著者
笠松 慶子 鈴木 哲 辛島 光彦 泉 博之 神代 雅晴 二宮 理憙
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.125-131, 2004-06-15 (Released:2010-03-15)
参考文献数
11
被引用文献数
2 2

本研究では, 月経周期の月経前期, 月経期および低温期の三つの時期において2種類の実験作業における作業パフォーマンスと月経随伴症状の違いについて検討した. その結果, 単純反応型作業での総作業量と反応時間においては月経周期の時期の影響を受ける傾向があり, 低温期では他の二つの時期に比べて作業パフォーマンスが高いことが認められた. 状況対応型作業では月経周期の時期の影響は認められなかった. 月経期には身体的な変化, 月経前期には精神的な変化が強く現れた. なお, 本研究の被験者は7名と少数であり, 限定されたデータから得られた結果である.
著者
和泉 博之
雑誌
北海道医療大学歯学雑誌 (ISSN:18805892)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.33-62, 2010-06

味覚性発汗とは何かを述べたうえで、Frey症候群、汗腺・血管・唾液腺の自律神経支配、胸腔鏡下交感神経遮断術、味覚性発汗で発汗のみでなく発赤も起こる機序、味覚性発赤、血管拡張反応と発汗反応との違い、味覚性発汗の臨床的処置について概説し、最後に具体的な胸腔鏡下胸部交感神経遮断術に関する臨床報告を紹介した。
著者
石井 久淑 新岡 丈治 和泉 博之
出版者
日本生理学会
雑誌
日本生理学会大会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.202-202, 2006

The sympathetic nerve (SN) has been reported to be involved in the development of jaw muscle dysfunctions because the masseter muscle pain is usually accompanied with the increase in the SN activity. We have recently reported that there are parasympathetic (PS) vasodilator fibers in the rat masseter muscle and that these fibers would be involved in the regulation of the hemodynamics of jaw muscles (J. Physiol. 569, 617-629, 2005). It is still unclear whether there is an interaction between the PS vasodilatation (PSV) in the masseter muscle and the SN activity. The present study was thus designed to examine 1) the effect of SN activation on the PSV in the masseter muscle, and 2) the neural mechanisms mediating the effect in anesthetized rats. The PS mediated masseter muscle blood flow (MBF) increases were evoked by electrical stimulation of the central cut end of the lingual nerve. The magnitudes of MBF increase were significantly reduced by ongoing electrical stimulation of the superior cervical sympathetic trunk in a frequency-dependent manner (0.5-10 Hz). Pretreatment with BIBP 3226, a neuropeptide Y (NPY) Y1 receptor antagonist, significantly reduced 30-40% in this inhibition, but phentolamine had no effect. The present study indicates that the excessive SN activation inhibits the PSV in the masseter muscle, suggesting a potential role in the etiology of jaw muscle dysfunctions. This inhibitory action may be due to an interaction of the PS vsodilator fibers and NPY that would be released from sympathetic fibers. <b>[J Physiol Sci. 2006;56 Suppl:S202]</b>
著者
和泉 博之
出版者
北海道医療大学歯学会
雑誌
北海道医療大学歯学雑誌 = The dental journal of Health Sciences University of Hokkaido (ISSN:18805892)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.33-62, 2010-06

味覚性発汗とは何かを述べたうえで、Frey症候群、汗腺・血管・唾液腺の自律神経支配、胸腔鏡下交感神経遮断術、味覚性発汗で発汗のみでなく発赤も起こる機序、味覚性発赤、血管拡張反応と発汗反応との違い、味覚性発汗の臨床的処置について概説し、最後に具体的な胸腔鏡下胸部交感神経遮断術に関する臨床報告を紹介した。
著者
和泉 博之
出版者
北海道医療大学歯学会
雑誌
北海道医療大学歯学雑誌 = The dental journal of Health Sciences University of Hokkaido (ISSN:18805892)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.119-160, 2011-12

生きているヒトの生体機能について、以下の項目に分けて概説した。1)ヒトの誕生まで、2)ヒトの身体とは、3)性について、4)感覚器の発達、5)体幹の皮膚と顔面の皮膚、6)副交感神経性血管拡張線維の発見までの歴史、7)顔面口腔領域での反射反応、8)脳について、9)細胞・生命体反応。
著者
斎藤 峻 和泉 博之
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

本研究では、嚥下反射と同様な反射経路を持つと考えられる、顔面における体性-副交感神経反射性血管拡張反応の中枢機序を検討した実験方法としては、ネコを全身麻酔導入後、ウレタン-クロラロース-パンクロニウム-人工呼吸下にて麻酔を維持した。脳定位固定装置に固定後、開頭し、三叉神経脊髄路核に同芯円電極を挿入して、三叉神経脊髄路核に電気刺激を行った(2ms、100μA、10Hz、20s)。反射性血管拡張反応は舌神経を中枢性に電気刺激(2ms、30V、10Hs、20s)して起こした。血管反応は下唇をレーザードップラー血流計で測定した。その結果、1)三叉神経脊髄路核の電気刺激は下唇の血流を増加させた。2)舌神経刺激による反射性血管拡張反応は三叉神経脊髄路核へのLidocaine(2%;1μ1/site)注入により可逆性に抑制されkainic acid(10mM;11μ1/site)により非可逆性に抑制された。しかし、下唾液核電気刺激(2ms、30V、10Hs、20s)で生じる反応はこれらの薬剤注入では全く抑制されなかった。3)唾液核にLidocaineを微量・注入すると、反射性血管拡張反応は可逆的に抑制された。4)舌神経及び三叉神経脊髄路核刺激によって起こる下唇の血管増加反応は共に自律神経節遮断薬(Hexamethonium,1mg/kg)により有意に抑制された。以上の結果から、三叉神経脊髄路核は舌神経刺激により生じる体性-副交感神経反射性血管拡張反応を中継していることが示唆された
著者
榎本 和生 古泉 博之 金井 誠 金森 麗
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

ショウジョウバエ幼虫感覚ニューロンでは、同種ニューロンの樹状突起間に生じる反発作用を介して受容領域を確立することが示されていた。私達は、ショウジョウバエ成虫感覚ニューロンの解析を行い、樹状突起間に生じる反発作用には依存しない受容領域形成機構の存在を明らかにした(Yasunaga et al. Genes Dev 2015)。さらにその責任因子として、ニューロン周辺の上皮細胞から分泌されるWnt5と、その受容体Drlを同定した。さらに、受容体Drlの下流シグナルの同定も行い、低分子量G蛋白質RhoGTPaseのGEFであるTrioがRhoAの活性化を介して細胞骨格の再編を誘導することを示した。