著者
中村 博昭 角皆 宏 石川 佳弘 玉川 安騎男 渡部 隆夫 望月 新一 松本 眞 徳永 浩雄 古庄 英和 星 裕一郎 角皆 宏 石川 佳弘 玉川 安騎男
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009-04-01

数論と代数幾何学の交錯する豊かな理論が期待されている分野として,遠アーベル幾何学を推進し,とりわけ代数曲線とそのモジュライ空間から生じる数論的基本群の系列がなすガロア・タイヒミュラー被覆塔について国際研究交流を推進した.特に2010年の10月に京都大学数理解析研究所で第3回日本数学会季期研究所を開催し,その研究成果を論文集「Galois-Teichmueller theory and Arithmetic Geometry」として出版した.また無限遠を除いた楕円曲線の数論的基本群から生じるモノドロミー表現について研究を進め論文発表を行った.
著者
田口 雄一郎 服部 新 栗原 将人 斎藤 毅 玉川 安騎男 安田 正大 平之 内俊郎
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

ガロア表現のモジュライ空間の構成やその性質について研究し、幾つかの基本的な成果を得た。また、これに関連して、ガロア表現についての幾つかの結果を得た。即ち、(1)かなり一般の完備離散附値体のガロア表現のガロア固定部分空間の消滅定理(今井の定理の一般化)とその岩澤理論への応用、(2)ガロア表現の合同に関する結果とその Rasmussen-玉川型の非存在定理への応用、(3)代数体の幾何学的なガロア表現のヘッケ体が、多くの(例えば或る場合には密度1の)有限素点について、そのフロベニウスの跡で生成される事の証明、(4)ガロア表現の像のザリスキー閉包の連結成分の個数の上からの評価、等を得た。
著者
玉川 安騎男
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

本研究の主目的は、3名の海外共同研究者(C.Rasmussen(米)、A.Cadoret(仏)、M.Saidi(英))との、代数曲線の被覆の数論幾何に関する3つの共同研究(「ガロア表現」、「フルビッツ空間」、「正標数」)の進展だった。実際、3氏の訪日、玉川の渡仏・渡英などを通じて共同研究を進め、伊原の問題に関連するアーベル多様体のある有限性予想、フルビッツ空間の有理点に関するモジュラータワー予想、ガロア表現像の普遍下界性問題、正標数及びp進の遠アーベル幾何、などについて、大きな成果を上げた。
著者
玉川 安騎男 CADORET Anna Gwenaelle-Lu CADORET Anna Gwenaelle-Lucile
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2006

与えられた有限群と素数の組に対し、その普遍フラティニ被覆の標準的な商群の系に付随してフルヴィッツ空間(=射影直線の分岐ガロア被覆のモジュライ空間)の射影系が定まるが、その有理点に関するM. Friedのモジュラータワー予想は基本的である。この予想へのアプローチの一環として掲げた研究目的の内、本年度は、「1、モジュラータワー予想とアーベル多様体のねじれ点の普遍的限界の関係の精密化」に関して、特別研究員と研究代表者の共同研究が大きく進展した。特に、元のモジュラータワー予想で分岐点の数が4以下の場合を肯定的に解決することができた。この証明の鍵となったのは、次の幾何的命題である。Sを標数0の体上の代数曲線、AをS上のアーベルスキームとし、Aの生成ファイバーは0でないアイソトリビアルな部分アーベル多様体を含まないものと仮定する。このとき、与えられた自然数gと素数pに対し、次の条件を満たす自然数N=N(A,g,p)が存在する:Aの位数p^nの点vに対し、n>Nならばvに付随するSの被覆の種数はgより大きい。以上の結果については、特別研究員と研究代表者の共著論文"Uniform boundedness of p-torsion of abelian schemes"の第一稿が既に完成している。なお、研究目的の内「2、フルヴィッツ空間の点の"base invariant"のモジュラータワー予想への応用」については、特別研究員と研究代表者の共著論文"Stratification of Hurwitz spaces by closed modular subvarieties"を平成18年8月に完成し投稿中である。