著者
中下 俊哉 江口 有一郎 高橋 宏和 大座 紀子 桑代 卓也 河口 康典 黒木 茂高 尾崎 岩太 水田 敏彦 小野 尚文 江口 尚久 藤本 一眞
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.49, no.10, pp.483-484, 2008 (Released:2008-10-30)
参考文献数
3

COBAS TaqMan HBV Test (real-time PCR method) is a new method to detect HBV-DNA with higher sensitivity and broader range of quantification than conventional methods. We evaluated HBV-DNA load by COBAS TaqMan HBV Test in comparison with Amplicor HBV Monitor Test in chronic hepatitis B patients undergoing administration of nucleoside analogue. Forty chronic hepatitis B patients were recruited. In 33 patients with less than 2.6 logcopy/mL by Amplicor HBV Monitor, Taq Man HBV Test showed less than 1.8 logcopy/mL of HBV-DNA and no amplified reaction signal in 22 patients, whereas amplified reaction signal was detected in 11 patients (33.3%). COBAS TaqMan HBV Test is more sensitive and preferable for evaluation of HBV viral load in anti viral therapy.
著者
松本 綾希子 奥山 絢子 後藤 温 町井 涼子 祖父江 友孝 高橋 宏和
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.69, no.11, pp.903-907, 2022-11-15 (Released:2022-12-17)
参考文献数
8

目的 新型コロナウイルス感染症の流行ががん患者の受療状況に与えた影響とその理由の評価。方法 2021年12月10-13日にインターネットによるアンケート調査を実施した。対象は40-79歳の男女とし,予備調査と本調査の二段階で調査を行った。調査会社が保有するパネルメンバーのうちがん疾患ありと登録されている5,000人に予備調査を行い,現在治療中または経過観察中のがん患者に本調査への参加を依頼した。本調査の項目は,通院や治療日程の変更の有無,変更内容,変更理由,病院にかかることに対する抵抗感,今後の希望通院方法・頻度の5項目とした。2020年4月から2021年12月までの状況を対象とした。結果 1,920人から回答を得た。新型コロナウイルス流行の影響で通院や治療日程が変更となったのは13.8%であった。変更になったものは主に通院日や方法(144人),治療の日程(87人),診断から治療開始まで時間がかかった(44人)などであり,日程変更があった治療内容は手術またはカテーテル治療(55人),点滴の抗がん剤治療(28人),放射線治療(22人)などであった。変更の理由は,感染の機会を減らすために医療機関から変更を提案された(49.6%),医療機関がコロナ対応に専念するため(27.3%),自分の感染が心配だったので自分から変更を申し出た(17.0%)などであった。変更の有無については診断時期による影響が大きく,2020年4月以降にがんと診断された人では19.9%だが,それ以前に診断された人では11.9%であった。居住地によって変更割合に差はなかった。結論 新型コロナウイルス感染症流行ががん患者の受療状況に影響を与えていたことが示唆された。今後も引き続き長期的な影響について調査を継続する必要がある。
著者
相川 慎也 芦原 貴司 天野 晃 有末 伊織 安藤 譲二 伊井 仁志 出江 紳一 伊東 保志 稲田 慎 井上 雅仁 今井 健 岩下 篤司 上村 和紀 内野 詠一郎 宇野 友貴 江村 拓人 大内田 研宙 大城 理 太田 淳 太田 岳 大谷 智仁 大家 渓 岡 崇史 岡崎 哲三 岡本 和也 岡山 慶太 小倉 正恒 小山 大介 海住 太郎 片山 統裕 勝田 稔三 加藤 雄樹 加納 慎一郎 鎌倉 令 亀田 成司 河添 悦昌 河野 喬仁 紀ノ定 保臣 木村 映善 木村 真之 粂 直人 藏富 壮留 黒田 知宏 小島 諒介 小西 有人 此内 緑 小林 哲生 坂田 泰史 朔 啓太 篠原 一彦 白記 達也 代田 悠一郎 杉山 治 鈴木 隆文 鈴木 英夫 外海 洋平 高橋 宏和 田代 洋行 田村 寛 寺澤 靖雄 飛松 省三 戸伏 倫之 中沢 一雄 中村 大輔 西川 拓也 西本 伸志 野村 泰伸 羽山 陽介 原口 亮 日比野 浩 平木 秀輔 平野 諒司 深山 理 稲岡 秀検 堀江 亮太 松村 泰志 松本 繁巳 溝手 勇 向井 正和 牟田口 淳 門司 恵介 百瀬 桂子 八木 哲也 柳原 一照 山口 陽平 山田 直生 山本 希美子 湯本 真人 横田 慎一郎 吉原 博幸 江藤 正俊 大城 理 岡山 慶太 川田 徹 紀ノ岡 正博 黒田 知宏 坂田 泰史 杉町 勝 中沢 一雄 中島 一樹 成瀬 恵治 橋爪 誠 原口 亮 平田 雅之 福岡 豊 不二門 尚 村田 正治 守本 祐司 横澤 宏一 吉田 正樹 和田 成生
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.Dictionary.1, pp.1-603, 2022 (Released:2022-03-31)
著者
遠藤 宏樹 酒井 英嗣 日暮 琢磨 大久保 秀則 山田 英司 飯田 洋 野中 敬 古出 智子 稲森 正彦 高橋 宏和 中島 淳
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.457-463, 2013-04-25

要旨 カプセル内視鏡によって,NSAIDs起因性小腸粘膜傷害の現状が明らかになってきた.NSAIDsは,小腸にびらん,潰瘍,絨毛欠損や出血など多彩な病変を引き起こし,原因不明の消化管出血の一因となりうる.また,NSAIDs長期服用者においては,小腸に輪状潰瘍・膜様狭窄という特徴的な所見を来すことがあり,カプセル内視鏡検査に注意を要することがある.NSAIDs起因性小腸潰瘍に対しては休薬が確実な治療であるが,治療後の評価もカプセル内視鏡ならば,簡便かつ低侵襲で行うことが可能である.カプセル内視鏡はNSAIDs起因性小腸粘膜傷害の診断や治療評価に有用であると考えられる.
著者
植松 孝悦 笠原 善郎 鈴木 昭彦 高橋 宏和 角田 博子
出版者
特定非営利活動法人 日本乳癌検診学会
雑誌
日本乳癌検診学会誌 (ISSN:09180729)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.27-33, 2020 (Released:2020-04-06)
参考文献数
26
被引用文献数
1

自覚症状のある乳癌の早期診断は,その乳癌患者の予後と生存率を改善させる。そのためには,乳癌の初期症状を早く自覚して速やかに医師を受診するという乳房の健康教育の普及が重要であり,この正しい保健医療行動が確実に進行乳癌の減少をもたらす。ブレスト・アウェアネスは,乳房を意識した生活習慣を通して,乳房に変化を感じたら(乳癌の初期症状を早く自覚する)速やかに医師を受診するという正しい保健医療行動をとるための健康教育であり,乳がん検診の理解とその受診勧奨を目的とした啓発活動である。ブレスト・アウェアネスを実践することで,マンモグラフィ偽陰性の場合でも,早期に乳癌を発見し速やかに診断と治療が可能となる。つまり,ブレスト・アウェアネスの普及が,対策型乳がん検診の高濃度乳房問題に対する具体的な対応策の一つである。さらにブレスト・アウェアネスの推奨は,若年性乳癌の早期発見のための具体的な方策にもなる。ブレスト・アウェアネスは乳がん教育を実践するための具体的なキーワードであり,これから教育現場で行われるがん教育でも積極的に取り入れられるべき内容と思われる。ブレスト・アウェアネスの普及に器機の整備や購入の必要性はない。よって,その体制を整えることは比較的容易であり,速やかに全国一律で実施することが可能である。ブレスト・アウェアネスは,効率的かつ効果的な乳癌対策であり,乳がん検診と並ぶもう一つの乳癌医療政策の柱として,わが国も積極的に導入すべきである。
著者
池上 高志 高橋 宏和
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

ロボットと神経回路の間のフィードバックループ系を設計する。培養された神経回路、あるいは、人工神経回路を使ってロボットの運動行為を制御し、ロボットがセンサーを通じて得た環境からの情報を神経回路にフィードバックする。この刺激と行動のくりかえしの閉回路の動作を調べて、1)神経回路の成長を情報のネットワークの変遷で特徴つけ、2)閉鎖回路をつくることで、ネットワークはある構造をつくることと、3)そのパターンの成長は「神経回路は外から刺激されるのを避ける原理」が働いていること、を発見した。
著者
横田 修 林 明典 高橋 宏和
出版者
一般社団法人日本エネルギー学会
雑誌
日本エネルギー学会大会講演要旨集
巻号頁・発行日
no.18, pp.2-3, 2009-07-30

In the batch type equipment, the results of the reforming examination for crude oil were indicated. Experimental conditions are "pressure 25MPa temperature 400 degrees Celsius and water-oil ratio 0-4". Concentrations of Asphaltene and Coke were investigated under the experimental conditions.
著者
磯田 広史 榎本 大 高橋 宏和 大野 高嗣 井上 泰輔 池上 正 井出 達也 德本 良雄 小川 浩司 瀬戸山 博子 内田 義人 橋本 まさみ 廣田 健一 柿崎 暁 立木 佐知子 井上 貴子 遠藤 美月 島上 哲朗 荒生 祥尚 井上 淳 末次 淳 永田 賢治 是永 匡紹
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.64, no.10, pp.510-513, 2023-10-01 (Released:2023-10-12)
参考文献数
5

Hepatitis medical care coordinators (HMCCs) in Japan are trained by local governments and regional core centers, and are expected to play an active role in various aspects of hepatitis countermeasures. A 2019 survey revealed varied activity statuses of HMCCs among facilities. This study surveyed the present status of HMCCs in 21 of the 72 regional core centers in the fiscal year 2021.A total of 951 HMCCs were trained at these 21 facilities. The 17 participating centers of the 2019 survey indicated a slight increase in the proportion of HMCCs who actively contributed to hepatitis patient care, from 84.2% to 85.8%.Despite the COVID-19 pandemic, HMCCs remained active in many facilities.
著者
齋藤 義正 高橋 宏和 若尾 文彦
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.69, no.7, pp.527-535, 2022-07-15 (Released:2022-07-13)
参考文献数
7

目的 国立がん研究センター(当センター)は地域のがん医療の質を向上させる取り組みを支援するための手段の一つとしてがん化学療法医療チーム研修会を開催してきた。がん対策基本法が施行されてから15年が過ぎ,これまでの活動を振り返り,今後のがん医療体制の整備の充実を図るための一助とすることとした。方法 2006年度から2020年度までに当センターが主催した研修会のうち,がん薬物療法に携わる多職種が受講対象となる研修会(緩和ケアの研修会は除く)を調査した。研修会ごとに開催年度,受講対象,研修目的,受講施設数を調査し,第1期から第3期までのがん対策推進基本計画の取組むべき施策の中でこれまで開催した研修会の位置づけを考察した。活動内容 すべての研修会の共通目標は,がん薬物療法の医療水準の向上に貢献し,がん医療の均てん化につなげることだが,研修会ごとに行動目標が異なっている。第1期がん対策推進基本計画は,2007年度から5年間を対象とし,化学療法を専門的に行う医師の養成とともに専門的にがん治療を行う薬剤師や看護師等の医療従事者が協力して治療に当たる体制を構築していく必要性が示されている。この目標を達成するために,がん化学療法チーム養成にかかる研修(2006~2008年度)およびがん化学療法医療チーム養成にかかる指導者研修(2009~2018年度)が開催され,それぞれ103施設および143施設が受講し,各都道府県内のがん化学療法医療チームが少なくとも1回はどちらかの研修会を受講したことになる。この間,がん対策推進基本計画は2012年6月および2018年3月に改定され,がん診療連携拠点病院は,わが国のがん医療の中心的な担い手として位置づけられている。その過程で,受講対象を都道府県がん診療連携拠点病院のがん化学療法チームとし,2014年度からは地域におけるがん化学療法研修実施にかかる指導者養成研修を開催している。さらに,2017年度からは都道府県指導者養成研修を開催し,受講者を対象としたアンケート調査では,研修受講後にすべての職種で地域のがん医療の質を向上させるための取り組みを行う自信の向上がみられた。結論 当センターが主催したがん薬物療法に携わる多職種を対象とした研修会は,がん対策推進基本計画の改定とともに目的に合致した研修会を開催し,人材育成の一翼を担ってきたことが推察された。
著者
大道 明 高橋 宏和 Daido Akira Takahashi Hirokazu
出版者
筑波大学附属駒場中・高等学校研究部
雑誌
研究報告
巻号頁・発行日
vol.27, pp.207-257, 1988-03

現在、万有引力に関する教材は理科Ⅰ物理分野や地学分野、選択物理分野で取り扱われている。理科Ⅰ物理分野では、万有引力は落下運動や放物運動を決める重力として、地学分野では地球の形状や公転、惑星の運動を決める要因として扱われている。選択物理分野では万有引力の法則が発見される経緯を説明したり、 ...
著者
早貸 千代子 横尾 智治 小澤 富士男 菱山 玲子 徐 広孝 鈴木 清夫 関口 隆一 高橋 宏和 千野 浩一 土井 宏之 早川 和彦 山本 智也 小塩 靖崇 佐々木 司 小宮 一浩
出版者
筑波大学附属駒場中・高等学校研究部
雑誌
筑波大学附属駒場論集 = Bulletin of Junior & Senior High School at Komaba, University of Tsukuba (ISSN:13470817)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.159-169, 2016-03

心も体も大きな変化をもたらす10代は、精神疾患の好発時期といわれている。その要員として、夜更かし・睡眠不足等の生活習慣の乱れや、悩みや心配事を相談せず(できず)一人で抱え込む(援助希求をしない)等が指摘されている。現在の教育課程では、精神疾患とその対処に対する正しい知識を学ぶ機会がないために、本人も周囲も不調になったことに気付きにくく、本格的な病気の進行・長期化といった状態を招いている可能性が高い。そこで、本校の成長過程プロジェクト研究(以下、PI)では中学2年生を対象に、保健の授業の中で、心の不調や病気の予防・早期発見・早期対応の正しい知識と対応法(以下、メンタルヘルスリテラシー)の教育を試みた。授業前後で精神疾患の知識の向上と援助希求行動と援助行動の考えの改善が見られたのでここで報告する。
著者
石井 正己 大道 明 合田 浩二 曽根 睦子 高橋 宏和 濱本 悟志 丸浜 昭
出版者
筑波大学
雑誌
研究報告 (ISSN:10091860)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.181-217, 1991

本校では、ここ3~4年生徒の問題行動が以前に比べて増加してきた。その多くは成長過程における一過性のもので、それほど根が深いとは思われないが、懸念されるのは、暴力行為と累犯の増加とである。従来、問題行動に対する対処の方法として、自宅謹慎等の「処罰」と担任(団)を中心とする生活指導を行ってきた。 ...
著者
石川 秀樹 大谷 悦久 梶山 正明 真梶 克彦 高橋 宏和 仲里 友一 濱本 悟志
出版者
筑波大学附属駒場中・高等学校研究部
雑誌
筑波大学附属駒場論集 (ISSN:13470817)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.61-81, 2002-03

氷河性海面変動に伴う更新統の海成層である千葉県北部の下総層群木下層(12 ~13 万年前)から寒流系および暖流系の貝化石が多産する。中学3 年の課題研究として、選択者に地層から貝化石を採集させ、化石に関する基本的な作業および考察を行わせた。 …
著者
高橋 宏和
出版者
筑波大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2007

研究目的:福島、栃木、茨城県にまたがる八溝山地の周辺には、新第三系の砕屑岩や火山砕屑岩が厚く堆積し、またこれらの地域は日本海の拡大に伴う、いわゆるグリーンタフ火成活動の縁辺部でもある。八溝由地の中央にある鷲ノ子山塊の東側、茨城県大子・山方地域の浅川層と大宮地域の桜本層および玉川層には、熱帯ないし亜熱帯性の門の沢貝類化石動物群中の内湾干潟を占めたArcid-Potamid群集カミ認められ、その年代は16Ma付近である。(高橋,2001)。今回、鷲ノ子山塊の北西側にある栃木県馬頭地域の小塙層におけるArcid-Potamid群集の内容とその年代を明らかにするのを目的とした。研究方法・内容:1981年以来数度にわたり馬頭地域の地質調査を行ってきた。これまで、小塙層最下部よりCrassostreaなどの潮間帯砂礫底種、下部の灰緑色凝灰質細粒砂岩からAcila submirabilisなどの浅海砂泥底種、上部の浮石質凝灰岩よりGloripallium crassiveniumなどの岩礁固着性種を採集した。研究成果:馬頭地域東部の冥賀に分布する小塙層最下部の火由礫を含む浮石質凝灰岩中に挟在する浮石を含む灰色泥岩より、Geloina sp., Terebralia sp., Vicarya yokoyamai,"Vicaryella" notoensis, Cerithideopsilla minoensis, Tateiwaia tateiwai, T. yamanariiなどのArcid-Potamid群集の主要構成種が産出し、栃木県側では初めての報告である。GeloinaやTerebraliaの現生種はマングローブ・スワンプに生息し、他の沿岸砂底種を伴わないことから、この貝化石群集は、マングローブ林の海側外縁部の潮汐低地付近を占めた現地性に近い群集であると考えられる。また、近くに植物根を含む泥岩も見られることから、後背湿地の存在も推定される。小塙層最下部のArcid-Potamid群集の産出年代は、宇佐美ほか(1996)による浮ノ遊性有孔虫のOrbulian datumと田中・高橋(1998)による石灰質ナンノ化石からN8/N9境界付近の15.2Maあたりと推定される。これは明らかに他地域のArcid-Potamid群集の産出年代より若く、グリーンタフ火成浩動の末期で日本海の拡大が終了に近づく頃である。一方、茨城県との県境である馬頭地域大山田の新第三系は茨城県大子地域から連続しており、今回、大山田下郷の浅川層下部のサンドパイプに富む砂質泥岩からCerithideopsilla sp.を、灰色泥岩から"Ostrea" sp.を、れきを含む凝灰質砂岩から門の沢貝類化石動物群の代表的な浅海砂底種のDosinia nomurai, Siratoria siratoriensisを採集した。また、上部の泥岩からは沖合泥底種のConchocele bisectaを得た。しかしながら、Arcid-Potamid群集の主要構成種は今のところ採集できていない。これらの地層の上位には巨礫を大量に含む礫岩が不整合に覆っている。この礫岩は馬頭地域の小塙層には見られないもので、おそらく小塙層の堆積前に形成されたものと思われ、大きな造構運動、たとえば棚倉破砕帯や日本海拡大の影響が示唆される。
著者
竹本 淳 高橋 宏和 唐沢 好男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.386, pp.85-90, 2009-01-14

地上デジタル放送の移動体受信環境並びに室内での受信においては,直接波の受信が期待できず,一般に弱電界エリアになるために,伝搬環境,特に受信所望波の到来方向及び遅延時間の定量的かつ高分解能な把握が重要となる.到来方向推定にはアレーアンテナが有用であるが,一般的手法では複数の到来波を判定するために波数と比べアレー素子数を十分大きくする必要があり,かつ,全てのブランチの信号を同時に取得しなければならない。また、遅延時間の推定には受信側において既知の広帯域信号が必要になることから,実放送波を利用する到来波・遅延時間推定には有用かつ簡便な手法が確立されていない.そこで,本稿では,高SN比の信号が受信される場所と被測定環境との2点で同時収録を行い,高SN比信号を基準信号として目的信号を精密に解析する新しい測定法を提案する.本手法では,トータルレコーダ(1台)を用いて,被測定信号と高品質信号を各アレー素子について同時収録し,オフライン処理により基準・被測定双方の受信データから相関行列を作成,ここから固有値解析を行って,到来波の角度特性や遅延特性の精密な測定が可能であることを述べる.
著者
佐合 隆一 高橋 宏和 高柳 繁
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.267-272, 2002-01-30
被引用文献数
1

雑草防除の適正化とコストの低減をはかるためには,雑草個体群の動態や埋土種子量・発生量などを把握することにより,雑草防除手段を選択するプログラムを作成することが重要となってきている。本研究は茨城県南地域で小型の一年生雑草が優占している水稲栽培水田で埋土種子数と雑草発生量を調査し,雑草の水稲に対する害が認められない埋土種子数のレベルを推定することを試みた。本調査方法では埋土種子数が深さ1.5cmあたりアゼナ類で1,500粒/m^2,カヤツリグサ類で200粒/m^2,一年生雑草全体では3,000粒/m^2を越えた場合には雑草の発生量を推定することができ,埋土種子からの本田での発生率は,アゼナ類で2.5%,カヤツリグサ類で4.9%,コナギで16.4%,一年生雑草全体では5.2%であった。また,雑草害が明確とならない雑草の発生量は埋土種子数が3,000粒/m^2以下であることを推定した。