著者
大塚 美智子 森 由紀 持丸 正明 渡邊 敬子 小山 京子 石垣 理子 雙田 珠己 田中 早苗 中村 邦子 土肥 麻佐子 原田 妙子 小柴 朋子 滝澤 愛 布施谷 節子 鳴海 多恵子 高部 啓子 河内 真紀子 増田 智恵 川端 博子 薩本 弥生 猪又 美栄子 川上 梅 渡部 旬子 倉 みゆき 丸田 直美 十一 玲子 伊藤 海織 角田 千枝 森下 あおい 上西 朋子 武本 歩未
出版者
日本女子大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

2014~2016年に関東、関西、中部、中国、九州地区で3200名、約50項目の日本人成人男女の人体計測を行い、マルチン計測による3200名と三次元計測による2000名のデータベースを構築した。これにより、アパレル市場の活性化と国際化が期待でき、JIS改訂の根拠データが得られた。人体計測データの分析の結果、現代日本人は20年前に比べ身長が高く、四肢が長いことが明らかになった。また、若年男子のヒップの減少と中高年成人女子におけるBMIの減少が顕著であった。
著者
渡邊 敬子 森下 あおい 大塚 美智子 諸岡 晴美 丸田 直美 石垣 理子 持丸 正明 小山 京子
出版者
京都女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

3Dでスキャンした人体形状や類型化されたグループの平均形状のデータをそのままボディとして用いるのではなく、ドレスボディのようにゆとりの入った形状に変換したものを用いると、より効率良くパターン設計ができると考えられる。そこで、a)ヌードボディとドレスボディを3D計測し、断面を比較するb)ボディ制作者・ボディメーカー等の聞き取りを行うc)研究室所蔵の体表の伸縮データを再検討するなどして、ゆとりを入れる場所と量について検討した。この結果を参考に、LookStailorXで既存のヌードボディに対して、適量のゆとりを入れたガーメントを作成した。このヌードボディとガーメントデータの差分を利用して、HBM-Rugleでモーフィングによる変形を試みた。腕付根位の周囲長で2cm、5cm、8cmのゆとりが入るように変換したボディを基に、タイトフィットのパターンを作成し、厚地のトワルで実験着を作成した。モーフィングで変換した断面図を観察すると、意図した箇所にゆとりを付与できていた。また、製作した実験着の外観には不自然なつれや余り皺はなく、衣服圧の検討からは、ゆとり2cmでも日常の小さな動作には対応できることが分かった。さらに、体格が違う男性や子どもにも同様にモーフィングを行ったところ、意図した箇所にゆとりを付与できており、汎用性があることが予想された。一方、昨年度までは、体型の分類のため、体幹部と下肢部に分けて相同モデルを作成し、解析してきた。全身のモデルは腋下や股下の欠損があり、計測器に付属したソフトの補間では、この部位が実際の位置よりも下方でつながれ、寸法算出や着装シミュレーションの際に問題が生じていた。そこで、ジェネリックモデルやランドマーク位置を工夫することで、これらの位置が正しく表現できる相同モデル作成が可能にした。この方法を用いて、今までに計測したデータをモデル化している。
著者
中村 邦子 田中 早苗 武本 歩未 大塚 美智子
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.61, no.12, pp.849-863, 2020-12-25 (Released:2020-12-25)
参考文献数
6

JIS 衣料サイズの改正から20 年以上が経過し,日本人成人の人体寸法データベース2014−2016 に基づく改正について検討されている.JIS 衣料サイズは新しく制定されたISO 8559-3 に対応する必要がある.本研究では,日本人の人体寸法の推定を行い,ISO 8559-3 に対応するサイズ別人体寸法表を作成することを目的とする.日本人の人体寸法データベース2014−2016 の女性1633 名の人体計測結果を利用して,1633 名全体とDROP による体型分類別3 グループ,年齢層を25 歳未満, 25 歳~40 歳,40 歳~55 歳,55 歳以上の4 グループ,計8 グループについて分析した.身長,乳頭位胸囲,胴囲,腰囲,体重の計測項目から,重回帰分析に用いる変数の組み合わせを検討し,上半身にフィットする説明変数は,身長と乳頭位胸囲の2 変数が適当であることを確認した.重回帰分析により回帰係数の推計を行い,算出した定数と係数からDROP による体型分類別と年齢層別のサイズ別人体寸法表を作成した.さらに,胴囲,腰囲,体重を加えた5 変数のサイズ別人体寸法表を作成した.数値モデルにより,現代日本人の体型を幅広く推定することが可能である.また,人体寸法の推定により算出した,項目間のインターバルはパターンメーキング,グレーディング,フィット性の評価などに活用できると考える.
著者
張 立娜 武本 歩未 大塚 美智子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.66, no.11, pp.563-573, 2015 (Released:2015-11-14)
参考文献数
8

Three-dimensional measurements of Chinese middle-aged and elderly women and younger women were used to ascertain the body type characteristics of middle-aged and elderly women. An average body shape was determined based on principal component analysis of 3-dimensional body shapes, and the body type characteristics of middle-aged and elderly women and younger women were compared. In addition, a model of the trunk that closely followed the contours of the body was created to simulate a virtual model of an average body shape, and the characteristics of the body shape of middle-aged and elderly women were ascertained. Principal component analysis of 3-dimensional body shapes identified the forward/backward or left/right of the body, body fat percentage, and spinal curvature as body type characteristics of middle-aged and elderly women. A cross-sectional comparison with the body angles of an average body shape revealed that middle-aged and elderly women had a gently sloping bust, a more protruding abdomen, and a marked disappearance of the “S curve” of the spine. A pattern that closely followed the contours of the body was created based on the average body shape. Body type characteristics of middle-aged and elderly women that were identified in principal component analysis were a rising incline from the anterior obliques to the shoulders, and the degree of obesity was distributed in the upper anterior obliques.
著者
武本 歩未 大塚 美智子
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.303-316, 2021-05-25 (Released:2021-05-25)
参考文献数
14

アパレル3D-CAD を用いた衣服設計の実用化に向けて,さまざまな体形のバーチャルボディの生成方法の提案を目指し,人体の手計測データから三次元人体形状の推定を試みた.使用データは,20~70 歳代女性123 名の手計測データと三次元人体形状データである.人体形状データの主成分分析から得た主成分得点と手計測データの重回帰分析により主成分得点推定式を作成し,推定形状を生成した.検証用データを用いて,推定式の精度,推定形状の再現性の検証を行った.その結果,第1,2 主成分得点推定式は精度が高く,推定主成分得点の残差が小さい場合,実測人体形状の体形特徴を精度高く再現した推定人体形状が生成できた.しかし,第3,4,5 主成分得点推定式は,主成分得点と手計測データの相関関係が低いため,精度が低く,実測人体形状の体形特徴を十分に再現した推定人体形状は生成できず,人体形状を表すための手計測データの項目選定が必要であることが分かった.
著者
福井 典代 武本 歩未 大塚 美智子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.70, pp.59, 2018

<b>目的 </b>服装評価についてはSD尺度やリッカート尺度を用いて一般的に測定されているが,官能量と布の物性値との関係を明らかにした研究は見られない。本研究では,一対比較法を用いて上衣のゆるみの見え方を測定して,布の力学特性との比較を行い,それらの関係性を明らかにすることを目的とした。<br><b>方法 </b>(1)ジョーゼット,デシン,トロピカル2種類,タフタの計5種類のポリエステル平織白布を使用した。ドレープ法による剛軟度の測定を行うとともに,KESを用いて引張り剛性,せん断剛性を測定した。(2)実験衣はハイウエスト切り替えのギャザーチュニックとし,5種類の布を用いて同一デザイン・サイズのチュニックを製作して人台に着用させた。衣服の大きさ,美しさ,好みの評価について,5段階尺度により女子大生20名を対象として調査した。分析はシェッフェの一対比較法中屋変法を用いて算出した。(3)剛軟度に着目し,衣服の見え方と布の剛軟度との関係性を求めた。<br><b>結果</b> (1)衣服の大きさについて一対比較により分析した結果,タフタ,トロピカル,デシン,ジョーゼットの順に小さく見えた。美しさと好みは大きさと反対の結果になった。(2)衣服の大きさに関する官能評価と布の剛軟度との間に正の相関関係が得られた。美しさと好みに関しては,負の相関関係となった。以上の結果から,ギャザーのある本実験衣では布が柔らかいほど体型が小さく,美しく見えるということが実証された。
著者
高寺 政行 大谷 毅 森川 英明 乾 滋 南澤 孝太 佐藤 哲也 鋤柄 佐千子 大塚 美智子 金 キョンオク 宮武 恵子 松村 嘉之 鈴木 明 韓 載香 柳田 佳子 古川 貴雄 石川 智治 西松 豊典 矢野 海児 松本 陽一 徃住 彰文 濱田 州博 上條 正義 金井 博幸 坂口 明男 森川 陽 池田 和子 鈴木 美和子 北折 貴子 鄭 永娥 藤本 隆宏 正田 康博 山村 貴敬 高橋 正人 中嶋 正之 太田 健一 堀場 洋輔
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2012-05-31

我が国ファッション事業の国際化に寄与する研究を目指し,国際ファッション市場に対応する繊維工学的課題の解決,国際ファッション市場に通用するTPS/テキスタイル提案システムの構築を行った.国際市場に実績ある事業者を対象とし,現場の調査,衣服製作実験,商品の評価を行い我が国との比較を行った.欧州・中国と日本における衣服・テキスタイル設計,評価および事業の違いを明らかにし,事業と技術の課題を明らかにした.デザイナーのテキスタイル選択要件を調査し,テキスタイルの分類法,感性評価値を組み込みTPSを構築した.日欧で評価実験を行い有効性を確認した.また,衣服・テキスタイル設計評価支援の技術的知見を得た.
著者
大塚 美智子 塩崎 正恵 濱崎 香保子
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.50-59, 2002-01-25 (Released:2010-09-30)
参考文献数
12

本研究は問題行動が目立つ「17歳」の少年に着目し, 男子高校生を対象に調査を行った.まず, エゴグラムを用いて彼らの性格を分類し, その性格と被服嗜好との関係について分析を試みた.得られた結果は次の通りである.1) エゴグラムを用い男子高校生の性格は明確に分類され, 各々の被服嗜好の特徴を把握することができた.2) 男子高校生の多くはAC型, N型のA低位型, M型, 平坦型の4つに分類された.3) AC型, N型のA低位型, M型, 及び平坦型の性格は服飾に関する意識や選択に現れていた.4) 抑うつ状態に陥りやすい自我状態であるAC優位型の多くが帽子を着用していたことは注目に値する.