- 著者
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田近 正洋
田中 努
石原 誠
水野 伸匡
原 和生
肱岡 範
今岡 大
小森 康司
木村 賢哉
木下 敬史
山雄 健次
丹羽 康正
- 出版者
- 日本大腸肛門病学会
- 雑誌
- 日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
- 巻号頁・発行日
- vol.68, no.10, pp.900-907, 2015 (Released:2015-10-31)
- 参考文献数
- 34
- 被引用文献数
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3
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【目的】家族性大腸腺腫症(FAP)に対する大腸全摘術後に造設された回腸嚢における腺腫や癌の発生について解説する.【方法】FAP術後の回腸嚢に発生した腺腫あるいは癌に関する36論文をreviewし,その発生頻度,特徴,サーベイランスの方法について自験例も含めて検討した.【結果】回腸嚢における腺腫発生頻度は6.7%~73.9%で,回腸嚢造設から5年,10年,15年で,それぞれ7~16%,35~42%,75%と経時的に増加していた.癌の発生は22例の報告があり,発生までに術後中央値で10年(3~23.6年)を要していた.サーベイランスに関しては,術後6~12ヵ月ごとに内視鏡を行っている報告が多く,適切なサーベイランスを行う上では,最適な腸管洗浄とインジゴカルミンの使用が重要である.【結論】FAP術後の回腸嚢には,高率に腺腫,ときに癌が発生するため,術後早期からの定期的な内視鏡サーベイランスが重要である.