著者
藤平 武文 北澤 正樹 高橋 聡 吉川 厚
出版者
一般社団法人 国際P2M学会
雑誌
国際P2M学会研究発表大会予稿集 2021 秋季 (ISSN:24320382)
巻号頁・発行日
pp.82-89, 2021 (Released:2021-10-16)
参考文献数
11

金融機関のトレーディングチームは、様々な経験や知識を持ったトレーダーが構成員となり、それぞれの相場観に従ってトレーディングを行う。チームはリーダーにより束ねられるが、リーダーも自身の相場観を持ち、構成員の判断に介入を行う。トレーディングチームは当初多様性のある集団だが、リーダーの介入により画一的なチームとなることも、多様性を維持したチームとなることもありうると考えられる。本研究では、リーダーの行動がトレーディングチームのパフォーマンスに及ぼす影響を明らかにすることを目的に、リーダーの介入が組織特性に及ぼす影 響について、エージェント・ベース・モデリング(ABM)の手法を念頭に、投資実態をトレーディングチームリーダーに対して行ったインタビューの結果を報告する。
著者
山本 秀男 吉川 厚
出版者
一般社団法人国際P2M学会
雑誌
国際プロジェクト・プログラムマネジメント学会誌
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.73-81, 2008-12-26

ナラティブアプローチとマンガ技法を組み合わせた教材を用いて、実務家(本学会会員)を対象に研修を行ったところ、高い満足度が得られた。参与観察により、研修のフェーズによってグループ討論の牽引者が異なることがわかった。また、課題解決の判断材料が主に背景情報と登場人物の表情であること、判断基準は受講者の過去の体験に依存することが定性的に確認できた。受講者の想像力を引き出し、研修効果を高めるためには、複数のシナリオが矛盾なく存在する物語の設計と現実感のある描画技法が重要である。
著者
吉川 厚 折田 明子
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2013年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.193-196, 2013 (Released:2014-02-03)

企業研修をはじめとする「研修」は、ただ知識を詰め込むだけではなく、得た知識を実践的に活用し、自ら問題発見や意思決定ができる人材を育てるために実施される。ただし、研修で学んだことは、知識を問うペーパーテストのみで測れるものではなく、研修効果を測り評価するには、研修のデザイン、目的、教材、教授法、講師や受講生の相性など、さまざまな要因を考慮しなければならない。本稿では、これまでに実施してきた研修を実例として、われわれが開発し実施してきたキーフレーズ発見法を用いて、これらの要因のうち何が測定できるのかを明確にしつつ、研修の効果を評価することを試み、その結果を考察する。
著者
文 健哲 菊田 剛 山田 隆志 吉川 厚 寺野 隆雄
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.72-72, 2010

本稿では、芥川賞・直木賞を書籍のプロモーション・イベントと捉え、その受賞作品及び、その著者の他作品に与える影響を2つの側面から考察した。先ず、これらのイベントが受賞作品及び、同著者の作品の売上に与える影響を販売部数の推移より分析。また、受賞作品の話題性を定量的に把握するため、一般的に入手可能なBlog情報も同時に分析した結果を報告する。
著者
折田 明子 吉川 厚
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2015年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.443-446, 2015 (Released:2016-01-29)

無料通話アプリであるLINEは、若年層ほど利用の頻度が高く、15歳~19歳の利用者の男性77%女性87%がサービスを毎日利用している。総務省の情報通信白書からも、こうしたツールが日常的に身近な友人との会話に使われていることが示されている。一方で、いじめや誘い出しといった事件においてLINEとの関わりが報道されることも少なくない。本稿では、若年層の利用者が、LINEを安全に活用し、トラブルに自ら気づく力をつけるためのマンガ教材作成の取り組みについて紹介する。本教材を用いて首都圏および地方の中学校で授業を実施した結果、アンケートからはオンラインと対面のコミュニケーションの使い分けについて印象に変化があることが読み取れた。
著者
折田 明子 田代 光輝 吉川 厚 江口 清貴
雑誌
研究報告電子化知的財産・社会基盤(EIP) (ISSN:21888647)
巻号頁・発行日
vol.2016-EIP-72, no.12, pp.1-6, 2016-05-26

無料通話アプリである LINE は,若年層ほど利用の頻度が高く,日常的なコミュニケーションツールとして利用されている.一方で,いじめや誘い出しといった事件において LINE との関わりが報道されることもあり,若年の利用者当事者の立場や視点に立ったリテラシー教育には難しさもあった.本発表では,LINE 株式会社と共同制作したマンガ教材の作成ならびに中学校での実践について報告する.
著者
吉澤 小百合 吉川 厚 寺野 隆雄
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.24, 2010

文章を論理的に書くことは難しい。論理的に書かせる手段として,他人が読み,問題点を指摘するピアリヴューは効果的であるとされている。ピアレビューを支援する場合の問題点を明らかにするために,外国語のピアレビューを課題の知識の有無による差をみることにより論理的な指導に必要な要素を考察する。
著者
吉川 厚 斉藤康己
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1993, no.103, pp.41-53, 1993-11-24
被引用文献数
1

人間がいかに状況を認識し,それを使って行動を決めるかのモデルをつくるために,囲碁を題材として認知実験を行い,いくつかの現象を見いだした。実験は被験者を非対峙状況において自手を決定するまでの一連の思考を内省しながら対局してもらうことにした。また,片方にはアイカメラを装着し視線データをとった.このような方法で様々な角度からのプロトコルを入手し,それを分析した結果,境界の認識,先読み時の注目点や深さなどにいくつかの知見を得たのでこれを報告する。加えて、今後解明すべき認知的な課題を列挙する。We present an experimental analysis of several phenomena when subjects are playing Go, in order to investigate how people recognize the situation of a game and decide what to do next. Subjects were asked to reflect by themselves while playing a game. One subject wore an eye camera, and we recorded the eye movement data. We analysed those protocols, such as verbal protocol, eye movement, the record of the game and so on. We found out some interesting phenomena and a lot of future research directions.
著者
中山 研一朗 島田 久弥 浦東 聡介 岩井 大河 吉川 厚
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2022年度日本地理学会春季学術大会
巻号頁・発行日
pp.120, 2022 (Released:2022-03-28)

1. はじめに 日本における合計特殊出生率(以下TFR)は、南西の地域ほど高く、北東の地域ほど低いことが知られている 。佐々井(2007) は、日本全国を9つのブロックに区分して、夫婦の出生力と、その原因と考えられる項目を比較・分析した。一方、国立社会保障・人口問題研究所による出生動向基本調査(2015)では、男女が結婚を決める理由と、夫婦が子どもを持つに至る理由について幾つかのアンケートを集め、分析を行っている。佐々井の研究におけるブロック単位での分析を、都道府県単位へと細分化することで、都道府県固有の特性にも視点を持たせたより詳細な分析を目指した。出生動向基本調査を踏まえながら、TFRに対する影響要素とそれを示す項目を仮説的に案出し、それらに相当する統計データとTFRの相関の状況を比較・分析した。2. 方法2.1 データ収集方法 項目の分析にあたっては、都道府県別(以下 県)で得られるデータを用いて2項目間の相関分析を行った。データの多くは国勢調査を利用したが、2020年実施分は未だ公開されていない項目があるため、2015年実施分を利用し、他の項目も原則として2015年のデータを用いることとした(2015年のものがない一部項目は近い年のデータを採用)。 2.2 仮説として設定したデータ項目 1)「女性の婚姻率」:日本における非嫡出子割合は低水準であることも踏まえ、TFRとの直接的な相関を確認 するとともに、同項目への影響要素として他項目を案出した。 2)「夫婦あたり子ども数」:同様にTFRに直接かかわる項目であることを確認3し、同項目への影響要素を案出。 3)「女性の就業率」:仕事を優先することで出産を控えるよう影響するものと想定。 4)「非正規雇用率」:非正規雇用による低所得や就業の不安定さが結婚、出産を躊躇させると想定。 5)「女性の大学進学率」:高学歴化により就業開始年を引き上げ、仕事への意欲から結婚の優先度が下がると想定。 6)「三世代同居率」:祖父母に子どもの面倒を見てもらえることが、子育てのしやすさに繋がると想定。 7)「女性の初婚年齢」:早期結婚は出産可能期間を拡げ、体力のある若い時期の子育てが多産へ繋がると想定。 8)「世帯年収」:収入が高いことで養育費、教育費が確保でき、多産につながると想定。9)「教育支出」:教育支出が高い地域では、2人目、3人目の出産を躊躇する傾向にあるとの想定。3. 分析結果の概要 今回の分析結果は要旨に記載した表1のとおり。 3)20代の女性就業率が高い県は婚姻率も高く、仮説に反して強い正の相関が認められ、TFRとの正の相関もみられる。 4)男性20代の非正規雇用率が高い県は婚姻率が低く、強い負の相関がある一方で、男性30代の非正規雇用率の場合、婚姻率との相関は低下した。 5)女性大学進学率が高い県は、30歳前後の女性婚姻率とTFRに強い負の相関がみられる。 6)三世代同居率は夫婦あたり子ども数とは相関はみられず、仮説には合致しなかった。 7)女性初婚年齢が高い県は、女性婚姻率、TFRともに低く、強い負の相関がみられた。 8)世帯年収が高い県は、仮説に反し、夫婦あたり子ども数、TFRともに低く、強い負の相関がみられる。9)教育への支出は、仮説に反して夫婦当たり子ども数には相関が見られない一方で、女性婚姻率とTFRに負の相関がみられた。4. 考察 分析前に立てた仮説に合致しなかったものについて、下記のとおり仮説を修正、考察する。 3)女性就業率との正の相関は、仕事をきっかけに出逢いの機会が得やすいことと、「出生動向基本調査」(2015)にある通り、結婚への最大の障害が結婚資金であるという調査結果を支持すると考える。 4)男性30代非正規率を県別に見ると、20代に比べ分散が低い。歳とともに正規雇用が増えることで県別正規雇用率が均され、婚姻率との相関が弱まったものと予想。 6)三世代同居率との無相関は、子どもが増えると家が手狭になり別居し始めることや、子ども数の少ない東北地域で三世代同居率が高かったことが背景していると予想。 8)世帯年収との負の相関は、世帯年収の高い世帯は共働き世帯が多く、出産を抑制する影響があるためと予想。 9)子ども数の少ない県では一人あたりの教育支出が高く、多い県では一人あたりの教育支出が低く、結果として子ども数と教育支出に相関が現れないと予想。更なる分析を行う上では、対象地域の細分化や、複数年度のデータによる精度の向上や、相関分析から一歩進め、因果関係の側面から掘り下げるなど、仮説の更なる検証を進める余地があり、これが今後の課題と考える。
著者
文 健哲 菊田 剛 山田 隆志 吉川 厚 寺野 隆雄
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2010年春季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.72, 2010 (Released:2010-06-14)

本稿では、芥川賞・直木賞を書籍のプロモーション・イベントと捉え、その受賞作品及び、その著者の他作品に与える影響を2つの側面から考察した。先ず、これらのイベントが受賞作品及び、同著者の作品の売上に与える影響を販売部数の推移より分析。また、受賞作品の話題性を定量的に把握するため、一般的に入手可能なBlog情報も同時に分析した結果を報告する。
著者
青木 亮磨 北澤 正樹 高橋 聡 吉川 厚 山村 雅幸
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.159-164, 2019-12-21 (Released:2019-12-18)
参考文献数
7

教育においてデータを活用して教育施策に活用する動きが近年盛んになっており,多くの教育に関するデータが雑誌や本,WEB上で公開されている.本研究では大学入試に関するデータを用いた大学の入試難易度序列の決定手法を提案する.各高校の公開している大学合格実績データは高校の実力と大学入試の難易度に依存する系統的な欠損である.この系統的な欠損は高校がターゲットとする大学のみ合格率が高い性質を持つ.ここで,高校からの合格率の高い大学の入試難易度が似ていると考えると,合格率の高い部分にのみ注目することで系統的な欠損のあるデータで入試難易度を比較できる.この点から,距離を用いた並び替え手法,合格率を用いた並び替え手法,レイティングを用いた序列決定手法の3つの手法を作成した.得られた序列を塾が公開する偏差値による序列との順位相関で評価した結果,各手法での順位相関は0.83,0.85,0.89という値になった.今後は精度向上を目指して,同じ順位に分類された大学の更なる序列付けをする手法を検討していく.
著者
矢野 雄大 神澤 篤啓 山田 隆志 吉川 厚 寺野 隆雄
出版者
教育システム情報学会
雑誌
教育システム情報学会誌 (ISSN:13414135)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.236-245, 2015-10-01 (Released:2015-10-07)
参考文献数
18
被引用文献数
2

The aim of this study is to propose educational policies because it is ethically impossible for school education to implement empirical and experimental studies. For this purpose, we employ agent-based simulation to model academic skills of students. In the simulation model, we utilize three kinds of learning models, informational approach model, learning by teaching model and motivation for learning model, from learning theory in the literature, and then investigate how many teachers should be allocated to each school in order to improve academic abilities of students. Our main finding is twofold: First, any staffing decreases the abilities of the top 10%. Second, in contrast, the increase of those of the bottom 10% may depend on the staffing and it is in proportion to the number of teachers in elementary schools.
著者
岡崎 泰久 野口 千樹 吉川 厚
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.82, pp.39-44, 2014-06-14

本研究では,板書のように書いていく過程が提示された場合と,最終結果だけが提示された場合が,学習者にどのような違いを生むのかを,学習者自身による主観評価と,アイトラッカーを用いた視線分析により,分析した.その結果,学習者の主観評価と視線の動きに関係があることがわかった.書く過程が提示されることを有用だと評価する人とそうでない人で,視線の動きに違いがあり,そうした実験結果に基づいて,書く過程を提示することが,理解に与える影響について考察した.
著者
大野 健彦 武川 直樹 吉川 厚
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.38, pp.47-54, 2001-05-11
被引用文献数
6

本論文では,視線をユーザインタフェースの入力デバイスとして利用することを目的とする視線測定システムについて述べる.本システムは特別な設定を必要とせず,コンピュータの前に座ればすぐに視線測定が可能であるという特徴を持ち,従来存在するシステムに比べて手軽な視線測定を実現している.また,視線の屈折を補正して正確な視線方向を推定することにより,高い測定精度を実現している.予備評価実験から視野角0.23度から0.46度程度で測定可能であるという結果が得られた.We describe a gaze tracking system that is developed as the input device for gaze based user interface system. This system measures the eye movement without configuring the parameters at the beginning of measurement, so that it is possible to use the system as soon as sitting in front of the computer. The system calculates their gaze direction by modifying the refraction on the surface of their pupil. This algorithm realizes the high-accurate gaze detection. The preliminary evaluation test indicated that its accuracy was between 0.23 degree and 0.46 degree in the view angle.
著者
大野 健彦 武川 直樹 吉川 厚
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.1136-1149, 2003-04-15
被引用文献数
36

本論文では,視線によるコンピュータ操作を目的とする視線測定システムについて述べる.本システムは簡易な個人キャリブレーションのみで視線測定を実現することに主眼を置いている.従来の視線測定システムは視線測定時に発生する視線のずれを補正するために,個人キャリブレーションとして視線測定前に画面上に位置する5から20点のマーカを注視する作業が必要であった.そのため視線測定を行うまでに手間を要し,特に視線をコンピュータの操作手段として利用する場合に大きな問題であった.本システムは,ずれの補正を2段階に分離した新しい視線測定法を導入することで,最低2点のマーカによる個人キャリブレーションを実現した.まず視線算出手段において眼球モデルを導入し,ずれの発生要因となる角膜表面での光の屈折をあらかじめ補正する.次に個人キャリブレーション手段において残るずれを補正する.評価実験の結果,個人キャリブレーションにおいて画面上の2点を注視するだけで,視野角1.06度程度(裸眼,頭部を固定しない条件)と,視線をコンピュータ操作に利用するのに十分な測定精度が得られることを確認した.We describe a real-time gaze tracking system for use in controlling a computer by gaze.This system is particularly concerned with reducing the effort of personal calibration necessary at the beginning of gaze direction detection.Existing systems require that the user gazes at five to twenty points on the screen for personal calibration.This burdensome and should be omitted, especially for computer control by gaze.Our system requires only two points on the screen for personal calibration.To achieve this,we developed a new gaze detection method that consists of two sub-procedures for correcting gaze direction error.One, the gaze direction measurement procedure,first calculates the gaze direction with the eyeball model.This model compensates the refraction at the surface of the cornea,which is one of the main causes of gaze direction error.The other, the personal calibration procedure, reduces the residual error.The results of an evaluation test confirmed that the accuracy of gaze detection is about 1.06 degrees in the view angle (naked-eye users, head-free condition), which is sufficient for the purpose of computer control by gaze.
著者
杉本 雅則 楠 房子 稲垣 成哲 高時 邦宜 吉川 厚
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.85, no.12, pp.1152-1163, 2002-12-01
被引用文献数
8

筆者らはこれまで,RFID技術を用いたセンシングボードを用い,物理世界と仮想世界とを融合することによるface-to-faceでのグループ学習支援システムを構築してきた.このシステムを用いた実践から,コンピュータの使用が苦手な学習者でも容易に学習に参加できる,教科書等を通して得た知識を物理世界で試せる,などの点で有効であることを示せた.しかし,発言の場においてリーダーへの依存が強くなる点や,より本物性の高い設定での学習支援ができないか,などの点も指摘されていた.そこで,本論文で提案するシステムでは,学習者のグループが互いにface-to-faceで話し合えないよう,複数のセンシングボードを別の場所に配置した.そして,各ボード上での操作が互いに影響を及ぼし合うよう,それらをネットワークでつないだ.グループ内の学習者はボードを囲みながらface-to-faceで問題を解決するとともに,別のグループの学習者とは,チャットシステムを介して交渉を行う.小学校の授業の中で,都市設計と環境問題の学習を学習者に行ってもらい,提案システムの有効性を検証した.
著者
内田 瑛 折田 明子 國上 真章 寺野 隆雄 吉川 厚
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

実践的な知識の使い方を学ばせる学習の一つに、登場人物の立場に強く引き込む教材学習があるが、学習者によって学びが異なったり、教授者のねらい通りでないことが多い。また学習者の気づきの変化を検出する手法は確立されていない。そこで、教材の登場人物の立場から他の登場人物を評価させ、その評価視点の変化を統計的手法を用いて容易に測る手法を提唱する。今回は本手法を用いた測定分析結果と、従来の手法とを比較する。