- 著者
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田代 光輝
- 出版者
- 一般社団法人 情報科学技術協会
- 雑誌
- 情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
- 巻号頁・発行日
- vol.70, no.10, pp.493-498, 2020-10-01 (Released:2020-10-01)
情報社会となり顧客の情報発信が容易となった。顧客の意見をあつめ商品開発やサービス改善につなげる企業が多くなる一方で,90年代後半の通称:東芝クレーマー事件を転機として,顧客と企業の関係が変化し,ネットは企業にとってリスクの1つとなっている。本稿では,デマの公式を利用して,関心の高さと曖昧さの観点から,過去のネットトラブルの構造を分析する。最近では新型コロナウイルス感染症に関連したトイレットペーパー不足のデマが蔓延したが,「不足はデマである」というニュースが社会全体の関心を高め,デマを余計に流布したという事例がある。また,悪意ある顧客の攻撃があった場合の対応方法などを紹介する。