著者
橋本 隆子 白田 由香利 真野 博子 飯沢 篤志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.71-84, 2000-05-15
被引用文献数
25

放送のデジタル化に伴い,映像情報の補足情報をインデックスとして付加し,そのインデックスを用いて映像情報を検索する方式が各種研究されている.インデックスを利用した映像情報検索方式の一つとして,ダイジェスト視聴に注目し,視聴者ごとに意味的に重要なシーンを判定してパーソナルなダイジェストを可能とするシステムを試作した.またこのダイジェスト視聴システムでは,視聴者が複合事象に対して自分の嗜好を交えた抽象度の高い用語を使って検索できるように抽象インデックスを定義できるようにした.本稿では,まずダイジェスト作成モデルを説明し,それを実現するための映像スキーマ定義言語を説明する.そして,野球番組を対象にして,視聴者の嗜好情報登録及び各種検索が可能なダイジェスト視聴システム及びその検索インタフェースの試作を行ったので,その機能についても述べる.Beyond program contents, digital data broadcasting can deliver additional data as indexes attached to the contents. Using these indexes, users can browse and retrive parts of the program. We have developed a system that can construct a digest of the program on the fly using indexes. The system can extract scenes and restructure them based on the information cbtained from indexes and users would use in describing the scenes they are looking for to those terms actually used in the program indexes. The paper firstly describes a formal model of the digest prodiction and a program schene defintiton language to implement the model. Also, we explain our prototype system of the digest viewing system with a user interface to put in user preferences and various retrieval requirements for baseball programs.
著者
白田 由香利 橋本 隆子
出版者
学習院大学
雑誌
學習院大學經濟論集 (ISSN:00163953)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.61-81, 2010-07
被引用文献数
1

本稿では,債券に関する数学,債券数学(Bond Mathematics)をビジュアルなアプローチで教授する方法について述べる.題材は,確定利付き債券の価格関数の特徴説明,および,イミュニゼーションである。これらは金融工学の基礎知識として重要なものである。ビジュアルアプローチの導入により,債券価格関数を多変数関数から次元を落として説明していくことで,学生は体系的な理解が得られる。また,イミュニゼーションの連立方程式もビジュアルな教材により,デュレーションおよびコンベキシティを説明すると,理解が深まる。
著者
橋本 隆子 飯沢 篤志 白田 由香利
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.70, pp.359-366, 2001-07-17
被引用文献数
1

近年,PDA ,携帯電話など,携帯端末の普及がめざましい.現在試験的に運用されている次世代の携帯端末では従来のテキスト,静止画像のみならず,動画像の処理も可能となってきている.このような携帯端末に対して,野球,サッカーの試合速報等を送信する番組関連情報送出サービスが始まっている.現状のサービスでは,サービス提供者が試合の経過を文字列で生成し,それをメイルとして利用者に送信しているが,今後,携帯端末の性能向上によって,動画像や既存DB の情報,関連Web サイトのページなど,より高度でかつ構造化された番組関連情報も送信されてくると考えられる.その場合の問題点としては以下のものが挙げられる.(1) 携帯端末は,表示領域が小さく,提示可能な情報が制限される,(2)利用者は最小限のインタラクションしか行えず,情報の構造を巡回しにくい,(3)情報が高度になればなるほど,利用者ごとに必要な情報が異なってくる.これらの問題を解決するために,我々は,利用者の嗜好に応じた番組関連情報のシナリオによる提示方式を提案する.本方式では,利用者の嗜好情報に基づいて,情報の提示指標値を算出する.算出された指標値にから,番組関連情報の提示順序を決定し,携帯端末で提示するためのシナリオを生成する.シナリオに基づいた提示により,制限された表示領域において,利用者は自分の見たい情報を見たい順序で複雑なインタラクションなく視聴することが可能となる.Recently, PDAs, cellular phones, and other mobile devices have come intowide use. The next-generation mobile terminal under testing, in addition to delivering text and image data, can also deliver movie data. Digital data broadcasting can deliver additional data as contents attachments .The service has started delivering game news for baseball and soccer programs to mobile terminals. Service providers build text data of a game's progress and send it to users by e-mail in the mobile environment. Taking advantage of the improved efficiency offered by mobile terminals, the system will be able to deliver TV program-related information, such as movie data, data from sports databases, and related Web pages. This service has the following problems: (1) Display area is restricted. (2) User interaction is restricted. (3) Each user would like to get the information that reflects his or her preferences. To address these problems, we propose the presentation scenario generation method for TV program-related information. In this method, presentation priorities are calculated to reflect each user's preference .Based on the values of presentation priorities, a presentation scenario is generated for viewing on mobile terminals. For presentation by a presentation scenario, each user can watch desired information without complicated interaction.
著者
橋本 隆子 白田 由香利 飯沢 篤志 北川 博之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.1-11, 2002-06-15
参考文献数
14
被引用文献数
2

近年,放送のデジタル化により,各種のメタデータが付加されたビデオコンテンツの配信がさかんになっている.このようなデジタル放送環境において,動的なダイジェスト生成は重要なアプリケーションの1 つである.我々はこれまで利用者の嗜好を反映させたパーソナルなダイジェスト生成方式(Personal Digest Making Scheme ,PDMS )の研究を行ってきた.PDMS では,加点事象のような成功プレイの重要度を判定することは可能であったが,もし成功していたら試合の流れを変えたかもしれない惜しかったシュートのような,不成功プレイの重要度を判定することはできなかった.本稿では,ダイジェスト作成のための新しい概念として,「ターニングポイント解析」を提案する.ターニングポイント解析は,スポーツの各種試合における「勝利確率(Winning Probability ,WP )」に基づいている.勝利確率とは,試合の経過時間とその時点における得点差(ホームチームの得点からアウェイチームの得点を引いた値)が与えられたとき,最終的にホームチームがアウェイチームを破って試合に勝利する確率を示すものである.勝利確率を利用することにより,成功プレイのみならず,不成功プレイの重要度を判定することが可能となり,より正確なダイジェスト生成を実現できる.本稿ではターニングポイント解析をサッカーの試合を例にとって説明し,実際のサッカーの試合に適用した評価結果を述べる.Content providers have recently started adding a variety of meta data to various video contents.Digest viewing that uses the meta data is a new application in the digital broadcasting era.o build personal digests,we have developed a digest making method named PDMS (Personal Digest Making Scheme).PDMS extracts signi ficant scenes and constructs digests automatically using the video program meta data.In PDMS,only a successful play event such as a goal that scored was considered signi ficant,and a misplay event,such as a shot that did not score was not taken into account,although such event may affect game progress. This paper introduces a new concept of turning point analysis.The turning point analysis is based on a winning probability for sports programs.Winning probability indicates the probability of a home team beating an away team at the end of the game,given the current score and the time elapsed since the beginning of the game.Using the winning probability, we can more precisely evaluate the signi ficance of each event,not merely a successful play but also a misplay.This paper presents turning point analysis for soccer matches.It also gives evaluation results of this turning point analysis for a recently broadcasted professional soccer matches.
著者
白田 由香利 橋本 隆子 飯沢 篤志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.10, pp.107-112, 2000-01-24
被引用文献数
3

放送のデジタル化に伴い、映像情報の補足情報をインデックスとして付加し、そのインデックスを用いて映像のダイジェスト版を作成する場合、切り出したシーンごとの説明文を生成する機能が重要となる。我々はシーンごとの説明文の接続関係に着目し、全体としてつながりのよい文章を生成する方式を検討した。また、従来検索結果の提示方式は中立的立場の表現をとっていたが、本方式では個人の嗜好を指標としてその人の感情表現、つまり嬉しさ度悲しさ度を加味した表現を生成する。Beyond program contents, digital data broadcasting can deliver additional data as indexes attached to the contents. Using these indexes, we can construct a digest of the program and generate an explanation for each extracted scene. We focus on the relationship between scenes to create conjunctive expressions. With conjunctives, the explanations become more natural for users. In addition, we also generate emotional expressions for the explanations. While the current method outputs neutral expressions, our new method generates an expression including the hapiness or sadness level based on the user preferences.
著者
白田 由香利 橋本 隆子 チャクラボルティ バサビ
出版者
学習院大学経済学会
雑誌
学習院大学経済論集 (ISSN:00163953)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.31-41, 2016-07

ベイズ推論は,文書のトピック分析を始め,画像のパターン認識のほか,画像を用いた服装コーディネイト推薦,買い物履歴情報からの消費パターン分析など,広い分野で活用されている。本稿では,ベイズ推論の手法を大学ブランドイメージ分析に適用する。我々は,マルコフ連鎖モンテカルロ法(MCMC)の代表的アルゴリズムであるギブズサンプラーの実装により,シンプルトピックモデルによるベイズ推論のクラスタリングの過程を可視化するツールを開発した。このツールにより,大学ブランドイメージという共通の知識を共有するデータを対象として,クラスタリングのマルコフ連鎖の変動のようすを可視化する。このような手法のポイントは,共有する知識に基づく分析事例を示し,その事例からその背景にある数学的手法を連想させ,理解させる,ことである。このMCMC における定常状態の連鎖プロセスにおいては,ある大学が2 つのクラスの間を頻繁に行き来するなどの興味深い変動が見られた。こうした可視化により,クラスタリングのツールをただ使って結果を出すだけではなく,その背景にあるギブズサンプラー,シンプルトピックモデル,などの数学プロセスを理解することが可能となる。そうした数学プロセスの理解は,的確な分析に必須であるので,こうした数学教育はベイズ推論において重要と考える。
著者
白田 由香利 橋本 隆子 飯沢 篤志 李 頡
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.31, pp.129-136, 2000-05-02

放送のデジタル化により、データベースへのアクセスにも放送が利用できるようになってきた。我々は放送を利用した番組配信システムにおける応答時間短縮の研究を行ってきた。本稿では、放送配信機構が多段階の階層型を構成していると仮定し、その階層型番組配信モデルについて検討した結果を述べる。まず地域に依存した番組の人気度モデルをどのように設定したかを説明し、次にその番組へのリクエストがどのように処理されるのかシステム全体のモデルを論じる。さらにその中でローカルサイトがもつキャッシュの役割について述べる。
著者
白田 由香利
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.71, pp.1-8, 2003-07-16
被引用文献数
2

本稿では,e-Learningシステムにおいて学習者の学習履歴データをデータマイニングする場合どのような相関ルールが抽出されるべきであるか、を考察する.e-Learningシステムにおいて学習者がシステムの提示したドリル問題に対して不正解であった場合、システムは学習者の状況を、データマイニングによって発見されている相関ルールを用いて判断したい.そのためには予め、有益な相関ルールを膨大な学習履歴データベースからデータマイニングで抽出しておくことが必要である.本論文では、個々の学習キーワードが単独で出現するドリルであれば解けるのであるが、学習キーワードが複合化して出現した場合にはドリルが解けなくなる、という状況を発見するために有効な相関ルールとはどのように定義すべきであるか、について考察する.我々の提案する設定問題は、従来のデータマイニングのバスケット解析などとは本質的に異なり、新たな抽出技法が必要となる.その技法について考察する.In the paper, we discuss which kind of association rules are effective for the data mining on an e-Learning system learner's learning transaction database. The data mining system, in advance, finds effective association rules from the learning transaction database. By using the association rules, the e-learning system detects the learner's stalled and analyses its reasons. In particular, the stalled situation in which the learner understands individual keywords separately but the learner cannot solve a problem that involves comound keywords is the target of our study. Our proposed problem is differnt from the exixting assocoation rules for market basket analysis problem. Then the new solving methods are required. In this paper, the methods are also discussed.
著者
白田 由香利
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.5, pp.1-7, 2009-11-13

本論文では,商品の配色イメージに対する感性評価を消費者が行う際,消費者の配色イメージに対する感性の類似度を表現する尺度として,主成分分析を用いることを提案する.インターネット上の膨大な数の商品群の中から,自分の感性に合った配色イメージのものを検索することは容易ではない.検索の際,アドバイスをしてくれるアドバイザーがいると検索のコストを軽減することが可能となる.しかしながら,アドバイザーの感性が自分の配色イメージの感性に類似しているか否かを示す,尺度およびその測定法があることが望まれる.本論文の提案は, warm および soft の 2 因子から求められる主成分軸の傾きの角度を,類似の尺度として利用することである.この手法により,婦人靴の配色イメージに対する感性の類似度を測定した.In the paper, it is proposed to use principal component analysis as measurements for affective impression (Kansei) similarities when consumers evaluate color image of the product. When we retrieve a lot of products on the Internet, it is very difficult to select ones with impressive color image. If advisors on the Internet give us their recommendations, the selection would cost much less than while browsing alone. However, the advisor's Kansei will then have to be similar to the consumer's Kansei. Therefore measurement of Kansei is required. I propose that as the measurement we use the inclination angle of the obtained principal component axis from two variables, warm and soft. By the measurement, I evaluate color image Kansei similarities of shoes for women among respondents.
著者
中岡 美華 是津 耕司 白田 由香利 田中 克己
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.178, pp.55-60, 2004-07-08

近年,ブロードバンドネットワークの家庭への普及と情報教育の推奨により,幼少者も検索エンジンを利用するようになった.しかし,今日のWeb情報検索では,検索の時点で欲しい情報を表す正確なキーワードを知っている事,自身の求めているモノに対する一般抽象化されたキーワード表現ができるようになっている事が前提とされ,幼少者の情報収集は極めて困難である.本研究では,一般抽象化能力が未発達な幼少者のためのWeb検索手法を提案する.具体的には,幼少者がモノをその名前や記号よりも,そのモノが自らの生活圏のどの場面で見たのかということに対応づけて記憶している点を利用し,幼少者からの断片的な検索質問をもとに検索質問を修正する手法を提案する.