著者
松原 斎樹 下村 孝 藏澄 美仁 合掌 顕
出版者
京都府立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

本研究課題でいくつかの実験を行った結果,色彩,環境音,植物,視覚刺激としての窓の開閉状況などは,温冷感や寒-暑,涼-暖などの印象評価に影響を及ぼすことが,明らかにされた。色彩の影響に関しては,いずれの実験においても,暖色の呈示により、「暑い」側へ、寒色の呈示により、「寒い」側へ変化するというhue-heat仮説に合致した結果が得られた。特にカーテンを用いた実験では,周囲色彩が与える影響は室温に注目させた特異的尺度である「温冷感」よりも、室内のイメージを評定させた際の「涼暖感」や「寒暑感」等の非特異的な尺度に見られた。環境音として設定した「風鈴の音」は、高温の状態では,より「涼しい」,「快適な」側に感じる効果が見られたが,この効果は,特に色彩の影響が小さい、灰色呈示状態において、顕著である。植物の効果に関しては,マッサンギアナは夏に室内に置きたい植物であり、夏期の室温条件下にある室内に設置することで、グリーンアメニティの効果が期待できるが,ポトスは冬に室内に置きたい植物であり、夏期の室温条件下にある室内に設置しても、グリーンアメニティの効果は期待できない。カーテン・窓の開閉状況の映像の効果に関しては,温度の交互作用は「自然的な-人工的な」においてみられ,カーテンの開閉状況に対する評価は室温により異なると考えられる。以上の知見から,色彩,環境音,植物等を適切に利用することにより,寒暑,涼暖の感覚を変化させることの可能性が確認されたと言える。今後は,エネルギー削減の定量的な効果を明らかにすることが課題と考えられる。
著者
合掌 顕 牧田 真奈 吉田 恵史郎
出版者
人間・環境学会
雑誌
人間・環境学会誌 (ISSN:1341500X)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.13-17, 2012-12-30 (Released:2019-03-19)
被引用文献数
1

Kaplan(1995)による注意回復理論では、植物を中心とした自然環境には無意識に注意が向き、精神的な疲労が軽減する回復環境としての機能があるとしている。本研究は眺めて楽しむ側面と、生物とのふれあいを楽しむ側面を持つアクアリウムに着目し、その回復環境としての特性、及びストレス緩和効果について検討した。30人の被験者をアクアリウムのある条件と統制条件に振り分け、各条件で15分間の作業(英文タイピング)を行ってもらい、その後10分間休憩してもらった。作業の前後と休憩後に気分評価と唾液アミラーゼの測定を、また休憩後にアクアリウム、実験室の回復特性と空間の総合的な印象を評価してもらった。さらに実験中の被験者の心拍変動と視線の動きを測定した。分析の結果、アクアリウムは「魅了」「視野」「好み」といった回復特性を持っており、アクアリウムの置かれた空間も「魅了」の側面で高く評価されることが明らかになった。また、アクアリウムは統制条件と比較して休憩時に長く注視され、また注視時間が長いほどLF/HFが低かったことから、アクアリウムの持つ注意回復特性が被験者の注意を引きつけ、その結果ストレス緩和につながったと考えられる。
著者
松原 斎樹 島田 理良 藏澄 美仁 合掌 顕 飛田 国人
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.76, no.668, pp.877-885, 2011-10-30 (Released:2012-01-25)
参考文献数
40
被引用文献数
3

Several analysis were applied to the experimental data obtained from the different environmental conditions and procedures to investigate the difference between two unspecific scales; the impression of “hot-cold” and “warm-cool”. The main results are as follows; 1) “warm-cool” was different from “hot-cold” in the degree of the influence of temperature and the auditory factor, 2) the possibility was shown that “warm-cool” and “hot-cold” were not on the one-dimensional placement, 3) the difference of the degree of the influence of the auditory factor was conspicuously shown by combining with temperature.
著者
松原 斎樹 藏澄 美仁 澤島 智明 合掌 顕 大和 義昭 飛田 国人 松原 小夜子 柴田 祥江 福坂 誠 吉岡 むつみ 宮川 鮎子 叢 志超 馬 豫 岩垣 裕紀 桑野 朝子 山崎 彩乃 高見 初音 大塚 弘樹
出版者
京都府立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

ライフスタイルの変更による省エネルギー策の一つとして,視覚・聴覚要因を活用することに注目して,アンケート調査,被験者実験,熱負荷シミュレーション等を行った。視覚・聴覚要因による省エネルギーの可能性は実験室実験だけでなく,実態調査・アンケート調査でも可能性が示唆され,行動が変容できれば,暖冷房エネルギーは約7~8%削減され,また設定温度の変更を想定するとより大きな削減が予想できた。
著者
松原 斎樹 藏澄 美仁 澤島 智明 合掌 顕 大和 義昭 中谷 岳史 飛田 国人 下村 孝 松原 小夜子 下村 孝 松原 小夜子 小東 敬典 中村 知朗 宮田 希 青木 祐樹 井上 ともみ 地濃 祐介 谷村 真由美 櫻井 洵子 大山 哲司
出版者
京都府立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

暮らし方による暖冷房使用期間の変更による省エネルギー効果は, 次世代モデルでは暖房で最大17%, 冷房で最大32%, 無断熱モデルでは暖房で最大27%, 冷房で最大28%であること推定された。また, 補助暖冷房器具を併用した場合の省エネルギー効果は, 次世代モデルでは暖房で最大27%, 冷房で最大22%, 無断熱モデルでは暖房で最大27%, 冷房で最大37%であると推定された。
著者
須藤 由佳子 松原 斎樹 合掌 顕 藏澄 美仁 小東 敬典 青地 奈央 飛田 国人
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.73, no.630, pp.1037-1043, 2008-08-30 (Released:2009-09-30)
参考文献数
38
被引用文献数
5 4

Effects of direction of the attention under the combined environment of color and temperature were discussed experimentally. Thermal conditions, color conditions and direction of the attention to environment were controlled. Subjects were 44 male and 105 female students. They participated in either winter or summer experiments. The results are summarized as follows: (1)Evaluations of the subjects were different between those who paid attention to color and those who did to temperature, (2)the effect of colors on the evaluation of subjects who paid attention to color was larger than that of the other subjects.