著者
澤島 智明 松原 斎樹 藏澄 美仁 松原 小夜子 荒井 麻里
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.67, no.554, pp.69-76, 2002-04-30 (Released:2017-02-04)
参考文献数
22
被引用文献数
6 3

The indoor thermal environment and the residents' lifestyle in 8 thermally insulated prefabricated houses in the Kansai area were investigated. This report discusses the heating, room temperature, and usage of living space in these houses, comparing it with houses without insulation. The results are summarized as follows : 1) The residents of the prefabricated houses use kotatsus (tables with small heaters to warm the legs under the table and a skirt around the table to hold the heat in) and electric carpets because of the low temperature just above the floor level and additional heating apparatus because of the morning coldness. The room temperatures, however, are higher than in the houses without insulation. 2) In the houses without insulation, lack of heat retention causes the low temperature just above the floor level. In the prefabricated houses, it is caused by insufficient heater capacity and intermittent heating. 3) When the residents want to relax in the living room, they can't choose the seating style except sitting on the floor directly to use kotatsus or electric carpets because of the low temperature.
著者
澤島 智明 ゴ・ティ チュ・フェン
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.66, 2014

<b>目的</b> 居住者が日常生活において、夏期はより涼しい場所、冬期はより暖かい場所に選択的に滞在すれば、暖冷房エネルギーの使用を削減できる可能性がある。本報では夏期の住宅居住者の滞在場所と温熱環境の関係について事例調査をもとに検討する。<br><b>方法</b> 佐賀県と長崎県に建つ一戸建て住宅4件を対象に居住者へのインタビューと室温実測を行った。調査住戸選定の際には居住者数に対して室数が多く、居住者が比較的自由に滞在場所(室)を選択できることを条件とした。インタビューは事前に準備した平面図を見ながら、①エアコン・扇風機の使用状況、②住戸内各空間の使用・滞在状況、③ 室内の暑さ・涼しさなどについて質問した。インタビュー結果から室温測定の対象空間を定め、2013年8月中旬から9月中旬に10分間隔で測定を行った。<br><b>結果</b> 調査住戸のうち2件はエアコンを毎日、長時間使用しており、他の2件は通風中心の生活をしていた。エアコン使用の多い2件は部屋数に余裕があるにも関わらず、従来の室用途を守って生活しており、熱的条件の悪い部屋での滞在がエアコン使用を助長している可能性がある。一方、通風中心の住戸では居住者が日射を受けやすい場所や熱気のこもりやすい場所を避け、通風の良い場所を選択して滞在している様子が見られた。ただし、こちらも部屋の使用状況や生活行動の内容等を夏向けに大きく変化させているわけではなく、「同室内で着座場所が変わる」「短時間の滞在が時々見られる」といった行動の微細な変化であった。
著者
松原 斎樹 澤島 智明
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会誌 (ISSN:18835864)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.101-107, 2009 (Released:2013-12-18)
参考文献数
6
被引用文献数
1

日本の木造住宅の寿命が短いことはよく知られている。本稿では,住まいの寿命と建物の環境性能との関係について論じる。高断熱高気密住宅は,断熱・気密性能が高いという意味であって,風通しの良くない家ではないが,一般的には誤解も少なくない。本稿では,断熱気密性能の違いと住まい方の関係に関する実態調査結果を紹介する。冬期には,断熱気密性能の向上は生活の質の向上につながっているが,夏期には,必ずしも向上するとはいえない。また,断熱気密性能は住まいの評価基準として重要ではあるが,多くの評価基準の一つに過ぎない。住まいの寿命を長くするためには,断熱気密性能も含めた評価基準の総合的なバランスの良さが重要である。
著者
澤島 智明 ゴ ティ トゥ フェン
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.68, 2016

<b>目的 </b>近年、ベトナムでは経済成長による生活水準の向上に合わせてエアコンの所有率・所有台数が大幅に増加している。本研究はベトナムの住宅居住者の冷房実態を把握し、冷房エネルギー増加を抑制するための知見を得ることを目的とする。<br><b>方法 </b>ベトナム・ハイフォン市に建つ一戸建て住宅4件を対象に居住者へのインタビューと室温測定を行った。対象住戸4件中3件はペンシル住宅と呼ばれる住宅型式で、間口が狭く奥行きの深い3・4階建ての住宅である。他の1件は平屋建ての農家住宅が拡大する都市に取り込まれたものと思われる。インタビューは2014年8月に行い、①エアコン・扇風機の使用状況、②住戸内各空間の使用・滞在状況、③室内の暑さ・涼しさなどについて質問した。インタビュー結果から室温測定の対象空間を定め、2015年7月に10分間隔で測定を行った。<br> <b>結果 </b>インタビュー調査時のエアコン所有は4件中2件であったが、翌年の室温測定時には3件に増えており、ペンシル住宅全邸でエアコンが使用されていた。いずれも昼寝に短時間と夜間就寝時に長時間使用されていた。ベトナムでは伝統的に家族が同室で寝る習慣があり、冷房室である2階主寝室などに家族が集まって就寝していた。そのため自然室温が高い4階や3階の個室はあまり使われておらず、見方によっては効率的な冷房が行われていた。また、農家住宅は植物による遮へい効果により日中の最高気温が低く抑えられていた。
著者
松原 斎樹 藏澄 美仁 澤島 智明 合掌 顕 大和 義昭 飛田 国人 松原 小夜子 柴田 祥江 福坂 誠 吉岡 むつみ 宮川 鮎子 叢 志超 馬 豫 岩垣 裕紀 桑野 朝子 山崎 彩乃 高見 初音 大塚 弘樹
出版者
京都府立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

ライフスタイルの変更による省エネルギー策の一つとして,視覚・聴覚要因を活用することに注目して,アンケート調査,被験者実験,熱負荷シミュレーション等を行った。視覚・聴覚要因による省エネルギーの可能性は実験室実験だけでなく,実態調査・アンケート調査でも可能性が示唆され,行動が変容できれば,暖冷房エネルギーは約7~8%削減され,また設定温度の変更を想定するとより大きな削減が予想できた。
著者
松原 斎樹 藏澄 美仁 澤島 智明 合掌 顕 大和 義昭 中谷 岳史 飛田 国人 下村 孝 松原 小夜子 下村 孝 松原 小夜子 小東 敬典 中村 知朗 宮田 希 青木 祐樹 井上 ともみ 地濃 祐介 谷村 真由美 櫻井 洵子 大山 哲司
出版者
京都府立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

暮らし方による暖冷房使用期間の変更による省エネルギー効果は, 次世代モデルでは暖房で最大17%, 冷房で最大32%, 無断熱モデルでは暖房で最大27%, 冷房で最大28%であること推定された。また, 補助暖冷房器具を併用した場合の省エネルギー効果は, 次世代モデルでは暖房で最大27%, 冷房で最大22%, 無断熱モデルでは暖房で最大27%, 冷房で最大37%であると推定された。