- 著者
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澤山 郁夫
寺澤 孝文
- 出版者
- 日本教育工学会
- 雑誌
- 日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
- 巻号頁・発行日
- vol.38, no.1, pp.1-18, 2014-05-20 (Released:2016-08-11)
- 被引用文献数
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6
知識の習得を目的とした一問一答式のeラーニングは,学習者が気軽に学習を行うことができる反面,強い自律性が要求され,学習が継続されにくいという問題がある.一方,近年,集団での学びが,学習に対する動機づけを高める等の理由から注目を浴びている.そこで本研究では,従来個別に行うものと考えられてきた一問一答式eラーニングに,学習者同士の繋がる仕組みを取り入れ,学習システム利用度の変化の仕方が異なるか否かを検討した.具体的には,学習者は,繋がりシステムを稼働させる「繋がり学習条件」と,稼働させない「単独学習条件」に振り分けられ,1ヶ月間eラーニングを利用した.利用度の指標には,ログイン日数やアンケート調査で問われる継続意思に加え,実際に学習が成立したことをより正確に評価可能な学習量を用いた.その結果,繋がりシステムには,学習量の減少を抑える効果が認められた.