著者
李 虎奎 米田 郁夫 繁成 剛 高橋 良至 河合 俊宏 橋詰 努 北川 博巳
出版者
一般社団法人日本福祉のまちづくり学会
雑誌
福祉のまちづくり研究 (ISSN:13458973)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.A1-A12, 2013-03-15

移動動作は日常生活活動の根幹をなす動作である。とくに、外出活動は、日常生活を変化のあるものにし、また社会生活を構築するうえで必要不可欠なものである。したがって、下肢機能が低下し移動が困難になった高齢者の日常生活を潤いのあるものにするためには、安全・楽に外出できる手段を確保することが必要である。本研究では、高齢者のための外出支援機器を開発した。開発した外出支援機器は、転倒のリスクが少ない4輪型とし、また、下肢機能の維持・向上のためにペダルを漕いで推進する方式とし、身体負担を軽減するために電動アシスト装置を組み込んでいる。開発機器について使用評価および走行実験による操作負担の検証を行った結果、下肢機能が低下した移動困難な高齢者の外出を支援する機器としての可能性が示唆された。
著者
土井 勉 木内 徹 三星 昭宏 北川 博巳 西井 和夫
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.367-374, 1995
被引用文献数
1

本研究は、鉄道沿線の地域イメージとその構造的特徴を分析することを目的としている。.こごでは、関西の私鉄の中から、阪急神戸線、近鉄奈良線、南海高野線の3つの沿線地域を取り上げる。本研究ではまず、これらの沿線に存在する物に関する普通名詞・固有名詞を抽出する。次いで、それぞれの名詞のイメージに類似する名詞をこれらの抽出された名詞群から選ぶという意識調査を実施する。この調査データを用いて、想起率が高いモノ・コトを選定する。また、モノ・コトのイメージにおける類似度の関係をイメージ空間上に布置したイメージマップを作成することにより、沿線イメージの構造の特徴を明らかにする。さらにこれらの特徴を考慮しながら、これからの鉄道沿線の地域づくりにおける基本的課題に言及する。
著者
土井 勉 三星 昭宏 北川 博巳 西井 和夫
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.565-570, 1994
被引用文献数
6

<p>THE PURPOSE OF THIS PAPER IS TO IDENTIFY IMAGES OF THREE PRIVATE RAILROAD LINE AREAS IN KANSAI; HANKYU, KINTETSU, AND NANKAI RAILS. WHILE IMAGE OF THE AREA IS DETERMINED BY A VARIETY OF COMPONENTS CONCERNING NOT ONLY NATURAL BEAUTY BUT ALSO SOCIO-ECONOMIC ACTIVITY, THESE RAILS ARE REGARDED TO PLAY AN IMPORTANT ROLE ON THE IMAGE FORMATION. IN THIS PAPER, FORCUSING ON THE IMAGES ASSOCIATED BY THE COMMON AND PROPER NOUNS, HOMOGENEITY AND HETEROGENEITY IN IMAGE AMONG THREE RAIL AREAS ARE EXAMINED EMPIRICALLY THROUGH THE IMAGE MAPPING. SEMETIC DIFFERENTIAL METHOD WILL BE ALSO APPLIED TO DESCRIBE THE FACTORS AFFECTING THE FORMATION OF THE AREA IMAGE.</p>
著者
北川 博巳 土居 聡 三星 昭宏
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.981-987, 2000-09-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
15
被引用文献数
2

本研究では, 高齢化に対応した歩行空間の一施設としてのベンチのあり方について考える. そのため, 交通困難を持つ高齢蓄・障害者を対象とした意識調査データを用いることにより, 交通困難者の歩行意識とベンチの必要性について分析する. つぎに, ベンチの実際の使用について観泪鯛査, および利用者を対象としたヒアリング調査を実施し, ベンチ利用の実態を明らかにする. さらに, これらの知見を活かした上で, ベンチ設置の規模や程度をどのように設定するか計画性を明らかにし, 今後の「歩いて暮らせるまちづくり」について考察することを目的とする.
著者
柳原 崇男 北川 博巳 大森 清博 北山 一郎 松本 泰幸
出版者
日本ロービジョン学会
雑誌
日本ロービジョン学会学術総会プログラム・抄録集
巻号頁・発行日
vol.9, pp.6, 2008

【目的】本研究はロービジョン者の夜間歩行を支援するために、夜間の低い照度下でもロービジョン者が歩きやすくなる方法として、電柱等に取り付けたLED照射装置から光を照射し、道路面に連続したマークを用いた誘導方法を提案する。そこで平成19年に県道明石宝塚線歩道にて、LED照明を用いた誘導システムの実証実験を実施した。本研究の目的はこのLED照明を用いた夜間歩行支援システムの効果や課題を明らかにすることである。【方法】ロービジョン者21名に対し、上記で提案しているLEDを用いた誘導システム(以下:LED誘導マーク)に加え、市販の地面に埋め込むタイプのLEDも併設し、歩行実験を行った。実験方法はそれぞれの歩行速度、有効性等に関するアンケート調査を実施した。また、LED誘導マーク、埋め込み型LEDの有効性を把握するために、誘導システムが設置されていない区間(以下:LEDなし)も歩行してもらった。【結果】LED誘導マーク、埋め込み型LED、LEDなし区間20mの歩行時間と偏軌距離を比較した。その結果、歩行時間に関しては、埋め込み型LEDが一番早くなっていたが、統計的な有意差はなかった。偏軌距離に関しては、LEDなし(42.60cm)に比べて、LED誘導マーク(10.75cm)、埋め込み型LED(12.5cm)を用いることによって、より直線的に歩いていることがわかった。また、アンケート調査より、LED誘導マーク等のシステムのない場合と比べて、「歩きやすさ」だけでなく、「心理的負担の軽減」にも効果があることがわかった。【結論】歩行実験から歩行速度にはあまり大きな変化はないが、より直線的に歩行できていることがわかった。このことよりも、誘導性だけでなく、より安全な歩行を支援するという効果が見られた。意識調査より、LED誘導マークの設置間隔5mよりも埋め込み型LEDの設置間隔2mの方が高評価であるが、歩行速度、偏軌距離ではほぼ同程度の結果となっている。このことよりも、5m程度の間隔でも誘導性能は高いことがわかる。
著者
松下 征司 上田 喜敏 宮本 忠吉 中原 英博 橋詰 努 北川 博巳 土川 忠浩 永井 利沙 竜田 庸平 直江 貢 米津 金吾 佐々木 寛和 山上 敦子 藤澤 正一郎 末田 統
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.A3P2084-A3P2084, 2009

【はじめに】<BR> 車いすは歩行困難な高齢者や障害者にとって使用頻度の高い福祉用具の一つであり,使用者のシーティングや駆動特性等については多くの報告がある.しかし,車いす駆動が身体機能に及ぼす影響についての報告は,まだ散見される程度である.本研究では,基礎的実験として車いすのタイヤ空気圧の違いによる身体負荷を酸素摂取量と駆動トルクから算出した仕事率より評価したので報告する.<BR><BR>【対象と方法】<BR> 対象は,ヘルシンキ宣言に基づき本実験に同意の得られた健常男性3名(A:体重71kg・56歳,B:63kg・32歳,C:72Kg・27歳)である.実験装置として,トルク計(共和電業製)とロータリ・エンコーダ(小野測器製)を内蔵した計測用車いすを用い,酸素摂取量の計測には携帯型呼吸代謝測定装置VO2000(S&ME社製)を使用した.なお,事前にダグラスバッグ法(以下,DB法)によるVO2000の検証を行った.心拍計はS810i(ポラール社製)を使用し,主観的運動強度はボルグ指数を用いた.実験方法に関して1回の計測はVO2000により走行開始前5分間の安静時酸素摂取量を計測した後,10分間1周60mのコースを10周走行した(時速約3.6km/h).1周回毎(1分毎)に心拍数とボルグ指数を記録した.車いすの駆動ピッチは60ピッチ/分とし,計測開始前に10周練習走行を実施した.車いす走行中の身体負荷を比較するため,タイヤの空気圧(300kPa,200kPa)をパラメータとした.<BR><BR>【結果】<BR> 車いす駆動に使われた酸素摂取量は駆動時平均酸素摂取量-安静時平均酸素摂取量より求まる.酸素摂取量より仕事率の被験者平均値を求めると 200kPaは約206[W],300kPaは約151[W]となった.また,車いすを駆動するのに必要とされる仕事率は,計測用車いすから得られる駆動トルク[Nm]と車輪の回転角より算出した.駆動トルクより,10周走行中の平均仕事率を算出すると空気圧200kpaの被験者平均値は約22.2[W],300Kpaは約14.9[W]となった.心拍数とボルグ指数においては,200kPaでの心拍数の被験者平均値は115.3[bpm],300kPaは105.3[bpm]であった.200kPaのボルグ指数平均値は約12.9,300kPaで約10.9であった.すべての計測項目において各被験者ともタイヤ空気圧の低い場合が高い場合と比較して運動負荷が高くなる傾向を示した.<BR><BR>【考察】<BR> 酸素摂取量および駆動トルクより算出される仕事率は,タイヤ空気圧の違いに対し同じような傾向を示し,身体負荷の違いを明らかにできた.被験者間の仕事率を比較すると,全体の傾向は一致しているが個人差も観察された.原因として年齢や体格,運動能力などの個人因子の影響が考えられ,今後これらを含めたより詳細な検討を行う予定である.
著者
朴 啓彰 熊谷 靖彦 永原 三博 片岡 源宗 北川 博巳
出版者
高知工科大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2010

一般ドライバーと同質サンプリングと考えられる健常中高年の脳ドック検診者2193名(男性1196名,女性997名;平均年齢53.84±9.67 歳)を対象として、過去10年間における交通事故歴に関するアンケート調査を行い、頭部MRI所見の大脳白質病変と交通事故との関連性について多変量ロジスティック解析を行った。運転走行中の衝突事故など大きな事故に対して白質病変は、グレードに応じて有意の高い関連性を示した(年齢調整オッズ比は2.937:95%信頼区間1.260-6.847; P=0.013)。白質病変は、軽度でも大脳半球両側に存在すれば、視覚情報処理能力や注意機能の反応速度が有意に低下することを既に報告しているが、白質病変によるこれらの高次脳機能低下が、白質病変ドライバーと交通事故との因果関係を説明するものと推察された。因って、脳ドック受診者1150名(男性642 名、女性508 名、平均年齢52.1±8.9歳)に対して、警察庁方式CRT 運転適性検査におけるアクセル・ブレーキ反応検査結果と白質病変との関連性を調べた。アクセル・ブレーキ検査は、選択的反応動作の速さ、反応むら(変動率)、反応動作の正確さ(見落とし率)を測定する検査である。白質病変のグレードを説明変数に、見落とし率・変動率の高低を目的変数にして、多変量ロジスティック解析を行うと、見落とし率では、オッズ比1. 530(95%信頼区間;1.094-2.140、P=0.013)であり、変動率では、オッズ比1.348(95%信頼区;0.991-1.834、P=0.013)となった。安全運転に必要と考えられる認知判断機能の不正確さと反応むらに白質病変が有意に影響することが、交通事故の発生機序の一つとして想定された。頭部MRI で定量評価される白質病変グレードに応じた安全運転対策の可能性が示唆された。
著者
高見 正利 橋詰 努 北川 博巳 米田 郁夫 黒田 大治郎 奥 英久 糟谷 佐紀
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
交通・物流部門大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2007, no.16, pp.349-352, 2007-12-12

We developed a new instrumentation for measuring traveling characteristics of wheelchair and set up running roads with various surface shapes in our laboratory. We measured driving torque and whole-body vibration during running on these road surfaces. Root-mean-square (RMS) values of acceleration vibration were calculated for the three directions according to the ISO 2631 procedure.The driving torque of this system, like a manual wheelchair on the market, increases in proportion to height of steps on the road surface. In steady state running, the driving torque increases in proportion to velocity of wheelchair. The whole-body vibration at the sheet of wheelchair increases in proportion to both the heights of steps on the road surface and the velocity of wheelchair. In both a field and a laboratory, the vertical component of the vibration was greater than the fore-aft or horizontal vibration. The whole-body vibration value of a dummy mounted wheelchair shows a similar tendency to that of human beings. The following expression is derived from the above: this new measuring system is effective in detecting the presence of the vibration and the driving torque of manual wheelchair on various road surfaces.