著者
皆吉 淳平 柴田 邦臣
出版者
大妻女子大学
雑誌
大妻女子大学紀要. 社会情報系, 社会情報学研究 (ISSN:13417843)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.95-117, 2006

本稿は,2005年におこなわれた第44回衆議院選挙において,若い女性層が,どのようなメディアから影響を受け,その結果としてどのように考え,投票したのかを探ることを目的としている。予想外の結果となった今回の総選挙は記憶に新しいが,特筆すべき点として,これまで選挙に関心のなかった若年層が郵政解散選挙の「劇場型政治」に"踊らされる"かのように影響を受けて与党支持に流れたこと,ブログやWebなどの新しいメディアが投票行動に影響を与えたと考えられていることなどがある。そこで本稿では,その現状を探るためにアンケート調査をおこなった。調査の結果を分析すると,若年女性層の投票行動は,特に「劇場型政治」に"踊らされて"投票をしたとは言えないことがわかった。また,ブログなどの新しいメディアはほとんど影響を与えていなかった。一方で,若年女性層の投票行動にもっとも影響を与えていたのは家族であり,各種のメディアよりも家族の中でのさまざまな情報交換に信頼を置いている傾向を確認することができた。
著者
小松 美彦 大谷 いづみ 香川 知晶 竹田 扇 田中 智彦 土井 健司 廣野 喜幸 爪田 一寿 森本 直子 天野 陽子 田中 丹史 花岡 龍毅 的射場 瑞樹 皆吉 淳平
出版者
東京海洋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

米国で誕生し日本に導入されたバイオエシックスの特性を検討した。すなわち、文明論、歴史、メタ科学、経済批判、生権力の視点が稀薄ないしは欠落していることを剔抉し、日本の生命倫理の改革の方向性を検討した。成果は共著『メタバイオエシックスの構築へ--生命倫理を問いなおす』(NTT出版、2010)にまとめた。また、バイオエシックスが導入された1970~80年代の日本の科学・思想・宗教・政治状況を、文献輪読やオーラルヒストリー調査などを通じて考察した。以上は、国内外の研究にあって初の試みであり、書評やシンポジウムなどで高く評価された。
著者
皆吉 淳平
出版者
日本社会学理論学会
雑誌
現代社会学理論研究 (ISSN:18817467)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.100-112, 2008 (Released:2020-03-09)

R. C. フォックスによる「生命倫理の社会学」という構想の可能性を検討することが本稿の目的である。社会学は経験科学として、価値判断を行わず経験的記述を目指すという自己規定を有している。けれども、生命倫理やバイオエシックスと呼ばれる問題群は価値判断を抱え込んでいる。経験的記述という自己規定と価値判断を抱え込んだ対象との間で、フォックスによる「生命倫理の社会学」は、バイオエシックスを社会文化的現象として捉える。その上で、3つのアプローチが示されている。歴史記述、エートスの記述、そして二重の相対化である。フォックスが目指した「生命倫理の社会学」が有する大きな可能性は、二重の相対化という方法にある。それはバイオエシックスと社会、その両者を相対化し検討する。バイオエシックスだけではなく、社会の分析であるからこそ、「生命倫理の社会学」は社会学として大きな可能性を有しているのである。
著者
ゴルトン フランシス 北中 淳子 皆吉 淳平
出版者
三田哲學會
雑誌
哲學 (ISSN:05632099)
巻号頁・発行日
no.114, pp.181-188, 2005-03 (Released:2005-00-00)

特集都市・公共・身体の歴史社会学-都市社会学誕生100年記念-A編 ゲデス・プロジェクト第III部 ロンドン社会学会の創立