著者
田中 桂一
出版者
公益社団法人 日本工学教育協会
雑誌
工業教育 (ISSN:18839002)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.44-54, 1973-03-25 (Released:2009-04-10)

佐渡金山といっているが,これは常識的に云っているので,実際は佐渡銀山である。近来観光ブームで,案内書やバスガールの説明にも,常識的な解説が多いが事実はもっと深刻である。講師は,幾多の古文書や,時には,かって銀山に働いた老婆を生字引として事実を説明する。関ケ原の戦は徳川と豊臣の天下分け目の戦であったが,その背後に豊臣家の管理下にあった佐渡金山を家康が手中に収めんとする意図に端を発していることを述べ,鬼才,大久保長安の鉱山経営法,その中に前借制度や,談合がとり入れられ,慶長年間の産銀量は当時の世界の産銀量の25%に上ることを説明し,その長安が何故,悲惨な最後をとげたか,そこに銀山の盛衰のあとを辿る,更にその後の徳川幕府の銀山経営法を述べ,所謂,無宿者の正体を説明する。そして,生字引の老婆の述懐で終りを結んでいる。
著者
田中 桂一
出版者
公益社団法人 日本工学教育協会
雑誌
工業教育
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.44-54, 1973

佐渡金山といっているが,これは常識的に云っているので,実際は佐渡銀山である。近来観光ブームで,案内書やバスガールの説明にも,常識的な解説が多いが事実はもっと深刻である。講師は,幾多の古文書や,時には,かって銀山に働いた老婆を生字引として事実を説明する。関ケ原の戦は徳川と豊臣の天下分け目の戦であったが,その背後に豊臣家の管理下にあった佐渡金山を家康が手中に収めんとする意図に端を発していることを述べ,鬼才,大久保長安の鉱山経営法,その中に前借制度や,談合がとり入れられ,慶長年間の産銀量は当時の世界の産銀量の25%に上ることを説明し,その長安が何故,悲惨な最後をとげたか,そこに銀山の盛衰のあとを辿る,更にその後の徳川幕府の銀山経営法を述べ,所謂,無宿者の正体を説明する。そして,生字引の老婆の述懐で終りを結んでいる。
著者
バンチャサック チャイヤプーン 木村 剛 田中 桂一 大谷 滋 コリアド C.M.
出版者
日本家禽学会
雑誌
日本家禽学会誌 (ISSN:00290254)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.60-66, 1998
被引用文献数
4

飼料にシスチンを添加することによってブロイラーの成長及び肝臓中の総脂肪とリン脂質含量に及ぼす影響を検討した。粗タンパク質含量23%の基礎飼料(総含硫アミノ酸=O.69%)に0.098, 0.163, 0.238及び0.324%のシスチンを添加した。シスチン添加によってブロイラーの増体重が統計的に有意に改善された(P<0.05)。しかしその効果はシスチンの添加量とは比例しなかった。シスチン添加によって飼料要求率は改善される傾向を示したが,腹腔内脂肪及び胸肉重量には影響は見られなかった。飼料へのシスチン添加によって脂肪肝スコア及び肝臓中総脂質含量は増加し(P<0.05),その程度はシスチンの添加量と比例していた。また脂肪肝スコアと肝臓中総脂質含量との間には正の相関が観察された。肝臓中リン脂質含量はシスチンの飼料への添加によって統計的に有意に減少した(P<0.05)。
著者
ブンチャサック チャイヤプーン 田中 桂一 大谷 滋 コリアド クリスチーノM.
出版者
Japanese Society of Animal Science
雑誌
日本畜産學會報 = The Japanese journal of zootechnical science (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.11, pp.956-966, 1996-11-25
参考文献数
43
被引用文献数
6 2

低タンパク質飼料にメチオニンとシスチン(Met+Cys)を添加することによって雌ブロイラーヒナ(0から21日齢)の成長と脂肪蓄積に及ぼす影響を検討した.17%タンパク質(CP)含量試料(CP;17%,代謝エネルギー(ME);3,017kcal/kg)にMet+Cysを0.64%,0.93%,1.25%あるいは1.50%を添加した.23%CP含量の飼料(CP;23%,ME;3,017kcal/kg)を対照区とした.飼料摂取及び飲水は自由にさせた.増体量は23%CP飼料区の方が17%CP飼料区より大きかった.しかしMet+Cys1.50%添加17%CP飼料区の増体量は23%CP飼料区の値に近づき統計的に有意な差は観察されなかった.飼料要求率は23%CP飼料区の方が良かった.しかしタンパク質効率,飼料及びエネルギー摂取量は17%CP飼料区と23%CP飼料区との間で統計的に有意な差は観察されなかった.腹腔内脂肪量17%CP飼料区の方が高かった.しかし17%CP飼料区間ではMet+Cysの添加量が大きいほど腹腔内脂肪量は減少した.肝臓におけるacetyl-CoA carboxylase活性は処理間で差が観察されなかったが,fatty acid synthetase活性は17%CP飼料区の方が高い値を示した.一般に,低タンパク質飼料を給与すると肝臓,血清及び胸筋中のトリグリセリド含量は高くなるが,Met+Cysを1.5%添加することによって肝臓中のトリグリセリド含量は高タンパク質飼料区の値に近づいた.血清及び胸筋中の遊離型コレステロール含量は飼料中タンパク質含量の影響を受けなかった.肝臓では17%CP飼料区より23%CP飼料区の方がむしろ高かった.肝臓中リン脂質含量は飼料中タンパク質レベルやMet+Cys添加量による影響は観察されなかったが,胸筋中リン脂質含量は17%CP飼料区へのMet+Cys添加量の増加に伴って高くなる傾向を示した.本実験の結果は17%CP飼料でも適切な量のMet+Cysを添加することによって21日齢までの成長中ブロイラーの成長を改善することができることを,また腹腔内脂肪量は,23%CP飼料区の値よりは大きかったが,17%CP飼料にMet+Cysを添加することによって減少させることができることを示唆した.
著者
田中 桂一
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.6, pp.307-318, 1974-06-25 (Released:2008-03-10)
参考文献数
146
被引用文献数
1
著者
大谷 滋 田中 桂一
出版者
岐阜大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1986

鶏における細胞レベルでの糖新生機序と脂肪肝の糖新生機序におよぼす影響を明らかにするため, 正常鶏, 実験的に作成した脂肪肝症鶏および肥育終了時のブロイラー鶏の肝臓からコラゲナーゼ灌流法により単離肝細胞を調製し, そのグルコース新生能について比較検討した.本実験で用いたin situで酵素液を灌流する方法により, すべての供試鶏において, 細胞収量および細胞生存率ともに良好な単離肝細胞を得ることができた. 単離肝細胞による種々の基質からのグルコース生成量は, すべての供試鶏において, 乳酸およびフラクトースからが最も高く, ついでピルビン酸, オキザロ酢酸であり, グリセロール, アスパラギン酸およびアラニンからのグルコース生成量は非常に低いかほとんど認められなかった. 正常鶏から調製した単離肝細胞では, グルカゴンおよびc-AMPの添加によりフラクトースおよび乳酸を基質としたグルコース生成量は無添加より明らかに増加し, グルカゴンあるいはc-AMPに対する応答能は単離細胞調製操作で損なわれなかった. 実験的に作成した脂肪肝症鶏から調製した単離肝細胞でのグルコース生成は正常鶏よりも明らかに低く, 肝臓に脂質が異常に蓄積した場合その肝細胞におけるグルコース生成能は阻害を受けることが認められた. 肥育終了時のブロイラー鶏より調製した単離肝細胞によるグルコース生成量は正常鶏とほとんど同じであり, 腹腔内に多量の脂肪が蓄積し, 肝臓も肥大して黄褐色の外観を呈していたのにも関わらずグルコース生成能の低下は認められなかった. 肥育末期に発生するブロイラーの突然死の原因が血糖値の急激な低下であるとしても, それが肝臓におけるグルコース生成能の異常によるものだけではなく, 他の要因との複合によるものであると考えられた.
著者
大谷 滋 田中 桂一
出版者
岐阜大学
雑誌
岐阜大学農学部研究報告 (ISSN:00724513)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.45-51, 1992-12-25

糖新生物質の一つであるグリセロールからの糖新生について,実験的に作成した脂肪肝症雛で検討した。28日齢の雛を2群に分け,1群は対照区として市販配合飼料を給与し,他の1群には同飼料にdienestroldiacetateおよびpropylthiouracilを添加した飼料を12日間給与して脂肪肝症鶏を作成し脂肪肝症区とした。処理終了後,両区の雛にグリセロールを投与し,投与前,投与0.5,1,3および5時間後に翼下静脈より採血して全血中グリセロール濃度および血禁中のグルコースと遊離脂肪酸濃度を測定した。採血後,肝臓を採取し,肝臓組織中のトリアシルグリセロール含量を測定した。また,処理終了後の両区の雛を24時間あるいは72時間絶食した後,同様の測定を行なった。絶食前の脂肺肝症区の肝臓は対照区雛に比べ明らかに肥大し,明色化した。また,肝臓組織中のトリアシルグリセロール含量は脂肪肝症区で高く,対照区の10倍の値を示した。体重100g当りの肝臓重量は脂肪肝症区では絶食日数を延長するに伴い低下したが,対照区ではほとんど変化しなかった。グリセロール投与前の血漿中グルコース濃度は絶食前では両区に差は認められなかったが,絶食24時間および72時間では脂肪肝症区の方が低い値を示した。対照区では,全血中グリセロール濃度および血漿中遊離脂肪酸濃度は絶食により増加したが,脂肪肝区ではほとんど変化は認められなかった。グリセロール投与後の血漿中グルコース濃度は脂肪肝症区よりも対照区の方が上昇が速かった。脂肺肝症の鶏では肝臓からのグリセロール放出およびグリセロールからの糖新生は抑制されていると推察される。
著者
井口 洋夫 直江 俊一 田中 桂一 城田 靖彦 中原 弘雄 三谷 忠興 丸山 有成 高塚 和夫 加藤 重樹 大峰 巌 中村 宏樹 諸熊 至治
出版者
岡崎国立共同研究機構
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1990

1. 分子計算化学に関する討論会に参加ならびに調査、共同研究計画打ち合せ(諸熊、中村、大峰、加藤、高塚)今回の日程は、9月19ー21日は第23回英国量子理論会議に出席して若手の理論化学研究者と交流を深めた後、週末をはさんで、日本側5人、英国側12人出席の小さな合同シンポジウムで、質の高い情報交換と交流打ち合せを2日間行うというもので、いずれも会場、宿舎ともオックスフォ-ド大の古いカレッジの1つであるJesus Collegeが使われた。日英シンポジウムでは、シミュレ-ション、電子状態、動力学の各分野とも現役のトップクラスと新進気鋭をそろえ、英国側の並々ならぬ意気込みがうかがわれた。また、交流を一層巾広くするため、英国側の講演者には比較的なじみのすくなかった若手が起用され、フレッシュなプレゼンテ-ションと高いレベルの討論が行われた。この分野におけるこの数年間の研究協力の成果をふるまえ、今回のシンポジウムは終始きわめてなごやかな雰囲気で行われた。特に、日英とも新しい世代のコンタクトが広がったことは今後の協力の発展の上に意味が大きいと思われる。2. 物質化学に関する日英討論会に参加、並びに大学・研究所訪問の調査、共同研究計画打ち合せ(丸山、三谷、中原、城田)「特異な物性をもつ有機分子性固体及び金属配位化合物」という主題に関する日英討論会が、1991年3月17ー20日の間英国バ-スにおいて開催された。日本側5名、英国側10名の招待者及びオブザ-バ-が参加し、5つにわけられたそれぞれのセッションで日本人1名、英国人2名の講演があり、活発な質疑応答が行われた。“高分子"のセッションでは光機能性ポリマ-の光電変換素子特性、高分子液晶などが報告され、“LB膜"では、膜構造の新しい評価法や機能性について議論がなされた。“分子性結晶"では導電性金属錯体及びその超伝導特性と電子構造との関連が考察された。午後のポスタ-セッションでは、多数の報告がなされ盛会であった。最終日の“フタロシアニン及び薄膜"では薄膜の構造と機能に関する最近の研究が紹介され、さらに新しいフタロシアニンの合成例も報告された。“混合原子価錯体"では、一次元遷移金属錯体のソリトン、ポ-ラロン状態及びそれに関連した光誘起構造相転移の可能性など最新の話題が紹介された。全体的な印象として、英国の現状はそれ程新奇な展開は認められないが独得な執拗さをもって新しい問題にとり組んでいる姿勢が印象に残った。3. 不安定分子の高分解分光法による研究(田中)1)速度変調法による分子イオンの赤外ダイオ-ドレ-ザ-分光本法は高電圧交流電場を用い放電によりイオンを生成すると同時に荷電子の併進速度に変調を加え選択的にイオン種を検出する方法である。赤外ダイオ-ドレ-ザ-分光法に速度変調を組合せ、H_2O^+,PO^+,CS_2^+イオンの検出を行い充分な経験と成果が得られた。2)金属カルボニル分子の超音速分子噴流中における赤外吸収分光法Ni(CO)_4,Cr(Co)_6,やV(Co)_6などの金属カルボニル化合物は比較的高い蒸気圧を持ち、レ-ザ-光照射による光分解反応との関連により興味が持たれている。これらの金属カル化合物をArガス中に気化させ超音速自由噴流として真空中に噴射し、赤外ダイオ-ドレ-ザ-分光法により主にCO伸縮領域の振動回転遷移を観測した。4. 軟X線分光に関する研究・調査(直江)800〜4000eVのsoft XーRay領域でのビ-ムポ-トの状況、特に調整技術及び測定法について、UVSORの二結晶分光器との比較を含め調査し、さらに半導体試料について測定を行った。上記エネルギ-領域でも特に800〜1500eVの領域は、照射損傷のため分光結晶としてベリルという天然の鉱物を使用する方法が唯一のものとなってきている。第一結晶の水冷や各種薄膜フィルタ-の複合使用によって約1年程度の結晶寿命を実現している。また90%透過の薄膜を10モニタ-として使用し、放射光ビ-ムの変動に対応している点は注目される。試料槽はタ-ボポンプのみの排気により10^<-7>〜10^<-8>torrの真空度とし、測定の迅速化に努めている。しかし、今回の一連の単結晶試料の測定によって試料槽内での表面処理が重要であり、測定の迅速化だけが視点ではないことが判明した。