著者
及川 哲郎 米田 吉位 玄 世鋒 小田口 浩 若杉 安希乃 猪 健志 橋口 一弘 滝口 洋一郎 花輪 壽彦
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.615-620, 2011 (Released:2011-12-27)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

沢瀉湯は,水毒徴候を目標としてめまいに用いられる。しかし,水毒徴候の改善が沢瀉湯の臨床効果に繋がっているか,未だ明確ではない。そこで,沢瀉湯投与症例における症状などの改善度と,水毒徴候の改善度との関連について検討した。沢瀉湯を4週間投与しためまい患者20名に対し,自覚症状に関するアンケート調査や水滞スコア判定,各種平衡機能検査を施行,これらをスコア化したのち,投与前後における各項目間の関連につき統計学的に解析した。その結果沢瀉湯投与後において,めまいと随伴症状を合わせた全自覚症状の改善度は,水滞スコア改善度と有意に相関した。平衡機能検査改善度に関しては,水滞スコア改善度と関連する傾向が認められた。これは,沢瀉湯の臨床効果と水毒徴候の改善がある程度関連することを示唆し,条文の記載を裏付ける知見である。従って,水毒徴候の存在は沢瀉湯の使用目標として一定の妥当性を有すると考えられる。
著者
橋口 一弘 若林 健一郎
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.123, no.1, pp.24-29, 2020-01-20 (Released:2020-02-05)
参考文献数
16

アレルギー性鼻炎の治療選択肢は近年増加してきたが, 薬物治療の中心となるのは第2世代抗ヒスタミン薬である. 抗ヒスタミン薬は第1世代と第2世代に分類されるが, 基本的な構造は共通である. 第1世代抗ヒスタミン薬の特徴として, 脂溶性が高く組織移行性が良好である. このため中枢移行しやすくなり, 眠気などの副作用を起こす. また H1 受容体に対する選択性が低いため, ムスカリン受容体, セロトニン受容体などアミン受容体に共通構造を持つほかのアミン受容体にも結合をする. 口渇, 食欲増進などの副反応はこのためである. こういった不要な反応を軽減することを目的として第2世代抗ヒスタミン薬が開発された. 第2世代抗ヒスタミン薬の特徴として, 脂溶性が低下し血中タンパク結合が多くなった. このため組織移行性が悪くなったが, 中枢移行が少なくなり眠気などの副作用が減った. H1 受容体に対する選択性が高くなったことから, ほかのアミン受容体への結合が少なくなり, 第1世代抗ヒスタミン薬で見られた副反応が減ってきた. 一方で組織移行性の低下なども見られることから, その効果には個人差があることも理解しておく必要がある. 近年経口剤ではなく, 投与経路を変更した貼付剤の抗ヒスタミン薬が開発されてきた. さまざまな投与法の選択肢が増えてきたことで, 第2世代抗ヒスタミン薬の特徴を理解し, 患者満足度を上げるように使用することが大事である.
著者
奥田 稔 深谷 卓 小林 恵子 伊藤 依子 調所 廣之 設楽 哲也 八尾 和雄 小川 浩司 橋口 一弘 佐伯 哲郎 山越 隆行 濱田 はつみ 川崎 和子 石井 豊太 鳥山 稔 増田 哲也 杉山 博 川端 五十鈴 川島 佳代子 八木 昌人 田部 浩生 岡村 浩一郎 木場 玲子 斉藤 晶 安藤 一郎 野村 恭也 吉見 健二郎 窪田 哲明 大谷 尚志 波多野 吟哉 竹山 勇 上杉 恵介 林崎 勝武 鈴木 淳一 澤木 誠司 石塚 洋一 古屋 信彦 安達 忠治 坂井 真 新川 敦 小林 良弘 佐藤 むつみ 山崎 充代 斎藤 洋三 舩坂 宗太郎 斉藤 啓光 石井 正則 浅井 和康 森山 寛 遠藤 朝彦 小林 毅 関 博之 林 成彦 石井 哲夫 窪田 市世 水谷 陽江 荒 牧元 大竹 守 北嶋 整 上田 範子 山口 宏也 牛嶋 達次郎 坊野 馨二 菊地 茂 佐橋 紀男 臼井 信郎 原 俊彰 宮川 晃一 田中 康夫 喜友名 朝盛 井上 庸夫 八木 聰明 大久保 公裕 服部 康夫 町野 満 大塚 博邦 稲葉 真 島田 早苗 添野 眞一 星 慎一 頼 徳成 大橋 和史 村山 貢司 飯塚 啓介 市川 朝也 冨田 寛 小山 明 山内 由紀 渡辺 健一 佐藤 かおる 山田 久美子 木田 亮紀 牧山 清 亀谷 隆一 藤田 洋祐 井上 鐵三 田村 悦代 野原 理 阿部 和也 水野 信一 岩崎 真一 小川 裕 加賀 達美
出版者
The Society of Practical Otolaryngology
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.88, no.6, pp.797-816, 1995-06-01
被引用文献数
6 3

To evaluate the effectiveness, safety and utility of Emedastine difumarate (ED) in the treatment of Japanese cedar pollinosis, a multicentered, double-blind comparative study was performed in 290 patients in 1994.<br>Patients with Japanese cedar pollinosis were divided into two groups; the first group was treated with ED at a dose of 4mg/day starting two weeks before the season and continuing for the whole season. The second group was given an inactive placebo instead of ED during the pre-season and the early portion of the season and then replaced with ED during the later portion of the season.<br>As a result, the final improvement rate was significantly higher in the first group than that in the second group.<br>All subjective symptoms such as sneezing, nasal discharge, nasal obstruction and eye itching were suppressed due to ED treatment.<br>In conclusion, it was better to continuously administer ED to patients with pollinosis from the preseasonal period till the end of the season.<br>However, when the ED treatment was started in the midseason, the outcome was good, although less satisfactory than the outcome of continuous treatment given throughout the entire pollen season.