著者
古村 和恵 宮下 光令 木澤 義之 川越 正平 秋月 伸哉 山岸 暁美 的場 元弘 鈴木 聡 木下 寛也 白髭 豊 森田 達也 江口 研二
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.237-245, 2011 (Released:2011-11-16)
参考文献数
13
被引用文献数
3 4

より良い緩和ケアを提供するために, がん患者やその家族の意見を収集することは重要である. 本研究の目的は, 「緩和ケア普及のための地域プロジェクト」(OPTIM)の介入前に行われた, 進行がん患者と遺族を対象とした質問紙調査で得られた自由記述欄の内容を分析し, がん治療と緩和ケアに対する要望と良かった点を収集・分類することである. 全国4地域の進行がん患者1,493名, 遺族1,658名に調査票を送付し, 回収した調査票のうち, 自由記述欄に回答のあったがん患者271名, 遺族550名を対象とした. 本研究の結果から, がん患者と遺族は, 患者・医療者間のコミュニケーションの充実, 苦痛緩和の質の向上, 療養に関わる経済的負担の軽減, 緩和ケアに関する啓発活動の増加, 病院内外の連携システムの改善, などの要望を持っていることが明らかとなった. Palliat Care Res 2011; 6(2): 237-245
著者
国分 秀也 冨安 志郎 丹田 滋 上園 保仁 加賀谷 肇 鈴木 勉 的場 元弘
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.401-411, 2014 (Released:2014-10-08)
参考文献数
85
被引用文献数
4 2

2013年3月に, 本邦でもメサドン内服錠の臨床使用が開始された. メサドンは, モルヒネ等の他のオピオイドと異なる薬理作用をもち, 呼吸抑制およびQT延長といった重篤な副作用を発現することがある. その原因の1つとして, 体内薬物動態が非常に複雑であることが挙げられる. メサドンは大半が肝臓で代謝されるが, その代謝酵素はCYP3A4, CYP2B6およびCYP2D6など, 多岐にわたる. また, 自己代謝誘導があること, アルカリ尿で排泄が遅延すること, 半減期が非常に長く定常状態に到達するまでに長時間要すること等の問題がある. これらの複雑なメサドンの薬物動態を十分に理解して使用されなければ, 血中メサドン濃度が一定に保たれず, 一過性に上昇することによる重篤な副作用が起きる可能性がある. 本論文では, 臨床医師あるいは薬剤師がメサドンを安全に臨床使用するために必要な薬物動態についてまとめた.
著者
工藤 尚子 三浦 耕資 周東 千緒 村上 敏史 齊藤 理 的場 元弘
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
pp.13-0014, (Released:2013-09-30)
参考文献数
9

オピオイドの全身投与で十分な鎮痛が得られなかった2 例のがん性痛患者に対して,くも膜下モルヒネに高用量のブピバカインを併用し良好な鎮痛を得たので報告する.症例1:72 歳の男性で,肺がんの腸腰筋・大腿筋群転移による下肢の痛みに対し,くも膜下鎮痛法を施行した.モルヒネ単独で十分な鎮痛が得られずブピバカインを最大94 mg/日で併用し,痛みはverbal rating scale で4 から1~2 へ軽減した.症例2:64 歳の女性で,直腸がんの皮膚転移による陰部,大腿の痛みに対し,くも膜下鎮痛法を施行した.モルヒネ単独で十分な鎮痛が得られずブピバカインを最大66 mg/日で併用した.レスキュードーズ使用時に下肢のしびれ,低血圧を認めたが,レスキュードーズの調整で軽減し,痛みはnumerical rating scale で10 から2~5 へ軽減した.くも膜下モルヒネの効果が不十分ながん性痛の患者において,ブピバカインを加え,副作用や合併症に注意しながら高用量まで漸増することで,患者満足度の高い優れた鎮痛が得られた.
著者
秋山 美紀 的場 元弘 武林 亨 中目 千之 松原 要一
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.112-122, 2009 (Released:2009-10-29)
参考文献数
10
被引用文献数
2 1

【目的】診療所医師の在宅緩和ケアの実施状況および困難感を明らかにし, がん緩和ケアを地域で推進するための有効策を検討することを目的とした.【方法】緩和医療資源が十分でないと考えられる地域の全診療所69カ所の医師を対象に, 質問紙調査によって在宅緩和ケアの実施状況と今後の対応の意向を評価したうえで, 62カ所の診療所医師のインタビュー調査により在宅緩和ケア実施の阻害要因などを明らかにした.【結果】質問紙の回収率は81%で, 在宅緩和医療の実施率は, 比較的末期のがん患者の在宅診療27%, モルヒネ内服による疼痛管理29%, 精神面サポート12%などであった. インタビュー内容分析の結果, 緩和スキルの向上, 病院医師との関係構築, 患者・家族・一般市民の啓発などの必要性が示された. 【結語】在宅緩和ケア推進のためには, 地域で研修会などを開催し, 病院, 診療所間で良好な関係を築きながらスキルアップを行うとともに, 一般市民の在宅ケアへの理解を培うことが重要である. Palliat Care Res 2009; 4(2): 112-122
著者
国分 秀也 とおし 幸市朗 的場 元弘 磯野 雅子 外 須美夫 矢後 和夫
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.311-316, 2006 (Released:2006-09-08)
参考文献数
12
被引用文献数
1 2

アセトアミノフェン(APAP)坐薬の成分含量は1個200mgが最大で, がん性疼痛患者に用いる場合, 海外における用量(4000mg/日上限)を目安に投与するケースがあるため, 一回に3~4個挿入しなければならない. そこで, 今回, 1個600~800mgの坐薬を調製し, その有用性について検討した. 方法は, APAP経口投与患者と直腸内投与患者の血中トラフ濃度を測定し, 副作用についても比較検討した. その結果, APAP経口投与群と直腸内投与群の血中濃度は, ほぼ同等な値を示した. また, APAP使用1週間後のAST, ALTおよび総ビリルビン値に異常値は認められなかった. さらに, APAPを経口投与から直腸内投与に切り替えた症例で, 切り替え前後でNRSに変化がなく, 血中濃度もほぼ同等な値を示していた. 以上のことから, 今回, 調製した高用量APAP坐薬はがん性疼痛患者において血中濃度と安全性に問題なく使用可能であると考えられた.
著者
国分 秀也 的場 元弘 山田 安彦 矢後 和夫
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.131, no.1, pp.113-127, 2011-01-01 (Released:2011-01-01)
参考文献数
89
被引用文献数
1 1

The pain experienced by cancer patients can be managed in 70-90% of cases by the World Health Organisation protocol for cancer pain. However, cancer pain treatment in Japan is not sufficiently effective. To use medicine safely and effectively, various problems must be solved. Therefore, in this study, appropriate usage of cancer pain treatment was examined. We were able to use acetaminophen suppositories (800 mg each) in cancer pain patients. It was suggested that high serum concentrations of oxycodone and hydrocotarnine might be observed in geriatric patients or in the state of decreased hepatic blood flow, making dose adjustment is necessary for such patients. We also clarified that the conversion ratio from oral oxycodone to intravenous ocycodone/hydrocotarnine was 0.71±0.12. In addition, we clarified the pharmacokinetics of controlled-release oxycodone in patients with cancer pain. Moreover, the findings of our study indicate that in the steady state, the serum concentrations of fentanyl are not maintained at a constant level for 3 days following the use of transdermal fentanyl. We established a method of appropriately passing a nasal duct for sustained release of fine granules of morphine sulfate. Resolution of the clinical problems associated with cancer pain treatments is anticipated to allow the proper use of cancer pain treatments in Japan.