著者
伊藤 寿宏 押木 守 小林 直央 加藤 毅 瀬川 高弘 幡本 将史 山口 隆司 原田 秀樹 北島 正章 岡部 聡 佐野 大輔
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.72, no.7, pp.III_305-III_313, 2016 (Released:2017-04-03)
参考文献数
25

本研究では、流入下水中のヒト腸管系ウイルス濃度分布、及びWHOが推奨する許容年間疾病負荷(10-6 disability-adjusted life years per person per year)に基づいて、定量的微生物リスク評価(quantitative microbial risk assessment: QMRA)の手法を用いて下水再生水の利用用途ごとにウイルス除去効率の目標値を算出する手法を構築・提案する。代表的なヒト腸管系ウイルスとしてノロウイルスに着目し、流入下水中のノロウイルス濃度モニタリングデータを使用することで、6種類の下水再生水利用シナリオにおけるノロウイルスの下水再生水中許容濃度及び除去効率の目標値を試算した。本研究で提案した方法により算出したヒト腸管系ウイルス除去効率目標値を使用する際には、下水再生システム稼動後においても未処理下水中のヒト腸管系ウイルス濃度をモニタリングすることが求められる。また、用量反応モデル情報の更新と、下水再生利用が行われる地域の状況に基づいた曝露シナリオとパラメータの更新についても継続して取り組むことが重要である。
著者
瀬川 高弘
出版者
大学共同利用機関法人情報・システム研究機構(新領域融合研究センター及びライフサイ
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

南極氷床ドームふじ基地でのアイスコア掘削により,南極氷床下の氷試料と岩盤由来の粒状物試料が得られた.これらは少なくとも72万年以上前に封じ込められた可能性が強く,南極氷床下の環境を推定されうる試料の中で,最も優れた試料の一つである.次世代シークエンサーによるメタゲノム解析をおこなった結果、DNAデーターベースや現在の南極の雪氷,土壌,湖沼等の分析結果とは高い相同性を示さない、既知のものとは大きく異なる配列を持つ微生物が検出された。
著者
松崎 浩之 笹 公和 堀内 一穂 横山 祐典 柴田 康行 村松 康行 本山 秀明 川村 堅二 瀬川 高弘 宮原 ひろ子 戸崎 裕貴
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010

南極ドームふじアイスコア中の過去72万年にわたる宇宙線生成核種記録を加速器質量分析で分析した。特徴的な宇宙線イベント(ラシャンプ、ブレーク、アイスランドベイズン)を詳細に解析したところ、宇宙線生成核種(特にベリリウム10)の記録が、グn一バルなイベントの記録となっていることが証明された。これにより、古環境研究における、より信頼性の高い年代指標を確立する道が拓けた。
著者
瀬川 高弘
出版者
大学共同利用機関法人情報・システム研究機構(新領域融合研究センター及びライフサイエンス統合データベースセンター)
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

アイスコア試料からコンタミネーションを極力排除した遺伝子分析や,生物種同定のプロトコルを確立するための解析をおこなった.南極アイスコア中に含まれるバクテリアの16SrRNA遺伝子解析をおこない,バクテリア群集構造解析をおこなった.その結果,間氷期と氷期で検出されるバクテリアの種類や起源に大きな違いがあり,南極氷床アイスコア中バクテリアを古環境指標として利用できる可能性が示された.