著者
大塚 美智子 森 由紀 持丸 正明 渡邊 敬子 小山 京子 石垣 理子 雙田 珠己 田中 早苗 中村 邦子 土肥 麻佐子 原田 妙子 小柴 朋子 滝澤 愛 布施谷 節子 鳴海 多恵子 高部 啓子 河内 真紀子 増田 智恵 川端 博子 薩本 弥生 猪又 美栄子 川上 梅 渡部 旬子 倉 みゆき 丸田 直美 十一 玲子 伊藤 海織 角田 千枝 森下 あおい 上西 朋子 武本 歩未
出版者
日本女子大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

2014~2016年に関東、関西、中部、中国、九州地区で3200名、約50項目の日本人成人男女の人体計測を行い、マルチン計測による3200名と三次元計測による2000名のデータベースを構築した。これにより、アパレル市場の活性化と国際化が期待でき、JIS改訂の根拠データが得られた。人体計測データの分析の結果、現代日本人は20年前に比べ身長が高く、四肢が長いことが明らかになった。また、若年男子のヒップの減少と中高年成人女子におけるBMIの減少が顕著であった。
著者
川端 博子 日景 弥生 鳴海 多恵子
出版者
日本衣服学会
雑誌
日本衣服学会誌 (ISSN:09105778)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.99-107, 2004 (Released:2021-08-19)
参考文献数
6
被引用文献数
2

We conducted a survey on self-evaluations of skillfulness and attendance in daily activities for private high school students in Tokyo. We also conducted a threads-tying test to determine functional degrees of fingers and hands. We analyzed how skill or lack of skill in using fingers and hands and self-evaluations of skillfulness related to attitudes in daily activities and consciousness towards practical classes. The results are as follows :1. Only about 30% of the high school students evaluated themselves skillful in fingers and hands. They tended to have less confidence about their skillfulness in fingers and hands.2. Analyzing the attitudes in daily activities and reasons, related to self-evaluation of skillfulness, confidence about skillfulness had a relation with positive attendance in daily activities and marks/grades at practical classes.3. The girl students achieved more on threads-tying test than the boy students, which was considered to have relation with the frequency in using fingers and hands in daily activities.4. Self-evaluation of skillfulness did not necessarily coincide with actual skillfulness determined by the test. The sample was divided into the four groups ; skillful, over-estimate, under-estimate and unskillful groups. Considering the characteristic of each group, matters to be paid attention to in educational method in practical classes including sewing class were discussed.
著者
安岡 和佳 鳴海 多恵子
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.48, pp.38, 2005

<目的> 布を使ったものつくりの指導は、児童・生徒さらに短大・大学の学生においても知識・技能の低下や興味・関心の希薄さから多くの課題を抱えており、教材や指導法について種々の研究が行われている。本研究は、製作環境面から課題解決をはかることを目的として、代表的な用具であるミシンの日常的な使用実態に基づく改善等について検討した。<br><方法> ミシンを一定期間貸与し、その間の使用状況および使用上の意見や要望を中心にモニター調査した。 対象は教育学部に在籍する女子学生22名である。モニター22名のうち応募によるものが13名、依頼が9名である。モニター期間は2004年8月_から_10月初旬の約60日間である。貸与したミシンは12通りのジグザグ機能のある直線縫いミシンで、自動糸調子設定、上停止・下停止機能等がある。種々の機能については調査期間前にモニターに説明をした。調査方法は、記録用紙を配布し、ミシン使用時に使用日時、作業内容、使用場所、使用機能や縫い目の種類等についての記入を依頼した。また、製作物、作業場所、収納場所の写真による記録も依頼した。さらに、モニター期間後に記録内容をもとにミシンの使用感やミシンへの要望やこれまでの被服製作に関する学習経験等について記入式および聞き取りによる調査を行った。<br><結果> モニターがミシンを使い始めたきっかけは、「身近な人がミシンを使用していた」ことが70%と多く、「家庭科の授業」とする人の割合を大幅に上回った。<br>さらに「身近な人からミシンの使い方や裁縫を教えてもらった」経験は85%が持ち、今回のモニターについては家庭縫製にふれる環境が幼少時代にあったことがわかった。しかし、モニター期間前の日常的な布を使ったものつくりは55%が「していない」状況であった。 モニター期間中のミシンの使用日数は、モニターの72%が1日_から_5日間であり、平均使用日数は11日であった。最大では32日間の使用もあったが、全く使用しなかったモニターが4名あり、縫製の基礎知識がないことや縫製用具が揃っていないことが意欲を欠く要因であったことがあげられた。<br>ミシンの使用場所はほとんどが自室で、「こたつくらいの高さの座卓」「20cmくらいの高さの木箱や机」と座位での使用が80%であった。ミシン使用時の不都合な点として、ミシンが重いことや準備の面倒さ、スペースの確保の難しさがあげられており、製作意欲に用具と住環境の相互の問題が影響することが示された。<br>モニター期間中のミシンの使用目的は、衣服製作はリメイクも含め8名(9点)あったが、全般的にはマットやカーテンなどの生活用品(35点)やバッグや小物の製作(16点)、衣服の裾直しなどの補修(28点)など、簡易なものが多かった。<br>使用した機能などについては、モーターの作動は「スタートストップボタン」の使用が86%であったが、座位の使用状況でも膝を立ててコントローラを使用する例もあり、両手が作業に使用できる利点へのこだわりもみられた。また、押さえは7種あったが、作品の部位や布の特性に応じて付け替える事はなされず、基本押さえのみで製作されていた。ジグザグ縫いは30%の作品に使われていたが、刺繍模様縫いについてはほとんど使われず、将来子どものために作るものに使う縫い目、との位置づけがされていることがわかった。<br> 以上の結果から、ものつくりの意欲を支持し持続させるために、ミシンはさらに軽量化と省スペース化、使用実態に応じて選定された機能に簡易化する改善が求められるとともに、被服製作学習におけるミシン指導においては、生活用品など容易なものの製作活動の実態を視野にいれて、教材設定されることの必然性が示唆された。
著者
内野 香織 鳴海 多恵子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.58, pp.99, 2006

[目的] 衣服の着脱は日常的に繰り返される基本的動作であるが、その動作は少なからず身体に負担がかかり、身体機能によっては着脱に大きな負担がかかるため、着脱の動作特性を捉えることは全ての人にとって有用であると考える。本研究では、身体特性として柔軟性に着目し、衣服着脱動作における身体負荷と身体柔軟性の関係を明らかにすることを目的とした。<BR>[方法] 被験者は9・11号サイズの衣服を着用している18∼24歳の女性27名である。試験服は綿シーチングを用い、バスト部のゆとり量を0cmおよび10cmとした長袖のかぶり型上衣2種と、市販のランニングシャツとした。被験者の身体柔軟性は、上半身及び上肢に関する柔軟性を計測した。着脱動作については、試験服の着脱に要する時間を計測するとともに、その間の感覚に関する官能検査を行った。また、日常の着脱に関する質問紙調査も行った。<BR>[結果] 柔軟性については、自己申告および柔軟性の計測結果により、ほぼ半数ずつの2グループに分けた。柔軟性が低いグループは、柔軟性が高いグループに比べて着衣・脱衣ともに動作に要する時間が多く、着衣より脱衣において動作に要する時間がかかった。また、日常動作や着脱動作で「負担が大きい」と感じることが多い傾向が見られ、特に背面に腕を回す動作で質問紙の回答に差が見られた。
著者
川端 博子 鳴海 多恵子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.123-131, 2009 (Released:2011-08-30)
参考文献数
8
被引用文献数
3

Thread-tying tests and questionnaire surveys were conducted on 247 boys and 271 girls in elementary schools from July to November, 2007. The questionnaires asked the participants' about their frequency in engaging in play, their confidence towards play, their study preferences, and their consciousness towards making things by hand. We analyzed how their skill or lack of skill in using their fingers and hands was related to the results of the questionnaires. The results were as follows: (1) The mean number of knots made in a five-minute thread-tying test was 6.4 for boys and 10.2 for girls, showing a significant difference between boys and girls. Comparing these results with the previous results in 1995, skillfulness in fingers and hands among elementary-aged children appears to be declining. (2) Boys and girls with abundant indoor play experience tended to have higher skillfulness in fingers and hands. As their degree of confidence towards play using their hands declined compared with the results in 1995, a change in the way they play can be considered as one of the reasons for their decline of their skillfulness in fingers and hands. (3) Boys and girls with higher skillfulness in fingers and hands tended to like studies which require the use of their hands and other studies that require repetition. This tendency is more prominent among girls. (4) Sewing seems to have a mutual relationship with skillfulness in fingers and hands, abundant play experience, preference towards studies using the fingers and hands, and consciousness towards making things by hand. Therefore, it can be suggested that sewing studies can nurture positive attitudes towards various other kinds of learning and activities using the hands, as well as develop skillfulness in fingers and hands.
著者
雙田 珠己 鳴海 多恵子
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究の目的は、1.肢体不自由児と保護者を対象とした衣生活教育プログラムの実践2.子どもたちの衣生活を改善する修正衣服の検討である。衣生活支援活動は、肢体不自由特別支援学校の高校生と保護者を対象に、前者には着装に関する授業を行い、後者には既製服を障害に合わせて修正する技術指導を行った。また、被験者5人の着脱動作に合わせて既製ジーンズを修正し、着脱時の生理的負担が軽減されることを確認した。
著者
鳴海 多恵子
出版者
東京学芸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本研究は、衣服の着脱における負担を軽減することにより、運動機能に障害のある人の衣生活を改善することを目的として、既製服の効果的な修正方法を提案するとともに、その修正方法の効果を心拍変動スペクトル解析による数値的評価を行い実証した。まず、健常者を対象に心拍変動スペクトル解析を用いた評価の有効性を確認し、その上で、運動機能に障害がある人を対象に評価を行った。被験者は健康な女性5名(21〜23歳)と脳性マヒがある男性1名(18歳)である。健康な女性5名は、異なる2つのタイプの長袖Tシャツ(着衣しやすいTシャツと着衣しにくいTシャツ)の着衣を行った。そして、介助を必要とする脳性マヒ患者は、既製服の長袖Tシャツを基本として、それを着やすくするために修正を加えたもの2種を作製し、3種の試験着を着衣した。自律神経活動は、それぞれのタイプのTシャツを着衣する前と着衣後3分間で、心拍変動スペクトル解析を用いて評価した。その結果、健常者、脳性マヒ患者とも着にくい服を着衣した際に、着衣1分後にLF/HFが明らかに増加し、HF/TPは著しく減少を示し、心拍変動スペクトル解析を着やすさの評価に用いることの有効性が示唆された。また、それを用いて衣服の修正効果が実証できた。さらに、心拍変動スペクトル解析による実験精度を高めるために、試験着の着衣順序の影響や従来、着用実験の評価として用いられている官能検査と心拍変動スペクトル解析との関係について確認したところ、着衣後の心拍変動反応は着衣の順序効果があることが認められ、解析において配慮すべきであることが明らかとなった。また、官能検査では身体的な負担が評価されることが認められ、着衣動作による負担の評価においては心理的な評価が可能な心拍変動スペクトルを併用することが適切であるといえた。
著者
雙田 珠己 鳴海 多恵子
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.54, no.9, pp.739-747, 2003-09-15
被引用文献数
4

本稿は,運動機能に障害がある人の衣生活を明らかにすることを目的として,運動機能に障害がある人自身を対象に調査を行い,以下のような結論を得た.(1)今回の調査対象者は,86.4%が車イスを利用しており,脳性マヒの人が全体の51.5%を占めた.(2)衣服の着脱が一人でできる人は,全体の62.1%であったが,「難しいところだけ手伝ってもらう人もそのうちの半数みられた.(3)衣服の購入については,スーパーやデパートの利用が多く,介護用品の専門店やコーナーを利用している人はいなかった.約90%の人が一般の既製服を中心に衣生活を賄っており,既製服を「そのまま着ることが多い」人は63.6%であった.衣服を購入するときに,自分で店舗に行く人は60.6%みられ,衣服への関心の高さが伺われた.(4)調査対象者の衣生活に対する意識を測定し,因子分析した結果,5つの因子が抽出され「おしゃれ心」「自意識」「所有欲」「社会性」「自尊心」と命名した.年齢層と着脱の自立の状態別に,因子得点の平均値の差を分散分析により検定した結果,危険率5%で「所有欲」の因子に差がみられ,若年層は中高年層よりも「所有欲」が強いことが明らかとなった.一方,着脱の自立については,着脱の自立別に衣生活に対する意識の構造を比較したが,一人で着脱ができる人と介助を必要とする人に差は認められなかった.(5)「デザイン性重視」の人は,「着脱性重視」の人に比べ有意な差をもって「所有欲」と「自意識」および「おしゃれ心」の因子得点が高かった.以上より,障害がある人の衣生活に対する意識には,一人で着脱できるか要介助かといった着脱の自立の違いは,影響をおよぼさないことが明らかになった.障害がある人の衣服を考える際に自立の状態を重視し,着脱性だけを考慮することは,装いに対する好みや意欲を否定することになると懸念された.