著者
清水 みはる 中村 桂子 奥村 智人 澤 ふみ子 濱村 美恵子 稲泉 令巳子 筒井 亜由美 南 稔治 江富 朋彦 菅澤 淳
出版者
JAPANESE ASSOCIATION OF CERTIFIED ORTHOPTISTS
雑誌
日本視能訓練士協会誌 (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.99-105, 2006-08-31 (Released:2009-10-29)
参考文献数
6

はじめに:近年、注意欠陥多動性障害(ADHD)や学習障害(LD)などの軽度発達障害児の問題は教育的な領域でクローズアップされてきている。大阪医科大学LDセンターで視知覚訓練などを行っている児童を対象に、眼疾患のための視知覚の発達の遅れが疑われる症例に関して、LDセンターと連携して眼疾患の検討を行う取り組みを始めているので報告する。対象・方法:対象は軽度発達障害児22名(男児16名、女児6名)で、小児科で知能検査WISC-IIIを行い、眼科にて精密検査を行い眼疾患を有する場合は治療を行った。結果:対象児のWISC-III知能検査の結果は言語性IQが88.7、動作性IQが78.4であった。視覚運動系の発達がやや悪い結果を示し、見る作業が苦手な傾向にあった。視知覚に影響するような眼疾患としては間歇性外斜視および外斜視が12名で、そのうち輻輳不全を伴うものが8名、内斜視2名、上斜筋麻痺1名、眼振2名、屈折異常があり眼鏡処方を行ったのは14名、そのうち弱視治療を行ったものは3名、斜視手術施行したのは3名であった。結論:軽度発達障害児は視知覚の遅れを伴うものが多いが、原因が眼疾患によるものか、発達の遅れによるものか鑑別は難しい。今回の結果より視知覚に問題を持つ軽度発達障害児には治療の必要な眼位異常や屈折異常が多く見られ、今後眼科と小児科や発達に関わる専門機関との連携が必要と思われた。
著者
鈴木 則子 脇田 晴子 平 雅行 梅澤 ふみ子 久保田 優 武藤 武藤 三枝 暁子 成田 龍一 武田 佐知子 小林 丈広 白杉 悦雄 谷口 美樹 福田 眞人 脇田 修 濱千代 早由美 長 志珠絵 尾鍋 智子 菅谷 文則 山崎 明子 加藤 美恵子 栗山 茂久
出版者
奈良女子大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、日本の歴史のなかで女性の周縁化(地位の劣化)が進行していく過程を、女性の身体に対する認識の歴史的変化に着目しつつ、医学・衛生・宗教・地域・出産/月経という主として五つの側面から検討を加えた。伝統的医学と近代医学それぞれの女性身体観、近代衛生政策における女性役割の位置づけ、仏教と神道の女性認識の変遷、血穢などに対する地域社会の対応の形成等について明らかにしえた。
著者
清水 みはる 稲泉 令巳子 寺本 恵美子 澤 ふみ子 中村 桂子 内海 隆 上野 正人
出版者
公益社団法人 日本視能訓練士協会
雑誌
日本視能訓練士協会誌 (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
no.25, pp.75-82, 1997

検眼用フレームとして現在普及しているものはフィット感や重さ,耐久性が十分とは言い難く,満足できるのがないのが現状である。そこで使いやすさや耐久性を重視し,またカラフルな色彩を採用した検眼用フレームの開発・改良に参加し,試用する機会を得たので報告する。対象は平成8年2月1日から同9月30日までの8ヶ月の間に大阪医科大学附属病院眼科外来を受診した患者のうち,無作為に抽出した2980名と高槻市3歳児検診を受診した350名である。方法は従来からの固定三重枠<sup>&reg;</sup>((株)はんだや)およびシンプルBC<sup>&reg;</sup>((株)高田巳之助商店)を対照に,今回新しく開発した検眼用フレーム(増永眼鏡(株))と比較検討した。新しいフレームは材質としてホルダー部分には抗菌作用や耐磨耗性,強靱性のあるエンジニアリングプラスチックを用い,金属部分にはチタンを使用しているのでかなり軽量である。フィッティングを良くするための独自の工夫と子供が受け入れ易いように配慮したカラフルな色彩が特徴である。結果として,新しいフレームはレンズの装着感が良く,検者側からの評価も高く,患者の満足度も十分で,眼鏡処方時の長時間の装用テストにおいても好評であった。明るい色合いは小児に特に好まれた。今後の実用化が期待される。
著者
中村 桂子 濱村 美恵子 野邊 由美子 澤 ふみ子 菅澤 淳 森下 清文 内海 隆
出版者
公益社団法人 日本視能訓練士協会
雑誌
日本視能訓練士協会誌 (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.154-159, 1991

中途視覚障害者に弱視用テレビ式拡大読書器Closed Circuit Television(以下CCTVと略す)を導入し,実際の活用状況について検討を行ったので報告する.対象の視力は0.04~0.35の5症例で,その中の3例は視野異常を有している.使用機種としてミカミのTOP-01とナイツのビジョンスキャナを使用した.<br>その結果,ルーペが役に立たない症例においても文字使用が可能となり,羞明感が強かった症例には白黒反転が有効であった.しかし現実には『見やすさ』は評価しながらも疲労感が強く使用頻度は一週間に10~30分程度と十分活用ができていない状況であった.それでも患者自身にとっては精神面での支えとなり,本人の満足度が高かった.導入に際しては慎重な対応が必要で,1ヶ月程度の試用期間を設けることが理想である.<br>また,経済的な面を考慮して家庭にあるビデオカメラを利用して簡易CCTVを作ることも可能なので,その具体例なども提示する.