著者
中村 愛実 小川 克彦 秋山 美紀
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告電子化知的財産・社会基盤(EIP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.118, pp.115-120, 2008-11-22
参考文献数
8

インターネットは中高校生にとって身近な存在となった.しかし、学習面での利用に関しては学習教材の検索・著作権・保管や共有の面で課題が生じている.キーワードのみに依存する検索エンジンでは、自分の欲しい教材を見つけるための言葉を見つけにくく、また、コンテンツの著作権の扱いが不明確であることから気に入ったサイトや素材の保管・共有を自由にできない.本報告では、教材の発見を容易にする独自の教材共有タグにより、キーワードを入力することなく直感的に教材を発見できる感覚検索バー、好きな情報を取捨選択して個人保管かつ自由に共有することのできる個人ノート (資料集) を具備した学習教材プラットフォーム (学実ねっと) のコンセプトを提案し、システム概要を述べる.Recently, junior and high school students often take a chance to use the internet for leaning. However, there are many difficulties in searching, copying and sharing learning materials. They cannot find appropriate keywords for searching services. There are no practical rules in copying materials for sharing them each other. This report proposes an information-sharing platform called "Manamin Net" to solve the problems by using intuitively search functions and sharing materials with information tags.
著者
秋山 美紀 的場 元弘 武林 亨 中目 千之 松原 要一
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.112-122, 2009 (Released:2009-10-29)
参考文献数
10
被引用文献数
2 1

【目的】診療所医師の在宅緩和ケアの実施状況および困難感を明らかにし, がん緩和ケアを地域で推進するための有効策を検討することを目的とした.【方法】緩和医療資源が十分でないと考えられる地域の全診療所69カ所の医師を対象に, 質問紙調査によって在宅緩和ケアの実施状況と今後の対応の意向を評価したうえで, 62カ所の診療所医師のインタビュー調査により在宅緩和ケア実施の阻害要因などを明らかにした.【結果】質問紙の回収率は81%で, 在宅緩和医療の実施率は, 比較的末期のがん患者の在宅診療27%, モルヒネ内服による疼痛管理29%, 精神面サポート12%などであった. インタビュー内容分析の結果, 緩和スキルの向上, 病院医師との関係構築, 患者・家族・一般市民の啓発などの必要性が示された. 【結語】在宅緩和ケア推進のためには, 地域で研修会などを開催し, 病院, 診療所間で良好な関係を築きながらスキルアップを行うとともに, 一般市民の在宅ケアへの理解を培うことが重要である. Palliat Care Res 2009; 4(2): 112-122
著者
秋山 美紀 前野 隆司
出版者
公益社団法人 北海道作業療法士会
雑誌
作業療法の実践と科学 (ISSN:24345806)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.79-85, 2023-11-30 (Released:2023-11-30)
参考文献数
22

対人援助職である作業療法士は,支援の対象者のウェルビーイングを向上させるために日々,努力している.では自身のウェルビーイングはどうであろうか.本稿では,自身のウェルビーイング向上のための柱となる,幸せの4因子について解説し,4因子の培いやバーンアウト対応には,セルフ・コンパッションが必要であることを述べ,セルフ・コンパッションを高める技法についても言及する.作業療法士がセルフケアをすることが,対象者への質の高い支援につながると思われる.
著者
秋山 美紀
出版者
日本健康教育学会
雑誌
日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.100-108, 2018-02-28 (Released:2018-02-28)
参考文献数
27

緒言:効果的なヘルスコミュニケーションプログラムは,個人はもとより,組織,コミュニティ,そして社会全体を健康な方向に変えていく影響力を持つ.本稿は,健康課題を抱える人を取り巻くマクロな環境を変えることを念頭に置いたヘルスコミュニケーションの実践例や教育プログラムを紹介しながら,人と環境との交互作用の重要性を再確認する.内容:コミュニケーションは単体でも,当該社会における健康課題や優先課題を知らしめたり,組織間関係を強化することが可能である.しかしながら,起きた変化を持続させたり,より複雑に絡み合う課題を解決するには,他の戦略と組み合わせる必要があることが知られている.このことから,ヘルスコミュニケーションの研究,実践,教育は,他分野と融合しながらダイナミックな広がりを見せており,例えば,欧米の公衆衛生大学院ではアドボカシーや住民参加型ヘルスリサーチ等を関連科目として教授するようになっている.最近のヘルスアドボカシーの顕著な成果として,糖分を多く含むソーダ飲料への課税が挙げられる.Berkeley市を筆頭に米国の複数の都市で導入されることになったものである.親の会,学校,公衆衛生の専門家らによる効果的なパートナーシップが,キャンペーンを成功に導いた事例である.まとめ:日本でも多分野の知見を導入しながら多層的に健康活動が展開されていくことが求められている.そのためにはヘルスコミュニケーションの裾野をさらに広げていく必要がある.
著者
瀬戸屋 希 萱間 真美 宮本 有紀 安保 寛明 林 亜希子 沢田 秋 船越 明子 小市 理恵子 木村 美枝子 矢内 里英 瀬尾 智美 瀬尾 千晶 高橋 恵子 秋山 美紀 長澤 利枝 立石 彩美
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.1_41-1_51, 2008-03-20 (Released:2011-08-30)
被引用文献数
16 10

精神障害者に対する地域ケア施策において,精神科訪問看護は重要な役割を担っている.その効果については,精神科病棟への再入院の防止と在院日数の減少に影響を与えることが報告されているものの,提供されているケアの具体的な内容については十分に検討されていない.本研究は,精神科訪問看護で提供されているケア内容を網羅するケアリストを作成することを目的に,精神科訪問看護師18名を対象に,行った看護ケア内容についてインタビュー調査を行った.得られた援助内容について質的に分析し,「日常生活の維持/生活技能の獲得・拡大」「対人関係の維持・構築」「家族関係の調整」「精神症状の悪化や増悪を防ぐ」「身体症状の発症や進行を防ぐ」「ケアの連携」「社会資源の活用」「対象者のエンパワメント」の8つのケアの焦点と,それぞれの焦点について合計58のケア領域と222のケアコンテンツからなるリストを作成した.今後は,このリストを用いてケアの内容と量を測定していくことが期待される.
著者
秋山 美紀 田島 健
出版者
日経BP社
雑誌
日経ドラッグインフォメーションpremium
巻号頁・発行日
no.172, pp.28-30, 2012-02

日本版PHR(personal health record)を目指す政府の「どこでもMY病院」構想で、具現化の旗頭に選ばれた「電子版お薬手帳」。薬局関係者から大きな期待を集めている。昨年夏まで、政府IT戦略本部の「医療情報化に関するタスクフォース」のメンバーとして、本構想の策定にも携わった慶應義塾大学の秋山氏に、電子版お薬手帳の将来像を聞いた。
著者
秋山 美紀 武林 亨
出版者
公益財団法人 医療科学研究所
雑誌
医療と社会 (ISSN:09169202)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.3-11, 2013-06-28 (Released:2013-07-05)
参考文献数
12
被引用文献数
3

診療所による在宅医療の実施状況を把握するとともに,診療所がどのような課題を認識しているのかを明らかにすることを目的に,7都道府県20地区・郡市医師会で,内科,外科,整形外科のいずれかを標榜する2990件の診療所を対象に質問紙調査を行った。回答を得られた1201診療所のうち,在宅療養支援診療所として算定の実績があったのは215施設(34%),届出のみ算定なしが43(7%),届出取り消し済みが5(0.8%),届出なしが367(58%)であった。2010年一年間の在宅看取りが一例以上あった施設数は409(59%),年間看取り数0は280(41%)だった。年間看取り件数が7件以上あったのは77施設で,全在宅看取りの62%を担っていた。在宅療養支援診療所の届出・算定を行っている215施設の46%(99施設),在宅療養支援診療所の届出を行っていない367施設の約50%(182施設)が年1~6件の看取りを行っていることから,現状の地域の看取りは,在宅療養支援診療所の届出の有無によらない幅広い診療所群が支えていると考えられる。看取り数上位10パーセンタイルに含まれる診療所の半数が,24時間体制を構築しており,地域における診療協力体制への関与を持ち,また地域医療連携に関わる職員も積極的に配置していた。とりわけ,看護・介護に関わる他施設とのカンファレンスの実施割合は高く,このことからも,在宅医療推進における地域連携,多職種連携の重要性が示唆される。
著者
内山 映子 秋山 美紀 花井 荘太郎
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

ITを活用したコミュニケーション支援ツールの利用が、介護サービス提供者と認知症患者の家族との間のコミュニケーションを増加させ、ひいては家族のストレス軽減に寄与するか、また介護サービス提供者のコミュニケーションに要する手間を従来方式以上に増加させないかを実証により検討した。その結果、コミュニケーションが増加した事例からは、ストレスの軽減に有効な可能性が示された。また日々の業務の中でITツールを利用する際にサービス提供者が要する所要時間は、読み書き含めて1件あたり平均7. 5分で、紙媒体と比べても業務上の過大な負担とはならないことが示された。