著者
植村 朋弘
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究作品集 (ISSN:13418475)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.1_62-1_67, 2019-03-31 (Released:2019-03-19)
参考文献数
4

幼児教育の現場において、プロジェクトによる学びが注目されている。プロジェクトの学びとは、子ども達のアート表現や実験による探究活動を通して、保育者が子ども達との対話や子ども同士の対話を観察し、省察をもとに学びの本質を見出し活動をデザインしていくことである。その活動は、子ども達が主体となって持続的・創造的な学びとして展開していく。そこでは「ドキュメンテーション」が活動の質を高める重要な役割を担っている。本報告では、学びの活動をデザインするためのドキュメンテーションツールとして「EasySnap」及び「EasySnapArchiver」の研究開発をおこなった。これらのツールは、iPhone及びMac上を実装するソフトウェアである。保育現場に赴き保育者へのインタビューや現状の記録方法の調査を行い、ドキュメンテーションの役割を捉えた。デザイン開発をもとにプロジェクトによる創造的学びの活動とドキュメンテーションの意味と仕組みを捉えた。
著者
苅宿 俊文 郡司 明子 刑部 育子 茂木 一司 古川 聖 戸田 真志 植村 朋弘 佐伯 胖 高木 光太郎
出版者
青山学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究の研究成果は3点ある。その概要は、1、WSは参加者、ファシリテータ、活動対象の3つから構成されていることを基に、F2LOモデルを定義した。2、WSの3つの構成要素は、相互間の関係性の分析を重層的な視点から組み立ていくことの重要性を指摘した。そして、WSにおけるコミュニケーション構造は「位置づく-見立てる-味わう」の3つの場面の重層的な関係性を調査した。3、WSの重層的な関係性を分析していくために、iOSアプリ「デキゴトビデオ」を制作した。この「デキゴトビデオ」は、映像の編集を簡単に出来ることで臨床的な調査に適したツールである。今後、学習環境デザインの分野で活用することが期待されている。
著者
植村 朋弘 刑部 育子 戸田 真志
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究作品集 (ISSN:13418475)
巻号頁・発行日
vol.16, no.16, pp.34-37, 2011-03-30

CAVScene(Gyobu,Toda,Uemura,kudo,2009)は、幼稚園など実践活動における学習環境を、観察記録するためのツールとして開発された。そこでの偶発的・創造的に起きる学びの過程を追いながら、効果的な観察記録が可能である。このツールは、片手で持てるサイズのWebカメラ付きモバイルPCで、移動しながら観察できる。画面上のタブレット機能によって、動画や静止画を撮影したり、再生しながら画像に直接メモ書きができる。付箋機能によって観察内容をテキスト人力し画像に貼ることもできる。このツールは、実践直後でも具体的画像を基に実践者にフィードバックし、観察者と情報共有しながらの振り返り(リフレクション)が可能である。開発は幼児教育・情報システム開発・インターフェイスデザインの3分野の研究者によって進められた。
著者
須永 剛司 植村 朋弘 永井 由美子 須永 公清 繁田 智行 小早川 真衣子 敦賀 雄大
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究. 研究発表大会概要集 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
no.55, pp.122-123, 2008-06-20
被引用文献数
2

Information Design driven a multi disciplinary research project has been started. It is one of the CREST project funded by JST. In this paper we introduce a framework of the project that is "Platform design and development for creating, sharing and exchanging of people's everyday expressions." Concept of the design from "Marginal Art" by Shunsuke Tsurumi, philosopher, comprehensive views and recomposing functions for reflective thinking on the expressions and communal wisdom of the expressions are introduced as the framework. Acting practical workshops as ways of organizing the research project with multi disciplines for developing these concepts into technological system and cultural program are also discussed.
著者
刑部 育子 戸田 真志 植村 朋弘
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

本研究は、実践者(教師や保育者)と研究者が共に日常の教育実践や保育活動記録を気軽に共有でき、実践を協働でデザインすることを支援するインターフェイスを構築することを目的としている。インターフェイス・デザインの分野ではデザイナがユーザとともにモノとのかかわりを含めた活動文脈を有し、経験する「参加共有型デザイン(participatory design)」が行われ始めている。この手法を保育・教育実践に応用することで、実践者とともに保育(教育)実践および記録をその日のうちに共有し、新たな実践を共に日常的に創造することを支援するインターフェイスの開発を目指した。本年度は研究計画3年間の最終年であり、観察ツールを実践において使用し保育デザインの循環を構築した。本年の成果の特記事項として、昨年度の試作版ツール開発に関する受賞に続き、拡張版ツール開発における成果が国際教育工学系会議ED-MEDIA2009で発表した結果、657の採択論文のうちの18の受賞論文の一つとして選ばれ、二年連続で受賞したことである(Gyobu, Toda, Uemura, & kudo, 2009)。このツールを実際の保育実践の場で年間の園内研究会で使用した実績も大きな成果であった。実際に使用した結果として、このツールによる、その日のうちに即時の重要な活動のシーンの共有が園内研究会における話し合いを焦点化、活性化させる効果がみられ、複数の人々との議論における、言葉のみの議論にありがちな言葉によるすれちがい、イメージのずれを解消し、建設的な「場面」に基づく事実による保育実践の話し合いが可能となった。
著者
相田 彰大 戸田 真志 植村 朋弘 刑部 育子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.147, pp.27-32, 2010-07-17
参考文献数
11

昨今,ストレージデバイスの記録密度の向上が驚くべきスピードで進められている.それに伴い,画像や動画などの様々なメディアが容易に保存可能となった.中でもデジタルカメラやビデオカメラは情報を記録する際に頻繁に活用されるツールの一つであり,多くの人によって写真や動画は撮影され,保存されている.しかし,これらのメディアの多くは特に整理されずに保存されており,またどのような意図で撮影したのかなどは撮影した本人にしか分からない.既存の方法としては,タグを用いることでの情報付与などがあるが,こういった方法は撮影後に行う後処理で情報整理に用いる際にはタイムラグが生じる.そこで,撮影中にリアルタイムで,また,撮影後にフィードバックを行いながら簡単に手書きメモや付箋などの情報を付与するこで,円滑に情報整理が行えるCAVSceneのシステム提案・開発を行った.また,この開発したツールを実際に教育現場に適用する事でその実用性を検証した.