- 著者
-
中村 邦子
田中 早苗
武本 歩未
大塚 美智子
- 出版者
- 一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
- 雑誌
- 繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
- 巻号頁・発行日
- vol.61, no.12, pp.849-863, 2020-12-25 (Released:2020-12-25)
- 参考文献数
- 6
JIS 衣料サイズの改正から20 年以上が経過し,日本人成人の人体寸法データベース2014−2016 に基づく改正について検討されている.JIS 衣料サイズは新しく制定されたISO 8559-3 に対応する必要がある.本研究では,日本人の人体寸法の推定を行い,ISO 8559-3 に対応するサイズ別人体寸法表を作成することを目的とする.日本人の人体寸法データベース2014−2016 の女性1633 名の人体計測結果を利用して,1633 名全体とDROP による体型分類別3 グループ,年齢層を25 歳未満, 25 歳~40 歳,40 歳~55 歳,55 歳以上の4 グループ,計8 グループについて分析した.身長,乳頭位胸囲,胴囲,腰囲,体重の計測項目から,重回帰分析に用いる変数の組み合わせを検討し,上半身にフィットする説明変数は,身長と乳頭位胸囲の2 変数が適当であることを確認した.重回帰分析により回帰係数の推計を行い,算出した定数と係数からDROP による体型分類別と年齢層別のサイズ別人体寸法表を作成した.さらに,胴囲,腰囲,体重を加えた5 変数のサイズ別人体寸法表を作成した.数値モデルにより,現代日本人の体型を幅広く推定することが可能である.また,人体寸法の推定により算出した,項目間のインターバルはパターンメーキング,グレーディング,フィット性の評価などに活用できると考える.