著者
平田 オリザ 石黒 浩 橋本 慎吾 吉川 雄一郎 宮下 敬宏
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究では,現代口語演劇理論に基づき,人間型ロボットやアンドロイド(人間と同じ見かけを持つロボット)を人間の俳優とともに役者として演劇に登場させる「ロボット演劇」の創作を通じ,特定のシーンにおいてロボットが人と関わる振舞を実現する枠組みを構築した.期間内に国内26件,国外31件(15カ国)の公演を成功させ,聴衆を対象とした大規模かつ文化比較的なアンケート調査により,提案する枠組みにより親和的なロボットの振舞が実現できることを確かめた.また実現された演出事例の分析から,ロボットの振舞のルールが抽出できることを示し,その効果を確かめた.
著者
鹿島 央 橋本 慎吾
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

本研究の目的は、以下の2点である。(1)リズムの契機は、日本語話者と日本語学習者ではどのように異なるか。そのときの呼気圧、呼気流量はどのようであるか。(2)持続時間が特徴的な学習者の発音は、日本語話者とは呼気圧、呼気流量にどのような違いがあるか。実験1では、リズム契機とユニット長の関係を調べるため、日本語母語話者と日本語学習者(中国語)を対象とし特殊拍を含む音節を組み合わせた6語(たーたん、たーだん、たんたん、たんだん、たったん、さったん)を分析した。発話はメトロノームにあわせ1語につき10回収録し、呼気圧、呼気流量について分析した。結果は、全体長では日本語話者の方が長く、語中の破裂音の外破からメトロノームまでの時間は学習者の方が長いという特徴がみられた。特に呼気圧がより強いことが観察されたが、語頭の破裂音にはそのような傾向はなかった。このことは、呼気圧の影響がリズム契機を形成する違いに何らかの役割を果たしていることを示唆する。実験2では、リズム配置の異なる18語を選定し、単独発話と「これは...です」というフレームに入れたものを発話資料とし、呼気圧、呼気流量の側面から分析した。発話者は中国語(北京語)話者2名、スペイン語話者1名、日本語話者2名で、KAY社製の「エアロホン」を用いて収録した。この研究の特徴は、生理的な要因である呼気流量と呼気圧のピーク値が学習者では各語の特徴的な持続時間の開始点とどのような関係であるか、また日本語話者とどのように異なるかを分析する点にある。分析の結果、中国語話者では呼気圧のピーク時点が第3ユニットにきていること、流量は調音法によっても異なることが判明した。しかしながら、これまでの結果では、特に呼気圧、呼気流量の違いが持続時間の違いとなるという結論には至っていない。ただ、破裂音の閉鎖時間や発声の違いに影響を与えていることを示す結果となっている。
著者
橋本 慎吾
出版者
岐阜大学
雑誌
岐阜大学留学生センター紀要
巻号頁・発行日
vol.2000, pp.17-24, 2001-02

本稿は,初級前半教科書である『みんなの日本語I」の各課別の語彙頻度を調査した。特殊モーラについて分析した結果,次の3点が明らかになった。(1)促音登場回数は撥音,長音より少ない。(2)促音は各課の文法項目に関連する語彙に多く現れ,いくつかの大きなグループにまとめることができる。(3)促音について詳しく見ると,促音を含む出現頻度の高い語彙は各課1つ程度である。この3点から,従来から難しい音とされている促音の導入及び音声特徴としての練習は,必ずしも初級前半から行なう必要はないことを主張する。この主張に関連して,音声教育における「音声の問題」と「規則の問題」についても説明する。
著者
橋本 慎吾 ハシモト シンゴ HASHIMOTO Shingo
雑誌
岐阜大学留学生センター紀要 = Bulletin of the International Student Center Gifu University
巻号頁・発行日
no.2000, pp.17-24, 2001-02

本稿は,初級前半教科書である『みんなの日本語I」の各課別の語彙頻度を調査した。特殊モーラについて分析した結果,次の3点が明らかになった。(1)促音登場回数は撥音,長音より少ない。(2)促音は各課の文法項目に関連する語彙に多く現れ,いくつかの大きなグループにまとめることができる。(3)促音について詳しく見ると,促音を含む出現頻度の高い語彙は各課1つ程度である。この3点から,従来から難しい音とされている促音の導入及び音声特徴としての練習は,必ずしも初級前半から行なう必要はないことを主張する。この主張に関連して,音声教育における「音声の問題」と「規則の問題」についても説明する。
著者
市橋 康佑 上田 雄也 松野 凌馬 中村 瑠美 神崎 至幸 林 申也 橋本 慎吾 丸山 孝樹 酒井 良忠
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.43 Suppl. No.2 (第51回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0014, 2016 (Released:2016-04-28)

【はじめに,目的】近年,人工足関節全置換術(TAA)は,重度な変形性足関節症や関節リウマチにより高度に破壊された足関節に対する治療法として,選択施行されている。TAAの長期予後として,優れた除痛効果と関節可動域(ROM)の温存ならび改善に優れると報告されている。しかし,TAA術前から術後早期に身体機能変化について検討したものは見当たらない。また,術後の最大歩行速度(MWS)の低下は,手段的日常生活動作の低下や転倒のリスク因子であると報告されている。しかし,TAA術後のMWSに関連する因子についての報告はない。そこで,本研究の目的は,TAA術前と術後3ヶ月の身体機能の変化を比較検討するとともに,術後のMWSに関連する因子について検討することとした。【方法】対象は,2014年4月~2015年7月の期間に当院整形外科にて,TAAを施行された13名13足(男性3名,女性10名,年齢75.6±6.0歳)とした。13足のうち,変形性足関節症が12足,関節リウマチが1足であった。測定項目として,以下の項目を術前と術後3ヶ月で測定した。(1)他動ROM:足関節背屈および底屈のROMを測定した。(2)疼痛:歩行時の足関節の痛みについてVisual analog scale(以下VAS)を用いて数値化した。(3)歩行速度:10m歩行路の歩行時間を測定し,MWS(m/分)を算出した。統計解析として,術前と術後3ヶ月の各測定項目についてPaired t-testを用いて比較した。また術後3ヶ月において,MWSと背屈ROM,底屈ROM,VASの関連についてPearsonの相関分析を用いて検討した。すべての統計解析にはJMPver11.0を用い,有意水準は5%とした。【結果】背屈ROMは術前3.5±4.3°から術後7.3±3.9と有意に改善したが,底屈ROMは31.5±8.3から30.7±10.0°と有意な変化を示さなかった。また,VASは69.8±18.6から37.0.±20.7,MWSは54.4±20.0m/分から69.6±18.4m/分と有意な改善を認めた。術後3ヶ月において,MWSと背屈ROM(r=0.71),底屈ROM(r=0.56),VAS(r=0.56)とそれぞれ有意な相関関係が認められた。【結論】TAA術後3ヶ月では,術前に比べ背屈ROM,歩行時のVAS,MWSに有意な改善を認めた。術後3ヶ月におけるMWSに関連する因子として,背屈ROM,底屈ROM,VASに関連があることが示唆された。
著者
橋本 慎吾
出版者
岐阜大学
雑誌
岐阜大学留学生センター紀要
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.3-9, 2005-03

パラ言語情報は、言語情報に比べ、一回性が強い(再現性が弱い)と言われている。このパラ言語情報を定量的に分析するために、「3番テーブルの客」というテレビドラマを分析した。このドラマは、毎回同じ脚本を、異なる演者、異なる演出でドラマ化するというもので、異なる演者、異なる状況で発せられる同じセリフを数多く抽出することができる。本稿ではその中の「俺は遊びじゃ歌わない」というセリフを取り上げ、全長持続時間、基本周波数(以下F_0)最大値、F_0平均値、F_0最大値の位置を計測し、共分散分析を行った結果、持続時間とF_0の間に相関は見られなかったが、F_0最大値とF_0平均値の間に強い相関が見られることがわかった。