著者
松下 直樹 井口 広義 和田 匡史 大石 賢弥 岡本 幸美 寺西 裕一 神田 裕樹 山根 英雄
出版者
特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
雑誌
頭頸部外科 (ISSN:1349581X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.201-205, 2014 (Released:2015-02-11)
参考文献数
27

頰部に発生する腫瘍として耳下腺に付属するステノン管および副耳下腺を由来とするものが認められるがともに頻度は少ない。また原発がステノン管なのか副耳下腺なのかはっきりしないことも多い。しかし過去の報告からはステノン管を原発とするものは扁平上皮癌が多く,副耳下腺を原発とするものは粘表皮癌が多く扁平上皮癌は少ない。今回われわれはステノン管が原発と考えられた扁平上皮癌を1例経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する。症例は71歳の男性。右頰部腫脹を主訴に受診され,画像所見から副耳下腺扁平上皮癌として手術を施行した。術後の病理所見などを含めて総合的に判断すると,ステノン管が原発の扁平上皮癌と考えられた。
著者
小林 哲郎 柏木 悠 相馬 満利 藤戸 靖則 平野 智也 山岸 道央 和田 匡史 船渡 和男
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.67, pp.182_2, 2016

<p> 【目的】全力クロール泳におけるキックが水平速度(SV)、ストローク頻度(SR)、ストローク長(SL)、ストロークサイクル内の水平速度変動(IVV)に及ぼす影響を明らかにすること。【方法】被験者は日本代表経験者を含む男子水泳選手5名(身長;175.2 ±6.5cm、体重;78.1 ±7.5kg、50mベストタイム;23.82 ± 0.73s)であった。試技はクロール泳の通常の泳ぎ(スイム)と足首をロープ固定した腕によるストロークだけの泳ぎ(プル)で、25m全力泳をそれぞれ行った。デジタルビデオカメラ(60fps)を用いて選手右矢状面より水中映像撮影を行った。分析区間は右手の1ストロークサイクルとし、選手の右大転子点よりSVを算出した。【結果及び考察】SVはプルに対してスイムで約20%の速度増加がみられ、SRには有意差がなく、SLはスイムの方が大きい値を示した。IVVは、スイムとプルでそれぞれ7.84 ±1.76、9.73 ± 1.87%であり、スイムの方が統計的に有意に小さい値を示した(p<0.05)。スイムはキックにより1ストロークあたりの距離を大きくすることで高い速度を得ていることが推測された。</p>
著者
和田 匡史 兵頭 洋樹 地神 裕史 土居 裕和 山本 憲志
出版者
国士舘大学理工学部
雑誌
国士舘大学理工学部紀要 = TRANSACTIONS OF THE KOKUSHIKAN UNIVERSITY SCHOOL OF SCIENCE AND ENGINEERING (ISSN:18824013)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.159-164, 2021-03-31

Bathing and sleep play important roles in physical recovery of athletes. Hot spring water containing high concentration carbon dioxide (CO_2 ≥ 1000 ppm) has long been applied to the patients suffering from cardiovascular diseases in balneotherapy. Clinical observations reported various effects of CO_2-hot spring immersion on human body, such as flushing of the skin, skin blood flow improvements, decrease of blood catecholamine levels,and heart rate reduction. The heart rate reduction by CO_2-water immersion might be induced by neuronal information generated in the skin [N. Yamamoto et al, 2007]. The purpose of this study is to examine whether artificial CO_2 hot water immersion facilitates physical recovery in competitive swimmers. Fourteen healthy college competitive swimmers participated in this study. The participants performed anaerobic exercise. Immediately after the exercise, they immersed their whole bodies into tap-water or artificial CO_2-water at 38 degrees Celsius for 10 minutes. To measure the sleep-wake cycle, accelerometers (FS-760 and 770, ACOS, Japan) was used. The sleep-wake data were analyzed by circadian rhythm analysis software (SleepSign Act2, KISSEI COMTEC, Japan). Sleep variables analyzed included time in bed, sleep period time, total sleep time, sleep efficiency, and sleep latency. Blood lactate concentration (BLa) was measured by Lactate analyzer (Lactate Pro2LT-1730, Arkray, Japan). BLa in recovery period was significantly lower in CO_2-water immersion than in tap-water immersion (20 min after the exercise 2.4 ± 0.8 vs 2.7 ± 0.5 mmol, p<0.05, 25 min after the exercise 1.9 ± 0.6 vs 2.6 ± 0.8 mmol, p<0.05, 30min after the exercise 1.8 ± 0.4 vs 2.4 ± 0. mmol, p<0.05,). Sleep latency was significantly shorter in CO_2-water immersion than in tap-water immersion (7.8 ± 2.3 min vs 16.5 ± 3.8 min, p <0.05). Sleep efficiency was significantly higher in CO_2-water immersion than in tap-water immersion (90.3 ± 3.5% vs 83.2 ± 4.6%, p<0.05). Therefore, these results raise the possibilitythat hyperthemia, i.e. body core temperature raise, induced by CO_2-water immersion leads to deep sleep. Deep sleep after the CO_2-water immersion seems to be extremely useful in the physical recovery from fatigue. The rapid decrease in BLa in the CO_2-water immersion suggests efficient physical recovery after anaerobic exercise. Therefore, it was suggested that CO_2-water immersion is effective for physical recovery.
著者
藤崎 俊之 佐藤 斎 和田 匡史 土屋 乃里子 高橋 姿
出版者
Japan Audiological Society
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.169-174, 2000-04-28 (Released:2010-04-30)
参考文献数
22
被引用文献数
4

3年以上聴力経過を観察しえた前庭水管拡大に伴う難聴14例28耳 (男性7例, 女性7例) における長期的な聴力域値の変化と, 難聴の急性増悪のエピソードについて検討した。聴力域値が3分法平均聴力で10dB以上悪化した進行耳を6耳 (21%), 難聴の急性増悪を4回以上反復した増悪反復耳を11耳 (39%) に認めた。 これら臨床的に経過不良の症例では, 誘因なく難聴の急性増悪を生じ, しばしばめまいを伴った。前庭水管拡大症例が誘因なくめまいを伴って難聴の急性増悪をきたしたときは, 治療や経過観察をより注意深く行う必要があると思われた。 前庭水管拡大には, 容易に内耳障害を生じる経過不良な群と, 経過が比較的安定した群が存在する可能性が示唆された。
著者
和田 匡史 渡邊 敦之 井原 弘貴 池田 昌絵 戸田 洋伸 山中 俊明 橋本 克史 寺坂 律子 中濱 一 山田 信行
出版者
Japan Heart Foundation
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.S2_173-S2_179, 2010

症例は51歳, 女性. うつ病に対して抗精神薬を5剤内服し治療中であった. 2009年6月21日, 2階のベランダから転落後の状況を発見されて前医に救急搬送となった. 画像検索で骨盤・眼窩底・上顎骨骨折が判明し骨盤骨折に対して緊急手術の予定となったものの, 術前心電図で著明なST変化を認め当院紹介搬送された. 当院来院時はショック状態で, 心電図・心エコー所見から急性心筋梗塞の疑いで緊急冠動脈造影を施行した. 造影の結果, 左冠動脈主幹部で完全閉塞しており, 外傷後ではあったが救命目的に引き続きIABP挿入下にPCIを行った. 左冠動脈主幹部入口部から大量血栓を認め, 冠血流改善に難渋した. 主幹部入口部に残存する解離様陰影に対してBMSを留置し, PCI終了とした.<BR>文献上では胸部外傷後に急性心筋梗塞を発症することが報告されているが, 本症例のように多発外傷後に左冠動脈主幹部閉塞をきたした症例は非常に稀である. 外傷による冠損傷・血栓形成の機序についての考察を交えて報告する.
著者
和田 匡史
出版者
国士舘大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

スポーツ選手における身体加温がサーカディアンリズムに与える影響を調べ、疲労回復に貢献するかどうかを調べた。被検者に生活習慣記録機(ライフコーダ GS、スズケン社製)を入浴時以外常に装着させ 1 週間記録し、睡眠-覚醒リズムの分析を行った。スポーツ選手の全身浴による入浴(温水温度:42℃、10 分間)はシャワーによる入浴(温水温度:42℃)よりも、睡眠時間の改善、睡眠潜時の短縮と睡眠効率を向上させる結果が得られた。これは全身浴による身体加温によって体内のストレスタンパク質が高められ、睡眠による疲労回復を向上させた可能性が考えられた