- 著者
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柳原 崇男
- 出版者
- 公益社団法人 土木学会
- 雑誌
- 土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
- 巻号頁・発行日
- vol.71, no.5, pp.I_459-I_465, 2015 (Released:2015-12-21)
- 参考文献数
- 25
- 被引用文献数
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8
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高齢者の外出頻度は心身機能や社会活動性を包含した健康指標であるとも考えられている.つまり,健康指標として,外出頻度を交通施策等の評価にも応用できると考えられる.高齢化社会に向けては,交通施策等が健康維持や介護予防に寄与することを,実証的データにより立証していくことも重要となる.本研究では,外出頻度と移動手段,活動能力の関係を実証的データから検討し,今後の高齢者の介護予防や健康維持の観点から移動手段のあり方について考察する.その結果,外出頻度に最も影響を与えるのは,移動手段であり,特に「車(自分で運転)」であり,自分で運転しない場合は,年齢やIADL(手段的自立)が影響している.また,本調査地域においては,公共交通や家族送迎・タクシー等の交通手段は,外出頻度に影響を与えていないことがわかった.