8±1.0%狭く、高さの項目が6.0±4.3%高かった。半荷重と全荷重とでは足形状に顕著な違いはみられなかったが、座位においては荷重軽減の影響により、内側縦アーチ、外側縦アーチ及び横アーチ構造に変化がみられ、各項目に差が生じたことが推察された。
著者
榎屋 剛 平野 智也 野澤 巧 尹 鉉喆 藤戸 靖則 柏木 悠 船渡 和男
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集 第70回(2019) (ISSN:24241946)
巻号頁・発行日
pp.185_2, 2019 (Released:2019-12-20)

【目的】異なる投球速度に対するタイミング調節の鍵となる野球打撃動作の局面を検討すること。【方法】屋外の野球場において、5名の大学生選手が1名の投手から投球されたボールを打撃した。この際の球種はストレート(球速:約110~135km/h)であり、投手はランダムに緩急をつけた投球を行った。投手と打者の動作は、同期した2台の高速度カメラ(300fps)を用いて撮影し、投手のリリースの時刻に対する打者の各動作(前足のつま先離地、つま先接地、踵着地、インパクト)の時刻を算出した。【結果および考察】投球速度と打者の前足つま先離地およびつま先接地時刻には有意な相関関係が示されなかった。一方、投球速度の増加に伴い、打者の前足踵着地時刻が短くなった。また、投球速度と打者の前足つま先接地から踵着地の局面間の時間に有意な負の相関関係が示された。従って、打者の前足つま先接地から踵接地の局面間の時間は、異なる投球速度に対する打者のタイミング調節にとって重要であることが示唆された。