著者
永岡 美佳 藤田 博喜 中野 政尚 渡辺 均 住谷 秀一
出版者
日本保健物理学会
雑誌
保健物理 (ISSN:03676110)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.104-113, 2013 (Released:2014-03-06)
参考文献数
25
被引用文献数
1 4

Monthly deposition samples were collected at the Nuclear Fuel Cycle Engineering Laboratories located about 115 km south of the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant (NPP), and the radioactive nuclides were analyzed. Although radionuclides such as 131I, 129mTe-129Te and 132Te-132I with 134Cs and 137Cs were observed by gamma spectrometry at the early time of the Fukushima Daiichi NPP accident, only 134Cs and 137Cs were detected as of September 2011. The annual depositions of 134Cs and 137Cs were about 19,000 and 17,000 Bq m-2, respectively in March 2011-February 2012 after the accident. Moreover, 90Sr was detected in some samples. Monthly 90Sr deposition in March 2011 was 5.1 Bq m-2 month-1 and then decreased after that. On the other hand, 239, 240Pu concentration was the same level with the concentration before the accident.
著者
山岡 傳一郎 伊藤 隆 浅間 宏志 佐橋 佳郎 三谷 和男 姜 東孝 安井 廣迪 渡辺 均
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.270-280, 2017 (Released:2017-12-26)
参考文献数
18
被引用文献数
1 6

漢方製品の使用量と金額は近年増大しているが,輸入生薬単価の上昇と保険薬価低下のために,漢方薬を扱う業界には長期低落傾向がみられる。生薬国内生産はこの30年間減少し続けているが,状況改善への試みがなされている。福島県の会津産人参生産量は153トンから8トンに減少したが,圃場の拡大と栽培期間短縮の研究が開始された。奈良県では生産から販売までの一貫体制の構築に取組み,大和当帰を用いた新たな商品開発販売のため,生産者,製薬・食品メーカー,大学研究機関による協議会が活動している。また薬用作物の国内生産に向けて,農林水産省,厚生労働省ならびに日本漢方生薬製剤協会は,3年間にわたり生産者と製薬各社とのマッチング会議を各地で開催してきた。漢方による医療費削減のためには,漢方製剤だけでなく煎薬などの生薬を直接用いた治療のできる医療体制が必要である。生薬国内生産コストを賄う施策に関する議論が望まれる。
著者
中野 政尚 檜山 佳典 渡辺 均 住谷 秀一
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.319-328, 2010 (Released:2010-05-28)
参考文献数
5
被引用文献数
1 1

排水中89Sr,90Sr分析を行うにあたって,β線エネルギーの違いを利用して,液体シンチレーションカウンタを用いた迅速分析法について検討した。本法により妨害核種(54Mn,60Co,106Ru,137Cs)を含む模擬排水試料を分析したところ,十分な分析精度と回収率が得られた。また従来法では分析に2~3週間要していたが,本法では3~4日間で分析できることから,排水中89Sr,90Sr分析として,十分に適用可能な優れた方法であることを確認した。
著者
宮下 佳廣 渡辺 均 岩崎 寛 渡辺 均 Hitoshi Watanabe ワタナベ ヒトシ 岩崎 寛 Yutaka Iwasaki イワサキ ユタカ 山口 利隆 Toshitaka Yamaguchi ヤマグチ トシタカ
出版者
千葉大学大学院園芸学研究科
雑誌
食と緑の科学 (ISSN:18808824)
巻号頁・発行日
no.64, pp.77-89, 2010-03

2009年,千葉大学園芸学部は創立100周年を迎えた.今日までの多くの研究業績を踏まえ新たな世紀に向けて取り組むテーマの一つとして,2010年から園芸学部と戸定会との共同による社会貢献教育プログラムをスタートさせる.修了者には資格として「環境園芸士」を授与することで検討を進めている.その目的は園芸技術を広め園芸文化を高めることにある.対象は社会人と学生を含めた市民の園芸愛好者・園芸入門者である.教育プログラムの内容は花卉,蔬菜,果樹・植木の各専門科目とし,個人の趣味園芸のレベル向上と「花と緑の街づくり」の指導者養成を目指し,2010年9月に花卉のプログラムから開始する予定である. 本稿の筆頭者は,「環境園芸士」の提案者として,100周年記念行事の一環として進められた「園芸資格制度検討委員会」(第1表)の発起人の一人となった.本稿は,「園芸資格制度検討委員会」設立の経緯と活動状況,及び「環境園芸士」資格制度に関する調査・研究の経過を著わすものである.In 2009, 100 years had passed since Faculty of Horticulture, Chiba University was established. To spread knowledgewhich has been achieved in these 100 years, university staffs and alumni will start a program, called 'EnvironmentalGardener' as a part of memorial events. The aim of this program is to spread technologies of horticultureand to enrich cultures of horticulture. A certifi cation is going to be given for people who fi nished this program.There are four courses for this program: fl owers, vegetables, fruits and garden plants. This is designed for studentsand members of society. The fl ower course will start September 2010 at fi rst. Each course has lectures on basicplant knowledge such as plant cultivation, plant physiology, ecology, soil, fertilizer, pest control and garden design,as well as practices at university farm.
著者
國分 尚 安藤 敏夫 渡辺 均 塚本 達也 MARCHESI EDUARDO
出版者
日本植物分類学会
雑誌
植物分類・地理 (ISSN:00016799)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.207-219, 2000-02-28

既に報告したウルグアイにおけるPetunia axillaris subsp. axillarisとsubsp. parodiiの中間型の由来について考察するため,野生種子由来のsubsp. axillarisとsubsp. parodiiから正逆組み合わせのF_1,さらにF_2個体を育成し,花器形態の遺伝様式を調査した。特に,ウルグアイの2亜種を区別する重要な形質でありながら,今まで無視されてきた雄ずいの状態(2強または4強)に注目し,以前の研究者にも取り上げられている花筒長および花冠径とともに計測した。また,花筒長/花冠径比と,Kokubun et al.(1997;植物分類,地理48巻:173-185)の判別関数Z_<12>による判別得点を2次変数として分析に供した。その結果,各形質は量的に遺伝していたが,4強雄ずいはF_1個体には現われず,F_2になって初めて出現し,あたかも劣性遺伝子のようにふるまった。Subsp. axillarisとsubsp. parodiiよりも分散が大きく,それはsubsp. axillarisを母親にしたF_1個体にも継承された。F_1,F_2個体とも,計測値はおおむね両親の値の範囲に分布した。正逆の組み合わせを比較した場合,計測値は母親の値に近く,特にsubsp. axillarisを母親とした場合,subsp. axillarisとF_1・F_2個体の値の分布に重なりが見られた。このことは判別得点についても言え,前報でsubsp. axillarisと判定された群落の中にもsubsp. parodiiの遺伝子が浸透している可能性が示唆された。F_2個体では花筒が長いほど4強雄ずいに近くなる(subsp. parodiiに似る)傾向が示された。Colonia州のLa Plata川沿いに見られた中間型は本研究で得られたF_2個体の一部に似ており,この中間型が雑種起源である可能性が認められたが,FloresおよびSoriano州のNegro川下流域に見られた小輪の花をもつ中間型はsubsp. axillarisとsubsp. parodiiの交雑だけで説明することは難しいと思われた。
著者
渡辺 均 安藤 敏夫 塚本 達也 / Eduardo Marchesi
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.33-40, 2001-01-15 (Released:2008-01-31)
参考文献数
35
被引用文献数
10 20

ペチュニア品種の育種に資するため, 赤花の希少種であるPetunia exserta (2n=14)とPetunia sensu Jussieu (Petunia sensu WijsmanとCalibrachoaの総体)46分類群との交雑親和性を調査した.P. exsertaとCalibrachoaの正逆交配からはさく果が得られなかった.P. exsertaを母親とした場合はP. occidentalisを除くすべてのPetunia sensu Wijsman分類群と交雑可能であったが, 父親とした場合, 交雑可能なのは6分類群に限られ, 本種が一方向不親和性(unilateral interspecific incompatibility)を示す場合の多いことが判明した.P. exserta×P. axillaris subsp. axillarisのF2世代は赤花個体を分離したが, P. exsertaに最も近い発色をする個体にはP. exsertaの主要色素であるdelphinidin配糖体が優位に存在し, 従来の赤花とは異なる機作によって赤色を発現させる可能性が示唆された.
著者
渡辺 均
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

市販の屋上緑化薄層基盤土壌では,降雨や灌水によって施工初期から土中の栄養塩類の流出が確認された。土厚10cmの屋上緑化薄層基盤土壌1m2に換算すると438~688リットルの降雨もしくは灌水によって,土壌中のほとんどの栄養塩類が流出することが推計された。さらに,その土壌素材ごとに栄養塩類量を調査したところ,バーク堆肥に含まれる栄養塩類が最も流出していることが確認された。屋上緑化薄層基盤土壌はパーライト,ピートモス,ゼオライトを主体とした配合にすることで,シバの生育と品質を維持させながら,栄養塩類の流出量を低減できることが明らかとなった。
著者
國分 尚 安藤 敏夫 光山 修司 渡辺 均 塚本 達也 Marchesi Eduardo
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.26-39, 2002-01-15
被引用文献数
1 1

南米ウルグアイの102地点から採集したPetunia axillarisの種子より植物を育て, 園芸的に重要と考えられる3つの花器形質と7つの栄養器官形質を計測し, その変異幅を調査して, 有用と考えられる形質の集中する地域を抽出した.両形質の多くについて, 亜種axillaris, 亜種parodiiおよび2種の中間型の間に有意差がみられた.各群落は株の高さ, 株の幅, 開花時の側枝数の3形質を用いたクラスター分析により次の6つの形態型に分類できた.1)直立・高性, 2)中間型, 3)コンパクト, 4)粗放, 5)小型・ほふく性, 6)大型・ほふく性.これらの形態型と自生地の環境, 特に河岸, 海岸の群落について考察し, また種内分類群との関連についても述べた.さらに園芸的に利用可能と思われる形質をもつ群落とその育種における有用性について考察した.